耳・補聴器のこと

明けまして、おめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

深井 順一|パートナーズ補聴器

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新年明けまして、おめでとうございます。2022年、今年もよろしくお願いいたします。

さて、皆様、お正月や年末年始は、お休みになられましたでしょうか。私自身としては、久々に休むことができ、その時間を使って、また、色々とお店のことも考えていました。

主に考えていたのは、2022年、どのような年にしたいか。という事です。

それは“お店にとっても、お店をご利用いただく方にとっても、良い形にする”という事でした。

ちょっとふわっとした表現ですが、簡単に書くと”補聴器を使っている人の生活を支えられるお店にする事”になります。こちらの方がだいぶわかりやすいですね。

今現在、各所でSDGS、持続可能な開発目標というとても難しいそうな単語が流行っていますが、簡単に言えばサスティナブル(持続性)、お店側にとっても利用する側にとっても良い形を目指し、持続性を持って社会に貢献していく事。これが、SDGSです。

実は、前々からこの問題に関しては、私自身も考えていましたので、補聴器に関しても、それをやっていこう。と私自身も思いました。

ちょうど良い機会ですので、今回は、こちらに関して、記載していきます。

2022年の目標

さて、上記に記載した通り、2022年の目標は、簡単にいうと”補聴器を使う方の生活を支えられるお店”ここの部分をより煮詰めていきたいな。と考えています。

このように考えているのは、実は、SDGSも少し関係しています。

本来のSDGSは、多様に渡ってしまうので、何とも言えないのですが、簡単に言いますと、今現在の地球の問題点、環境問題から貧困の問題、エネルギーの問題。こういったものをちゃんと人類にとっても地球にとっても良い形にしていきましょう。というものです。

話題で事欠かないのは、環境問題ですね。二酸化炭素を多く出し続けた結果、地球の温暖化が進んでしまい、このままでは、地球マジでやばいよ。という事で、ガソリン車を2035年で廃止するようにしたり、二酸化炭素の排出量を制限したりと、色々な規制をするように世界中でなりました。

こことは、少し変わるのですが、このSDGSの”人類にも地球にとっても良い形にする”というのは、補聴器でもそうだな。と感じました。

補聴器の場合は、”お店にとっても、お店をご利用いただく方にとっても、良い形にする”という事です。

そのためには、少し難しくなってしまうのですが、補聴器の収益モデル。補聴器販売店がどのようにお金を得て、日々、営業活動したり、会社として存続しているのか。これを紐解いていく必要があります。

補聴器販売店のビジネスモデルとその死角

さて、補聴器販売店のビジネスモデルというのは、どのようなものなのでしょうか。

ビジネスモデルというとちょっと難しく感じるかもしれないのですが、会社や企業がどのように利益(お金)を得て、日々、活動しているのか。という事です。

補聴器販売店は、その名の通り、補聴器を販売することによって、利益を得ています。基本、どのようなものも、商品を仕入れて、販売して、その差分の利益を得て、お店は、存続していきます。

例えば、40円で仕入れたもの(原価)を100円で売りました。とすると、100-40=60円。これが利益で、ここからさらに、借りている場所の家賃を支払ったり、従業員を雇っている場合は、そのお給料を支払うために使ったり、広告など、お店や補聴器を宣伝するために使っているお金などがあれば、そこの支払いに使われます。

利益だけで見てしまうと高いものでも、それを売る際に必要なもの。いわゆる経費といわれるものを支払うと、残るのは何も考えずにやると二束三文になったりします。

ここで大事になるのは、補聴器販売店というのは、補聴器を販売することにより、利益を得ている。という事です。

これだけ書くと「いや何を当たり前の事を……」と思うかもしれません。

これは「聞こえが改善された時に利益が出る。という事ではなく、補聴器が売れた時に利益が出る」という風にいうと、よりわかりやすいかもしれません。

この形式は、実は少し不安定なシステムです。上記に記載した通り、仮に“お店にとっても、お店をご利用いただく方にとっても、良い形にする”とした場合、本来であれば”聞こえが改善された時に利益が発生する”というシステムが望ましいということになります。

この部分は、聞こえが改善された時、あるいは、お客さんが満足した時でも良いかもしれません

“お店にとっても、お店をご利用いただく方にとっても、良い形にする”という風に考えた場合、実は、今現在のシステムは、少し不安定な部分があるのです。

また、この問題は、別のところにも影響を及ぼします。それは、補聴器のアフターフォローが疎かになりやすい。という部分です。

アフターフォローというのは、補聴器を販売した後のケアの事です。補聴器をメンテナンスして、ちゃんと補聴器が動作しているのかを確認したり、掃除して、聞きにくくならないようにしていく事です。

それ以外には、耳の状況を調べて、仮に聴力が変化していたりした場合は、それに合わせて、補聴器を再度、調整して、聞こえの改善をしていく。そのような事をしていくのがアフターフォローです。

まさにここは、”補聴器を使っている人の生活を支える”という部分の中核になる部分といえば、わかりやすいかもしれません。

で、問題は、このアフターフォローに時間をかけるのと、補聴器を販売するのに時間をかけるのとでは、補聴器を販売することの方が利益としては、非常に大きくなりやすい。という構造です。

上記の通り、補聴器販売店は、補聴器を販売することによって、利益を大きく得られる構造になっていますので、どこに集中したら良いか。というのをお金だけで見てしまうと、聞こえの改善をする、補聴器を使っている人の生活を支える、という事より、補聴器を売ることの方が儲かる。ということになります。

