【生活の質が明らかに上がった】突発性難聴になった耳をクロス補聴器で改善しました
30代、男性、突発性難聴により、右耳が聞こえにくくなった方よりご相談いただき、聞こえの改善を行いました。こちらの方は、突発性難聴により、片耳が聞こえにくくなった事で日常生活や仕事の際に聞き辛さを感じるようになってしまいました。
当店で聞こえの改善を行なったところ
- 聞きやすくなり、人とのやりとりがしやすくなった
- 会議で聞きにくい側にいる人の声も聞きやすくなった
- 仕事先での聞きにくさが改善できた
との声をいただきました。
では、どんな風に考えて、聞こえを改善したのでしょうか。実際の例を紹介していきます。
お客様の状況
お客様の状況としては
- 名前:W・Fさん
- 年齢:30代
- 性別:男性
- 症状:突発性難聴により、右耳が聞きにくくなった
- 改善:クロス補聴器(補聴器側:耳かけ形、クロス側:耳あな形)
- 備考:H28年1月に突発性難聴を発症。治療したが改善しなかったため、ご相談に。
となります。
平成28年1月に突発性難聴になり、耳鼻咽喉科にて耳の治療はしたものの、聞こえは改善できない状態でした。何ヶ月か治療に通うものの、改善する見込みはなく、そして、片耳が聞こえにくいことにより、日常生活や仕事にも支障が出てきてしまいました。
なんとか、この状況をよくできないか、その際、このブログ内のクロス補聴器に関して、ご覧になり、当店にお越しになりました。
耳の状態に関しては、当店で測定したかぎり
という状態でした。左耳は、聞こえていて、右耳は、ほとんど何も聞こえない状態となります。
状況としては、聞こえにくい側から話された時に気がつかなかったり、聞きにくい側に来られるとお話がわからないとのことでした。プライベートでは、何とかなることもあるようですが、仕事では、困ることが多々あり、主に仕事の場で、聞こえにくさが改善できるのであれば、補聴器を考えたいとのことでした。
職場では、周囲の人に右耳が聞こえにくいことはお話ししており、一定の理解は得られているものの、できるなら周囲の方に迷惑をかけたくない。そのようなお考えがあり、聞きにくさの改善を希望されました。困ることもあるのですが、それ以上に、この気持ちがお強い方でした。
状況改善の考え
改善方法としては、片耳のみ非常に聴力が低下しているため、クロス補聴器という補聴器を装用することです。
一般の補聴器は、聞こえにくい耳に補聴器を装用し、聞きにくい耳を聞きやすくするのですが、こちらの補聴器は、聞こえにくい耳側に来た音を聞こえる耳側に転送して音を理解する機器です。通称、クロスと呼ばれるもので、一般的な補聴器とは異なったものとなります。
クロスとは、このようなものです。一般的な補聴器を聞こえる耳につけ、聞こえない耳にクロス補聴器をつけます。クロスは、いわば音を転送させる送信機で、常時、一般的な補聴器に音を送ってくれます。
上記のような聴力の場合、聞こえにくい耳側に補聴器を装用したとしてもほとんど効果は得られません。実際に装用することで、いくらか聞きやすくできるのですが、それでも中等度難聴くらいまでしか改善ができないため、仮に補聴器を装用したとしても聞きにくさの方が勝る状態となります。
そのため、聞こえる耳に音を転送させて聞こえを改善させていきます。このように改善させることで、最も不自由を軽減できます。
実際の対応
実際の対応に関しては
- 初めて来店された頃から試聴まで
- 実際の補聴器の形状選定
- 最終試聴チェック
の3つに分けて記載していきます。
初めて来店された頃から試聴まで
初めてご来店になった時は、耳の状況確認をした後、クロス補聴器に関して説明。初めてのご相談でしたので、まずは、どのように聞こえるのか。それを体験いただくために、耳かけ形のクロスをお店で試聴。その後、貸出をしました。
耳かけ形のクロスを貸出してみますと、少し変化は感じるものの、そこまでよく聞こえるようになる感覚はなく、少し聞きやすくなる程度のようでした。なかなか効果に関しては、わかりづらく、10日ほど使用した頃に、実際に少しではあるけれども効果があるということがわかってきました。この際、使用された時間としては、仕事をしている時は、ほぼ使用されていました。
実際におっしゃったことは、少し聞きやすくなるけれども騒がしいところでは、聞きにくくなるとのことでした。大きな音がしているところや音が多いところでは、周囲の音に邪魔されてしまい、何を言っているのかわかりづらく、なかなか効果を感じない状況でした。その他、聞きにくい側から、音が聞こえるようになっている感覚はわかるようで、多少なりとも効果を感じるとのことでした。
