補聴器のFAQ

補聴器の音を耳に慣れさせるには?

深井 順一|パートナーズ補聴器

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補聴器による聞こえの改善は、聞こえの改善と補聴器のFAQ、にまとめています。また、個々の症状(症例)ごとの改善は、お客様の聞こえの改善事例にまとめています。

補聴器を使っていく上で、大事になってくるのが、補聴器の音に慣れていくことになります。

特に初めて補聴器を使う方に関しては、良くも悪くも今まで聞いていた感覚と感覚が変わってきます。人によっては、世界が変わったと表現される方もいますね。

難聴の状態は、だいぶ狭い範囲での聞こえになったりするのですが、補聴器を使うと身近な音から離れたところからの物音、そういったものも入りますし、自分の声、相手からの声もより入るようになります。

そういった補聴器を使ったときに感じる感覚の変化、これに慣れていくことを補聴器に慣れるといったりします。

では、どのように補聴器の音に慣れていければ良いのか。こちらでは、この点に関して、まとめていきます。

補聴器の音に慣れるには?

補聴器の音に慣れるのに必要なのは、とにかく補聴器を使うこと。これだけです。補聴器を使って日々の日常を過ごすこと、たったこれだけですね。

人によって異なるのですが、初めから、一日中(大体8〜10時間くらい)使える方だと、1〜2週間で補聴器の音に慣れてきます。一日、3〜4時間ぐらいしか使わない。という方だと、1ヶ月だとか、2ヶ月など、だいぶ長くなる傾向があります。

慣れることを考えると、一気にした方が(一気に使った方が)慣れやすい。というのは、実体験として私は感じています。

補聴器は基本、使いすぎるとダメとか、一日、何時間までしか使ってはいけないとか、そういったものはありません。

朝起きて、補聴器を耳につけ、そして、普段はそのままにして、お風呂に入るときに補聴器を外し、しばらくして寝る(寝る時だけ補聴器は外します)。補聴器の主なサイクルは、このようになります。

初めの頃は、少し辛くなることがあるかもしれません。

メガネを初めて使ったりとかすると、今までの見え方と異なり、ぼやっとしたものがシャープになりますので、ちょっとキツく感じますよね。人によっては、頭が痛くなったり、気持ち悪くなったりすることがあります。

補聴器の場合は、今まで難聴の状態から聞こえるようになることで、さまざまな音が聞こえるようになります。

難聴の状態というのは、聞こえる音の範囲が非常に狭い状態になり、ある程度、音が大きいものしか難聴の方は、音を感知できない状態です。音は聞こえないと、目に見えるものでも、触れられるものでもないため、そこに音があったとしても気がつかないためですね。

補聴器をつけると、いきなり多くの音が聞こえるようになるため、聞こえる音の範囲が一気に広がり、聞こえる音の量(音量という意味ですね)も一気に大きくなります。

すると、「世の中ってこんなにうるさいんだな」とか、「これってこんな音がしていたんだな」とか、いろいろなところで、様々な音がしていることに気が付きます。

初めは、聞こえてくる音の数が多くなることで、たまに頭が痛くなるような方がいます。

その場合は、しばらく休んで(できればその日は休んで)、また別の日に使い始める。ということをできると良いです。

そういったことがなければ、ずっとそのまま使ってもOKです。補聴器の音に慣れるについては、あくまでも私自身の考えは、「無理はしない」になります。

無理しても良いことはないというのが前提にあるのですが、音は聞こえすぎると、聞こえすぎることによってまたツラい状態になることがありますので、無理せず、ご自身ができる範囲から始めていけると良いですね。

慣れた状態と慣れるとできること

補聴器の音に慣れてくると、まるで全体的に聞こえてくる音が半音下がったかのような感覚になります。あくまでも生まれつき難聴で補聴器を使っている私の場合は、そう感じています。

