補聴器のFAQ

感音性難聴と聞こえの改善

深井 順一|パートナーズ補聴器

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聞こえにくくなる耳の病気には、主に感音性難聴の系統のものか、伝音性難聴の系統のものがあります。

基本的に感音性難聴の場合、耳の治療が困難で、そのまま聞こえにくさが残りやすく、伝音性難聴の場合は、手術をしたりなど、治療できる系統のものがいくつかあったりします。

こちらでは、感音性難聴の系統のものに関して、聞こえの改善をするとした場合、どのような流れになるのか。その点について、記載していきます。

感音性難聴とは?

感音性難聴とは、蝸牛と呼ばれる部分を含む、その先がなんらかの理由により損傷してしまい、うまく音が処理できない、受け取れない状況です。

学術的な物凄く難しい話は別にして、こちらでは一般的な内容を記載していきます。

感音性難聴とは、主に内耳と呼ばれる音を感じとる神経の部分がなんらかの理由により、損傷してしまい、聞きにくくなっている状態です。

主な感音性難聴の聴力図、○と×(気導聴力)、[と](骨導聴力)が一緒の位置に出てきているケースは、その傾向ありです。

聴力検査の内容でお伝えしますと、◯と×の部分(気導聴力と呼びます)と[]カギカッコみたいな部分(骨導聴力と呼びます)が同じような位置にある場合は、感音性難聴の傾向ありです。

このような状況になると、

  • 単純に音が聞こえづらくなる(聴力検査での数値の低下)
  • 音は聞こえるけれども、言葉がわからないということが起こる(明瞭度の低下)

の2つが起こります。

感音性難聴の特徴は、音が聞こえにくくなることのほか、音声がはっきりしづらくなることです。

音が聞こえにくくなることにより、はっきりしないということもあるのですが、補聴器をつけても、音声がはっきり聞こえないケースもあり、音が聞こえないことと、言葉が理解できないこと、この2つが起こるのが大きな特徴です。

先ほどの内耳以外の部分が損傷しても聞きにくさはでます。その場合は、伝音性難聴と呼び、主に音が小さく聞こえる状態になります。(音の理解は比較的しやすい)

聞こえにくくなる部分によって症状は変わるのですが、外耳、中耳といった部分により聞こえにくくなっている場合は、言葉が理解できないということは少なく、単に音が小さくなるという感覚です。

しかし、内耳が損傷している場合は、音をうまく処理できなくなってしまい、聴力の低下と音声の理解度の低下の両方が起こります。

そのことによる不便さが残ってしまうのが、感音性難聴の大きな特徴になります。

なお、内耳が損傷するタイプは、いくつかあり、生まれつきの感音性難聴の方もいれば、原因不明の感音性難聴の方、突発性難聴の方、メニエール病の方、老人性難聴の方も感音性難聴です。

これらの難聴は、全て内耳という音を感じとる神経のところがなんらかの理由で損傷してしまい、聞こえにくくなっているケースになります。

このような症状の方は、上記に記載した音が聞こえにくくなることのほか、言葉が理解しづらいということが起こります。

改善と改善の流れ

感音性難聴に関しては、一般的に改善することが非常に困難であるということが挙げられます。具体的な改善方法、はっきりとした改善方法は、今なお発見されていません。

急性の難聴の場合、上記のケースでいえば、突発性難聴とメニエール病などの急に起こる難聴があるのですが、これらのものは、48時間以内(2日以内)に耳鼻科さんを受診され、治療を受けることで改善されるケースがあります。

しかし、これを過ぎてしまうと基本的に改善は難しくなることが報告されています。

ですので、基本的には、聞こえにくくなったり、何か異変を感じたら、耳鼻科さんを受診していただくということが大切です。

そして、感音性難聴の場合の改善の流れですが、聞こえにくくなったら、補聴器。ということではなく、改善できるのであれば、まずは治療を試みて、そして、それでも改善できず聞こえにくさに困る場合は補聴器。という流れになります。

大事なのは、治療ができる場合は治療の方がいいということです。その方が安く済みますし、何よりも聞こえの改善度もそちらの方が高いです。

ただ残念ながら改善できないケースもあります。そのような場合に補聴器という流れになるということですね。

補足・伝音性難聴の場合は?

耳の状況には、主に感音性難聴と伝音性難聴があります。では、伝音性難聴は?という方もいるかもしれません。

外耳、中耳がなんらかの理由で損傷、病気になった場合は、伝音性難聴になります。単に音が聞こえにくくなることが症状として多いです。

伝音性難聴は、上記に記載したとおり、外耳、中耳といった部分になんらか病気、損傷があり、聞こえにくくなっているケースに該当します。

伝音性難聴の聴力図。骨導聴力が上にきており、気導聴力が下にきている。ポイントは、骨導聴力は、0〜25dBの範囲内(正常の範囲内)、気導聴力が25dB以下(難聴の範囲)であること。

そのような場合は、聴力検査の数値がこのような状態になり、カギカッコのようなものが上にきて、○と×が下にきます。このような状況を「気骨導差がある(きこつどうさがある)」と言ったりします。

このような数値の違いがある場合、それが発生している何らかの理由(原因)があり、先ほどの外耳や中耳といった部分で病気になっているケースが考えられます。

大事なポイントをお伝えすると、伝音性難聴は、手術したり、点薬により治療ができる傾向があるということです。治療できる方法が確立されていることが多いですね。

ですので、その部分に関して耳鼻科の先生とご相談し、ご自身の状況をより良い状態にしていけると良いです。

もちろん、実際には、手術で治る可能性はあるけれども体の負担を考えて補聴器で改善する。というような流れになることもあるのですが、感音性難聴との大きな違いは、治療の方法があることが多いことです。

その点も含めて、耳鼻科の先生方と相談できると良いです。

まとめ

こちらでは、感音性難聴の聞こえの改善ということで、全体的にまとめてみました。

今現在、感音性難聴に関しては、主な治療方法は確立されていません。私も生まれつきの感音性難聴ですが、改善する方法がないため、補聴器を使って、生活をしています。

ただ、急性の難聴、突発性難聴やメニエール病といったものは、発症直後であれば改善できる可能性がありますので、その場合は、治療していただくことが大切です。

残念ながら難聴や聞きにくさが残ってしまった場合は、より改善していく場合は補聴器となります。

基本的な流れは、治療できるなら治療し、できなかった場合に補聴器。となるということですね。

聞こえにくい→補聴器といきなりはなりませんので、その点だけご注意ください。(おそらくそんな人はいないと思いますが)

ということで、感音性難聴と聞こえの改善でした。

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深井 順一|パートナーズ補聴器
深井 順一|パートナーズ補聴器
補聴器を使っている人が対応している補聴器専門店・代表
補聴器のお店には珍しい難聴の補聴器販売員です。生まれつきの難聴者で7歳の頃から補聴器を使っています。補聴器の販売員としての知識、技術に加え、一人の難聴者が自分自身の聞こえを改善した知識、技術も組み合わせながら、聞こえの改善、補聴器のご相談をしています。
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