高い音が聞こえづらい難聴を補聴器で改善する

深井 順一|パートナーズ補聴器

補聴器による聞こえの改善は、聞こえの改善と補聴器のFAQ、にまとめています。また、個々の症状(症例)ごとの改善は、お客様の聞こえの改善事例にまとめています。

こちらでは、主に高い音が低下している難聴の方を補聴器で改善していく際の考えについて、記載していきます。

高い音が聞こえづらくなっている方の聴力とは、簡単に言えば、上記のような状態で、低い音は、聞こえるけれども高い音になるにつれ、聞きにくくなってくる聴力の方になります。

補聴器には、相談していく要素、決めていく要素が、

  • 耳の補い方
  • 補聴器の形状
  • 補聴器の性能
  • 補聴器の調整

の4つがあります。そのうち、耳の補い方、補聴器の性能は、聴力ごとに変わることはほとんどないため、別にまとめたものをご覧ください。

こちらでは、あくまでも高い音が聞こえづらい難聴の方を補聴器で改善するとした場合、変わる部分、補聴器の形状と補聴器の調整、の2つを主に記載していきます。

補聴器の形状

補聴器の形状とは、補聴器を買う際に選ぶ要素の一つです。今現在、補聴器は、補聴器の形状と補聴器の性能の2つの要素を選ぶ必要があります。

形状に関する詳細は、補聴器の形によって何が変わるの?、にまとめています。

こちらでは、高い音が聞こえづらい難聴の方を改善する際の形状に関することを記載していきます。

結論から言いますと、高い音が聞こえづらい難聴の方の場合、セオリー的な改善の際に使われるのは、

  • 耳かけ形補聴器なら、RIC補聴器
  • 耳あな形補聴器なら、CIC補聴器

になります。

まず、このような聞こえの方の場合、改善する際に気を付けるポイントの一つは、低い音の聞こえが良いため、補聴器をつけると耳が詰まった感覚、自分の声が大きく聞こえる不快感を感じやすいことです。

補聴器をつけて改善する場合に気をつけるポイントの一つは、低い音の聞こえが良い方は、補聴器をつけることの不快感を感じやすいことにある。

これは、耳を塞ぐと起こることで、この感覚は、125〜500Hzの聞こえが、60dBの範囲内で、かつ、この部分の聞こえが良いと良いほど、その不快な感覚は感じやすくなります。

ですので、その不快な感覚を軽減しつつ、低下した部分を補える補聴器を選択していけると良いのですが、それが先ほどの

  • 耳かけ形補聴器なら、RIC補聴器
  • 耳あな形補聴器なら、CIC補聴器

になります。

それぞれの違いは、こちらの通りです。不快な感覚に関しては、RIC補聴器の方が無くしやすいのですが、RIC補聴器は、耳にかけて使用するものですので、人によっては、メガネやマスクの邪魔になってしまい、使いづらさを感じる方がいます。

そのような方は、耳の穴の中に入れられる耳あな形補聴器の方が使いやすくなります。

この辺りは、お使いになる方が、どのような状況なのかで、選択が変わってきます。補聴器の形状は、扱いやすさに関わる部分ですので、ご自身が扱いやすいと感じるものを選ぶのが大切です。

補聴器の調整

補聴器の調整とは、補聴器で聞こえを改善していく作業そのものになります。補聴器は、低下した聴力のところに音を入れ、聞きやすくしていきます。その際、どこまで聞こえを改善したかで、聞こえの改善度の大半を占めるようになります。

おおよその改善できると良い数値。

なかなか表現が難しいのですが、無理やり補聴器の改善状態を可視化しますと、このようになります。これは、音場閾値測定という補聴器をつけた状態で聞こえを調べる聴力検査のようなものです。

今現在、補聴器で改善できる数値というのは、聴力にもよりますが、良いところで、大体30dBぐらいまでは改善できるようになってきています。

聴力検査の数値では、0〜25dBが正常の範囲、一般の人が聞こえている範囲が、0〜10dBです。となると、その近いところまでは改善できるようになっているということですね。