何度か貸し出しを行い、少しずつ効果があることがわかってきましたので、本格的にクロス補聴器の選定を行うこととなります。
実際の補聴器の形状選定
補聴器に関しては、効果を重視するとのことでしたので、耳あな形のクロスを選択。
耳あな形のクロスには、
現行タイプの両耳とも耳あな形を作るタイプと
旧タイプで、聞こえる耳に耳かけ形の補聴器、聞こえない耳に耳あなクロスを装用するタイプの二つがあり
それぞれこのような利点、欠点があります。
こちらに関しては、装用感覚を重視するため、旧世代の耳あなクロスの方を選択されました。
こちら側ですね。補聴器は、耳かけ形でクロス側のみ耳あな形となります。
旧世代の良いところは、耳をふさがず、快適に使用できる点です。そして、聞こえる耳側の聞こえを阻害しないことです。その変わり、欠点としては、ランニングコストが少々高くつき、かつ補聴器側が人によって痒くなることがあります。
幸い痒くなることはないということで、この点は、マイナスではありませんでした。そして、電池の持ちが少々短い点については、仕事の時のみしか使用しないため、そこまで強いデメリットにはなりませんでした。
新世代の耳あな形のクロスは、電池の持ちも含めて性能はよくなっているのですが、その代わり、聞こえる耳にも耳あな形補聴器を作る必要があり、この補聴器が聞こえる耳を塞いでしまい、聞こえる耳側が聞こえにくくなる傾向があります。人によっては、耳がふさがることにより、自分の声が響いたり、声が異なって聞こえるという良くない要素もあり、聞こえる耳に耳あな形補聴器を装用するには、非常にリスクが高くなります。
お客様とのお話を進め、旧世代の耳あなクロスを実際に試すこととなります。
最終試聴チェックへ
形状が決まったため、最終確認の試聴へ。この補聴器を製作し、実際に日常生活、職場で使用いただきました。すると耳かけ形のクロスよりも聞きやすいとの評価でした。特に
- 騒がしいなかでの聞こえ
- 聞こえる音の範囲
に関しては、耳かけ形よりも耳あな形の方が聞こえが良いとのことでした。
何日か試聴した結果、クロス補聴器をつけた聞こえの評価としては
- 騒がしい飲食店の中でも聞こえるようになった
- 電車の中(地上線)でも聞きやすくなった
- 聞こえにくい側に人がいてもわかるようになった
- 呼びかけに気がつくようになった
- 職場が少々騒がしくても楽に聞こえるようになった
とのことでした。クロス補聴器を装用することで、聞きやすくなり、実際に日常性生活、仕事が楽になることから、クロス補聴器をご購入になりました。
お客様の声
実際にご購入になられたお客様より、改めて相談されてどうだったのか。お伺いしてみました。その結果、
と、評価いただけました。こちらとしても、聞こえにくさを改善でき、何よりです。耳を治す事は出来ないのですが、できる限りの改善をさせていただき、お困りの部分が少しでも解消されたのであれば、冥利に尽きます。
なお、当店を選んだ理由については
とのことでした。信用いただき、誠に恐れ入ります。W・Fさんこそ、私を信じていただけたため、調整に専念でき、聞こえにくさを改善できました。こちらこそ、信用いただき、感謝しています。
なお、W・Fさんに記載いただいたアンケートに関しては、以下の通りです。
まとめ
以上、W・Fさんの症例となります。突発性難聴になり、右側が大きく聴力低下していたため、クロス補聴器という機器を使い、聞こえにくさの改善を行いました。通常の補聴器では、効果が見込めないためです。
この症例は、実はかなり昔なため、耳かけクロスの試聴から始めていますが、今現在は、耳かけ補聴器、耳あなクロスから試聴することが多くなっています。
実際に試した際、耳あな形のクロス補聴器にて聞こえにくさが改善でき、何よりでした。片耳のみ聞こえにくいだけでも、騒がしい中で実際に聞きにくかったり、聞きにくい側に来られるとちょっとした苦手意識などもあったかと思います。また、人によっては、聞こえにくい事や聞こえない事に恐怖を抱いてしまう事もあり、それらの部分が解消でき、本当に良かったです。
聞こえにくさが改善できれば、不用意に恐怖を感じることも少なくなりますし、苦手意識もなくなっていくでしょう。結果、自分に自信を持つこともできるようになります。残念ながら耳を治すというところまではいかないのですが、できる限り、聞こえにくさを改善することで、自ずと不自由度も軽減されます。
聞こえの改善に貢献でき、こちらとしては、何よりです。