耳・補聴器のこと

最近の補聴器の価値

深井 順一|パートナーズ補聴器

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こんにちは、パートナーズ補聴器の深井です。ご覧いただき、ありがとうございます。

今回の内容は、最近の補聴器の価値。という内容で記載していきたいと思います。

私の場合、自分自身が難聴者ということもあり、新しい補聴器が出たりすると、自分の耳で補聴器を試してどんなものか確認するようにしています。

その際に感じることですが、最近の補聴器の傾向として、音を抑える機能の発達により、聞こえの改善は、そうなのですが、それ以上に精神的苦痛(疲労ともいう)を和らげる方が強くなってきているな。と感じています。

どんなところに補聴器の価値を感じるのか。という点は、人によって変化するのですが、今回は、私自身が感じている最近の補聴器の価値について、記載していきます。

補聴器の性能とは?

さて、ここを記載する前に補聴器の性能のところに関して、簡単に記載していきます。

基本的に今現在の補聴器は、聞こえを改善する機能。単純に聴力が低下した部分に音を入れ、足りない部分に音を入れて聞きやすくする機能は、どの補聴器にも搭載されています。

この基本的な聞こえの改善は、高額な補聴器と価格を抑えた補聴器では、そんなに違いがなくなってきています。価格を抑えたとしても、きちんと聞こえの改善に貢献できるようになってきた。というのが、最近の補聴器です。実にいいことですね。

そうなると、「ん?じゃあ、高額な補聴器と価格を抑えた補聴器の違いは何?」となるのですが、それは、聞こえを改善した後の世界に気になりやすいものを軽減する機能が、たくさんついているか、そうじゃないかの違いです。

聞こえの改善をしていくと、良くも悪くも色々な音が入ってきます。聞きにくかった音声も入ってくるのですが、世の中にある音は、音声だけではありません。ガタガタとする物音、扉を閉めた時の音、コップを置く音、色々な音がします。

難聴になると、小さい音は聞こえなくなりますので、このような日常でよく発生する音を忘れてしまい、初めに補聴器をつけると、結構、気になることがあります。(特に離れたところの物音)

そして、その中でも気になりやすい音というのがあり、風がマイクに当たった時の音だとか、ヒールのようなカンカンするような音だとか、あとは反響音があったりすると、音声が聞きづらくなってきたりします。

そのような機能を効果的に抑え、楽にしてくれる機能の有無、これが一つですね。

もう一つは、騒がしい中に行くと色々な音がしてしまい、音声と周りの音が混ざり、なんか一体化してしまってよくわからない。ということが起こります。

様々な音がするとどうしても混ざってしまって(音の区別が難聴になるとしづらくなり、一体化しやすくなります)、理解しづらくなるということが起こりやすくなりますので、それをなるべく軽減する機能(指向性と言います)があったりします。

この2つの機能が上がると上がるほど、補聴器の価格は一気に上がるようになります。

で、最近の補聴器は?

前置きが長くて申し訳ないのですが、じゃあ、最近の補聴器は、どうなのか。私が使った限りですが、かなり自然な感覚に近いような感覚になります。

自然な感覚に近いような感覚とあやふやな表現をしてしまって申し訳ないのですが、最近の補聴器は、「おそらくこれ、聞こえなくても良いだろうな。」という音を抑制する機能が割と強く出ます。それにより、おそらく自然な感覚ってこういう事なんだろうな。という状況に近くなってきました。

以前までの補聴器は、良くも悪くも全体的に音を入れる。という感覚が強く、それにより、周囲のノイズやら、補聴器特有の音なども全部入っていました。

しかし、感音性難聴の方の場合、どうしても音の聞き分けが難しいため、複数の音が入ると急に聞き取りづらくなってしまいます。

ですので、様々な音がしっかり入る。という感覚は、よく聞こえている感覚こそあるものの、騒がしくなると急に何もわからなくなります。

騒がしくなると、よく聞こえすぎるが故に、色々な音が入り、混ざってしまって、音声が周りの音に覆いかぶさるような感覚になってしまうんですね。

それを少しずつ軽減するようになってきた。というのが、今現在の補聴器の状況ですね。

使って感じるもう一つの効果

実はここからが本番なのですが、私自身が感じた価値は、抑制機能が発達した事により、補聴器を使っても疲れづらくなってきた。疲労感が減った。というものです。

これは、昔の補聴器、あるいは、よく聞こえを改善している補聴器を使っている方であれば、お分かりいただけると思うのですが、補聴器で聞こえを改善しようとすればするほど、基本的には、しっかり音を入れる必要が出てきます。

しっかり音が入っている状態というのは、確かに聞こえの改善に貢献しやすいのですが、逆にその補聴器を使い続けると疲れる。ということがあります。

朝起きて補聴器を使い、昼、夕方……と時間が経過していくうちに、音をしっかり聞こうとする神経的な疲れも重なり、夜はぐったり……ということがあります。

そう行ったものがよく考えてみたら、感じにくくなったな。というのが私の感覚です。

私の場合、最近は、物的な豊かさより、精神的な豊かさの方が大事だな。と感じ、自分にとって楽な状態を目指すようにしています。

そこからするとまさか補聴器がその領域に入ってくるとは思わず、これは良い変化だなと感じます。

実際には、それによる価値を感じる方とそうじゃない方。例えば、聞こえの改善にしか価値を感じない方には、あまりよくは感じないかもしれませんが、疲れやすい方、聞く事に集中しすぎているせいか、凝る方などには、いいかもしれません。

聞こえの改善部分については、使う方が感音性難聴(私も感音性難聴です)ということもあり、なかなか精度を上げることが難しい状況だとは思います。

音を出す方が問題というより、その音を受け取る神経、耳側の問題となると、なかなか進歩しづらい傾向があります。

とはいえ、少しずつできるところから始めて、より良くなろうとしているところは感じますね。

まとめ

ということで、最近の補聴器の価値について私自身が感じていることを記載してみました。

私の場合は、自分で補聴器を使い、さらにその補聴器で日常生活もしていますので、その数少ない特性を利用して、自分なりに補聴器を理解しようと努めています。

最近の補聴器で思うことは、補聴器自体が静かになってきたことですね。しっかり聞こえる感覚が好きな方は、ちょっと初め、戸惑うかもしれませんが、静かだけど、聞こえる。というような謎の感覚を味わうことができます。

感音性難聴の特性上、邪魔する音は、あまりない方がよく(音の聞き分けが難しいので)、その理想には、一つずつ近づいてはいるようです。

ただ感覚的に合わない人も出てくるかとは思いますので、その点は、実際に使ってみてどう感じるかですね。

ということで、最近の補聴器の価値について記載してみました。

ABOUT ME
深井 順一|パートナーズ補聴器
深井 順一|パートナーズ補聴器
補聴器を使っている人が対応している補聴器専門店・代表
補聴器のお店には珍しい難聴の補聴器販売員です。生まれつきの難聴者で7歳の頃から補聴器を使っています。補聴器の販売員としての知識、技術に加え、一人の難聴者が自分自身の聞こえを改善した知識、技術も組み合わせながら、聞こえの改善、補聴器のご相談をしています。
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