補聴器は機械で音を大きくしているということもあり、どうしても初めは、機械っぽい感覚で音を感じます。

この感覚は、ラジオの音声、あるいは、電話での音声に近いです。あんな感じで補聴器から音を感じます。

それが慣れてくるようになると、まるで肉声のように感じてきます。そんな風に補聴器から聞こえてくる感覚が変化します。

このような状態を補聴器の音に慣れてきた。と表現したりします。

で、補聴器の音に慣れてくると何が良いかと言いますと、より聞こえの改善がしやすくなるというのがあります。

上記に記載した通り、初めは、いろいろな音が聞こえてくることもあり、聴力に対し、いきなり100%入れられるとよい音量で始めることは、ほとんどありません。

初めての場合は、改善できるとよい数値が10だとしたら、初めは、6か、7ぐらいのボリュームで行います。

いきなり、9とか10でやると音が大きくなり、聞こえる音の範囲も一気に広がりますので、音がキツく感じるケースが多くなってしまうためですね。

初めは、6か7ぐらいで行い、徐々に慣れてきて、もう少し音を大きくしても大丈夫そうだな。となったら、8、9と大きくしていき、なるべく聴力に対しての改善目標値に近づくようにしていきます。

補聴器の音に慣れるのが大事なのは、補聴器から聞こえる音の感覚が自然になってくることもあるのですが、それ以上に聞こえを改善しようとすると、慣れた後に徐々に上げていくことが大切になるからです。

逆に言えば、早く慣れてしまえば、それだけ、目標の部分まで聞こえを改善しやすくなります。

だいたい、この補聴器の音に慣れることと、補聴器の調整はセットで語られることが多い傾向があります。

こんな時は注意

実は、慣れるという点に関しては、いくつか注意点があります。

  • どんなものも慣れるという事はない
  • 頭痛がする場合は、様子見が大事

の2点です。

どんなものも慣れるという事はない

たまに慣れることが大切ということで、どんなものも「慣れるもの」あるいは「慣れてください」で片付ける方がいますが、そのようなことはありません。

補聴器の音に慣れるというのは、実は、非常に微妙なところで、耳の状況によっては、音を感じる神経が弱ってしまい、なかなか馴染まない方もいます(補聴器の音がずっと異質に感じる方もいます)

ですので、どんなものも慣れるという事はありません。補聴器をつけて辛く感じる場合は、必ず、補聴器を調整されているところ、お店、病院さんに相談していただくことが大切です。

私も、どのような耳の方でも補聴器の音に慣れるという事はない。ということを知っているからこそ、実際にお店では、補聴器の試聴や使ってみた感覚をきちんとお伺いしています。

頭痛がする場合は、様子見が大事

もう一つは、頭痛がする場合は、様子見が大事という事です。

頭痛がする場合、それは何度も起こるものなのか、それとも一過性のもの(一時的なもの)なのか。その点を知る必要があります。

靴擦れのようなもので、初めの時だけ起こる事はあるのですが、何度も起こる場合は、何かしら、対策をする必要があります。

それは聞こえている音が大きすぎるのかもしれませんし、中には、音そのものを耳が受け付けないというケースもあります。

一過性のものか、それとも何度も起こるのか。この点は慎重にみていく必要がありますね。

初めの時だけ起こるものは、基本、問題ないことが多いのですが、何度も起こる場合は、対策を考えていく必要があります。

まとめ

補聴器の音を耳に慣れさせるために大事になるのは、とにかく補聴器を使うこと。ここに尽きます。ですので、使えるのであれば、使っていただくことが大切です。

ただ、使っている際に頭痛がしたり、何か異変が起こった場合は、無理に使う必要はありません。その日は、休んでいただき、また別の日に使い始めて、使えるようになると良いですね。

補聴器は、一日、何時間までしか使ってはいけないというような事はありません。使えるなら、一日中使っていただき、そのまま補聴器がご自身の生活の一部、体の一部になるような状態になれると良いです。

慣れていくために、ご自身の無理のない範囲で行っていきましょう。

ABOUT ME
深井 順一|パートナーズ補聴器
深井 順一|パートナーズ補聴器
補聴器を使っている人が対応している補聴器専門店・代表
1986年7月1日生まれ。生まれつきの難聴者で小学2年生の頃から補聴器を使っています。専門分野は、感音性難聴と老人性難聴で、私自身が補聴器を使っている当事者であることを活かして、お困りの方に貢献できるようお店作りをしています。
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