耳・補聴器のこと

中途失聴者の方が難聴を重く受け止めやすい理由

深井 順一|パートナーズ補聴器

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こんにちは、パートナーズ補聴器の深井です。ご覧いただき、ありがとうございます。

さて、今回は、中途失聴者の方が難聴を重く受け止めやすい理由について、記載していきます。

難聴の方には、大きく分けて、生まれつきの難聴の方と途中から難聴になった方、中途失聴の方がいます。

中途失聴になる経緯は、様々ですが、病気になったり、事故にあったり、あるいは、若い頃は良かったかもしれないですが、ある時から、遺伝により、急激に下がる。なんて方もいます。

私自身、生まれつきの難聴者なのですが、難聴の方の中でも耳のこと、難聴のことをどう受け止めるのか。その点は、変わる傾向がありことを経験しています。

今回は、その点に関して載せていきます。

補聴器を使った生活へ思考をシフトする

補聴器において大事なことは何か。と言われたら、色々な返答が出てくると思います。聞こえをきちんと改善すること、自分に合う補聴器を使うこと。これらのことは出てきそうです。

これらのことも大事なことなのですが、生まれつきの難聴者である私自身が思うのは、「難聴の体でどう生きていくかを考えること」だと思っています。

理由は単純で、今現在、残念ながら補聴器で耳を治すことができないからです。そうなると、聞こえにくいことで不自由な部分、不便な部分というのは、ある程度、残ることになります。

ですので、これらのものが残った状態で、言い方を変えれば、そのような難聴の体をデフォルトとして、これからのことをどう生きていくか。どう対応していくか。という点を考える必要があります。

補聴器を使った生活、あるいは、難聴の体で生きていくという思考へシフトしていく必要がある。ということですね。

生まれつきの難聴の方と中途失聴の方の違いは?

生まれつき難聴の方は、初めから難聴だったことが多いため、何となく、それを体で理解されているケースが多いように感じます。(そうじゃない方ももちろんいます)

私もそうなのですが、生まれた時から、このような体でしたので、色々とやらかしたり、失敗したりしましたが、「こういうところだと自分の力が発揮できないんだな」とか、「耳のことは、初めに伝えられるといいな。伝える機会を逃すとなかなか伝えられないし」とか、長い時間をかけて学ぶ機会があります。

しかし、中途失聴の方の場合は、いきなり、それが全部来ます。どのようにその体で、生きていければ良いのか。自分には、何ができて、何ができないのか、苦手なのか。さらに周囲の人とどのように関わっていければ良いのか。それらが一気にきます。

大抵、物事というのは、いきなり起こります。病気になる。というのも大体急ですし、予兆があるケースはありますが、急に起こることもありますので、すぐに対応できるものではありません。

私はこれを生まれつき難聴の方と中途失聴の方の学習期間の差。という言葉で表現していたりするのですが、この難聴の体でどう生きていければ良いのか。という学習期間の差が実は、結構大きいです。

どちらも困難さのレベル、困っているレベル、そして、障害の重さは、同じです。仮に聴力や症状、そういったものが同じ、近ければ近いほど、その違いはありません。

しかし、それが徐々に学習する機会があるのか、それとも一気にそれが来てしまうのか。により、受け止め方は、大きく違います。

ここが大きな違いですね。そして、大きく受け止めやすい理由もそこにあります。

もちろん、この点は、上記のことだけではなく、生まれつき難聴の方は、もともと聞こえている状態を知らない(少なくとも私はわかりません)、言い方を変えれば、失ったものの大きさを知らない。もともとないのでわからない。という点も考えられます。

同じ聞こえにくさ、困難さがあったとしても、状況によって受け止め方は変わる。個人的には、とても面白いことだと思っています。

まとめ

ということで、中途失聴者の方が難聴を重く受け止めやすい理由ということで、記載してみました。

同じ障害、同じ難聴、同じレベルの困難さを持っていたとしても、その問題が一気にドドドッ!と来てしまうと、問題の量や変更しなければならないことが多くなってしまいますので、困難さが強く感じられる傾向があります。

ですので、私からもし、中途失聴の方にお伝えできることがあるとすると、ゆっくりひとつひとつ、問題を改善していければ良い。こちらのみになります。

一度に問題が降りかかってくると、どうしても精神的に参ってしまったり、辛くなってしまうことはあります。ですので、できることから始めていく。それで良いと考えています。

これは、生まれつきの難聴の方も同様です。耳や聞こえにくさ、補聴器の問題は、そう簡単に改善できるもの、まるで魔法のように全てを無くすことはできません。

それは実際に補聴器を使って生活している私自身がよく理解をしています。補聴器ではまだまだ耳が治らない時代ですので、そんな中でも、自分の状況を少しでもよりよくすること。

他の方法を使ってよりよくして、なるべく負担のない生活をしたいものですね。

ということで、中途失聴者の方が難聴を重く受け止めやすい理由でした。

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深井 順一|パートナーズ補聴器
深井 順一|パートナーズ補聴器
補聴器を使っている人が対応している補聴器専門店・代表
補聴器のお店には珍しい難聴の補聴器販売員です。生まれつきの難聴者で7歳の頃から補聴器を使っています。補聴器の販売員としての知識、技術に加え、一人の難聴者が自分自身の聞こえを改善した知識、技術も組み合わせながら、聞こえの改善、補聴器のご相談をしています。
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