難聴による困り度は、聴力だけでは、決まらない
前回、久々にオージオグラムから自分自身の聞こえにくさに関して、記載してみました。
その際ですが、実は、一つ、注意が必要になりまして、それは、難聴による困り度は、聴力だけで決まる事は、ない。という事です。
難聴のレベルや聴力低下が大きければ大きいほど、聞きにくさが強くなりますので、それによる困り度は、確かに大きくなるのですが、それだけで、困り度が決まる事は、ありません。
基本的に困り度に関しては、聞こえにくさ×環境。によって決まります。
ですので、聴力低下が小さかったからといって、それが、イコール、困らない。という訳ではありませんので、注意が必要です。
難聴による困り度が関係する要素
冒頭の通り、難聴による困り度が影響する要素は、
聞こえにくさ×環境
こちらになります。
聞こえにくさは、単純に聴力低下の程度を表しており、環境は、周囲が耳の事に関して、理解してくれているのか、あるいは、聞こえにくい人や補聴器を使用した人が聞きやすい環境下なのか。という部分です。
聞こえにくさの部分、言い換えれば、聴力低下が大きい場合、確かに聞きにくさは、強くなります。
しかし、仮に周囲の方が耳の事を理解しており、大事な事は、メモを残してくれる。もしくは、口頭ではなく、文章によって、残してくれる。などの配慮がある場合は、実は、だいぶ対応しやすくなったりします。
そして、軽度の難聴であっても、仕事をしている環境下が騒がしかったり、あとは、あまり協力体制を整えづらかったり、環境が悪い場合、たとえ、軽度の難聴であっても、だいぶ聞きにくさは、感じやすくなります。
聞こえにくさに困るレベル、あるいは、困りやすさというのは、実際には、聴力だけで決まる事はありません。
なぜこんな事が起こるのか
その理由は、大きく分けると
- 聞こえやすさは、環境によって大きく変わる事
- 相手次第でだいぶ環境が変わる事
の2つが密接に関わってきます。
聞こえやすさは、環境によって大きく変わる事
前回の【聴力検査の見方】オージオグラムから自分の聞こえにくさを知るには?で記載した通り、実際には、周囲の環境により、聞きやすさは、変わります。
良い例が、家の中などでは困らないけれども、仕事先や仕事の際には、困る事がある。というようなケースですね。
家の中や家にいる人、つまり、ご家族や自分に近い人の場合、聞こえにくい事に関して、知っている事もあり、さらに、邪魔される音なども少ないことから、聞こえにくさは、まだ感じづらかったとしても、会社や仕事先、あるいは、周囲が騒がしくなると急に聞きにくなってしまいます。
このように聞こえにくい=どのような環境でも聞きにくい。聞こえる=どのような環境でも聞こえる。という訳ではないので、状況によっては、聞こえる、状況によっては、聞こえない。という事が起こります。
相手次第でだいぶ環境が変わる事
もう一つが相手次第でだいぶ環境が変わる事です。
これは、音声の聞きやすさ。という部分でもそうですし、聞き返しても大丈夫な方、あるいは、協力関係を築けそうな方。という意味でもそうです。
音声の聞きやすさは、誰しもが経験している事だと思います。聞きやすい人もいれば逆に聞きにくい方もいます。
そして、耳の事を伝えている人もいれば、逆に伝えていない人もいたり(どこまで伝えるかは、難しいところですね)
このように相手次第で、だいぶ環境が変わってしまいますので、協力をもらえそうな人なのか、そうでないのか。によっても、聞きやすさ、あるいは、聞きにくい事によるストレスは、大きく変化します。
聴力低下が小さいからといって困らない訳ではない
ですので、実際には、難聴による困り度というのは、聴力によって決まる事はありません。
聴力低下のレベルと環境。それによって大きく左右されます。
聴力低下が大きくても、周囲の人が協力してくれる体制であれば、その方の聞きにくい事によるストレス、仕事のしにくさ、意思疎通のしにくさは、軽減します。
逆に聴力低下がそこまで大きくなくても、周囲の人の協力体制がほぼない状況やなかなか協力を得られにくい環境だと、聞きにくい事によるストレスや聞きにくさは、強く感じます。
このように環境によっても、だいぶ変化しますので、難聴のレベルというのは、あくまでも一つの要素でしかありません。
ですので、その点に注意する必要があります。
大事なのは、聴力低下のレベルが難聴による困り度を全て決めている訳ではない。という事ですね。
まとめ
前回、聴力に関して記載してみましたので、注意点という意味で、記載してみました。
難聴レベルというのは、一つのわかりやすい指数ではあるのですが、だからと言って、これだけで全てが決まる訳ではありません。
軽度の難聴。中等度の難聴であっても、環境によっては、だいぶ聞きにくくなる事、聞きにくさを強く感じる事は、あります。
ですので、難聴レベルによって全てが決まる訳ではありません。その点だけ、注意点として、伝わったのであれば、幸いです。