補聴器以外でまともな利益を上げにくい構造そのものが一番の問題なのですが、それが邪魔して、なかなか“お店にとっても、お店をご利用いただく方にとっても、良い形にする”ということがしづらい。という問題点があります。

この問題を解決する方法とは

私自身は、この問題に関して、ずっと考えてきました。

私の場合は、お店側の人間でもあり、かつ補聴器を使っている人間でもあります。ですので、何とか双方にとって、良い形というのを作れないか。それを模索し続けてきました。

そこで出した結論ですが、それは「今現在、有効な手段はない」という事です。

この問題の一番の問題点は、補聴器を販売する事でしか、補聴器販売店は、持続することができない。という致命的な収益構造にあります。

これは、補聴器を販売する事、以外を考えてこなかった業界やお店そのものにも責任ではあるのですが、この問題構造がなくならない限り、言い方を変えれば、どこで利益を得るのかの収益モデルを変えない限り、この問題は、ずっと続くことになります。

じゃあこのままで良いのか。というと、そんな事もありません。

そこで、このお店の場合は、”経費を抑えて、少数の方を対応する”という方針で、“お店にとっても、お店をご利用いただく方にとっても、良い形にする”という事を行なっていく事にしました。

経費を抑え、少数対応する事で”時間”を作る

上記の問題点は、補聴器を販売する事でしか、まともな利益を得られない収益構造にあります。

これは補聴器以外で利益を上げ、生計を立てる事が出来ないので、その販売に注力せざるを得ないともいえます。

そのせいで、例えば、アフターフォローに時間を割けなかったり、あるいは”補聴器を使っている人の生活を支える”という事に時間を割けづらい構造になってしまっている。という事ですね。

では、どうしたら良いのかを考えた時に私は、”売上を減らす事”を考えました。

書き間違えではありません。文字通り、売上を減らす事です。

厳密には、”お店を継続するために必要な売上を減らす事”そして、”お店の売上に制限をかける事”の2つです。

難しいお話になってしまうと混乱する方がいるかと思いますので、簡単にお話しますと、お店を継続していくためのお金、主に経費と言われたりするのですが、これを最小に抑え、そうする事で、補聴器を売る人の数、生計が成り立つためのお金の数を減らすという事です。

継続するために必要なお金が減れば、売上が少なくても、持続する事ができます。売上が少なくても継続できるという事は、その分、時間を作りやすくなります。

さらに持続できるお店のシステムにし、売上を上げすぎない事。売上を上げる事に注力すると、アフターフォローにかけられる時間が減ります。

なので、”売上に制限をかける事”ここも行なっていきます。この内容は、持続するための経費を削減し、さらに売上に制限をかける事で、ようやく時間を捻出する事ができる。という仕組みです。

これらのことを行い、”補聴器を使っている人の生活を支えられるお店”ここを目指していきたいと思います。

きちんとアフターフォローを行い、ちゃんと補聴器に関して使えていて、何かわからない事や聞いてみたい事。そういった事に時間を使っていき、生活を支えられるようにする。そんなお店を目指していきたいと思っています。

この点は、2021年、本当に反省したことではあるのですが、お店そのものが利用してくれた方のおかげで成り立っているのに関わらず、私は、全然、その方々に還元できるお店のシステムになっていないなと痛感しました。

その事から、本当の意味で”補聴器を使っている方の生活を支えられるお店にしていく事”ここを今年の目標にしていこうと思いました。

この構想は、2021年の7月、8月ぐらいから考え、実行してきており、そのためのチャレンジ、お店の構造は、だいぶ大きく変えました。

まだまだ、変えていくべきところがあるので、発展途上ではあるのですが、そのためのチャレンジ、構造の変化。これを行なっていく一年にしたいな。と思っています。

まとめ

さて、まとめですね。だいぶ長くなってしまい、お店のことを書いてしまったのですが、年始ということで、良いきっかけになったかと思います。

私の目的は、もう一つしかなく、補聴器を使っている方の生活を支えられるお店にする事。そういったお店を作っていく事です。

私は、どちらかというと補聴器販売者というより、やはり生まれつきの難聴者なので、一人の補聴器ユーザーとして、このようなお店を目指していきたいと思います。

上記には、補聴器のことを記載しましたが、別に補聴器業界が悪い。ということを言いたい訳ではありません。どのような業界にも、問題点はあり、補聴器だけが悪いと私は思っていませんし、そもそもそういった事はすべきでもありません。

私自身が考えたのは、その中で自分自身ができる事は何なのか。やっていくことは何かでした。それは、“お店にとっても、お店をご利用いただく方にとっても、良い形にする”という事でした。

今現在の状態は、まだまだ使っている方に貢献できていない部分もありますし、より補聴器を使っている方に貢献できる内容もありますので、そこのところを突き詰めていきたいと思っています。

ということで、長々書いてしまいましたが、今年は、そんな一年にしていきたいと思います。

皆様、あけましておめでとうございます。そして、今年もよろしくお願いいたします。

m(_ _)m

ABOUT ME
深井 順一|パートナーズ補聴器
深井 順一|パートナーズ補聴器
補聴器を使っている人が対応している補聴器専門店・代表
補聴器のお店には珍しい難聴の補聴器販売員です。生まれつきの難聴者で7歳の頃から補聴器を使っています。補聴器の販売員としての知識、技術に加え、一人の難聴者が自分自身の聞こえを改善した知識、技術も組み合わせながら、聞こえの改善、補聴器のご相談をしています。
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