ここからが大事なことですが、高い音が聞こえづらくなっている方の場合、中心的に改善できると良いのは、このような部分です。

音声の改善に貢献しやすい部分。できればここは、最優先で改善したい周波数帯。

まず、音声に関係しやすい部分が、500〜2000Hzになります。ですので、ここに関しては、ご自身の聴力の目標値、あるいは、30dB、35dBぐらいまで改善できると良いです。特に30dBぐらいまで500〜2000Hzが聞こえるようになると、聞こえの改善度としては、変わるようになってきます。

高い音に関しては、低下量が大きいと補いきれないことも多い。そのため、できる範囲内で補っていくことが大事になる。

2000Hzより先に関しては、同じく、目標値まで改善する、あるいは、改善できる部分まで改善していく。ということができると良いです。この辺りは、聴力にもよるのですが、入れられる方と入れづらい方がおり、入れられる方は、改善していくと良いです。

仮に入れられない方は、入れられるだけ入れ、そこでストップし、なるべくよくしていけると良いですね。

低い音の部分は聞こえているケースも多く、ここは、元の聴力より下がらないように意識できると良い。

残りは、低い音の部分ですが、低い音の部分は、聞こえているところで留めておいて、補聴器がない状態より、下がらないようにできると良いです。このようにできると、聞こえているところは、そのまま活かし、聞こえづらくなっているところを補うことで、聞こえの改善に貢献しやすくなります。

結局のところ、全体的に改善していく、ということになるのですが、そのようにできると聞きにくさについては、減らしやすくなります。特に大事になってくるのは、音声に関係しやすい500〜2000Hzですね。この辺りは、なるべく補えるようにできると良いです。

お店をご利用いただいたお客様の声

生まれつきの感音性難聴の方

  • 改善:CIC補聴器
  • 機器:耳あな形補聴器
  • 備考:両耳装用にて改善

原因不明の感音性難聴の方

  • 改善:RIC補聴器
  • 機器:耳かけ形補聴器
  • 備考:両耳装用にて改善

生まれつきの感音性難聴の方

  • 改善:CIC補聴器
  • 機器:耳あな形補聴器
  • 備考:両耳装用にて改善、障がい者自立支援法使用

この他のお客様の声(総合)

まとめ

こちらでは、高い音が聞こえづらくなっている方の聞こえの改善、ということで、記載してみました。

基本的に補聴器で聞こえを改善する場合、大事になってくるのは、耳の補い方と補聴器の調整の2つです。耳の補い方は、記載していないのですが、どの耳に補聴器をつけるか、になり、補聴器の適性が両耳にあるのでしたら、両耳装用し、なるべく聞こえを改善できるようにすると良いです。

そして、補聴器の調整に関しては、上記の通り、どこまで聞こえを改善できたかで、聞こえの改善度が決まります。改善した数値がそのまま使う方の聴力、聞こえになるので、上がれば上がるだけ聞きやすさは上がるようになります。

ただ、先ほど述べた部分を改善できる方は良いのですが、人によって入れられるところ、入れにくいところがありますので、改善できるところはきちんと改善していくことが大事になります。特に音声に影響しやすい部分は改善できるに越したことはありません。

この2つで聞こえの改善の大半が決まりますので、ここは押さえておけると良いですね。

高い音が聞こえづらくなっているケースは、ケースバイケースであることが多く、聴力の低下の具合も聞こえ方も異なることが多いです。ですので、正直かなり書きづらい、まとめづらいのですが、その中でも共通する要素だけ、記載してみました。

こちらで何か参考になることがあったのであれば、こちらとしては、幸いです。

ABOUT ME
深井 順一|パートナーズ補聴器
深井 順一|パートナーズ補聴器
補聴器を使っている人が対応している補聴器専門店・代表
1986年7月1日生まれ。生まれつき難聴で小学2年生の頃から補聴器を使っています。このお店では、お客様の状況やご要望を理解したうえで、耳や補聴器のご相談ができるよう、完全予約制にして、ご相談を承っています。
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