耳・補聴器のこと

生まれつき難聴で補聴器を使っている私がしている聞こえの改善

深井 順一|パートナーズ補聴器

聞こえの改善や補聴器のことについては、【FAQ】聞こえの改善と補聴器のFAQへ。お客様の改善事例は、聞こえの改善成功事例へどうぞ。

私自身は、生まれつきの難聴者でさらに自分自身で補聴器を使っている人になります。そんな人が補聴器の相談、対応を行なっているのですが、その中で、聞こえの改善については、他の補聴器屋さんとは、結構、違ったやり方で改善しています。

それは、聞こえの改善状況をお客さんと一緒に把握しながら、どのように改善していくのか。それを相談しながら、少しずつ改善する、というスタイルで行なっています。

補聴器を使っている私自身が思うのは、補聴器は正直、耳に使っただけではよくわからない。ということです。ですので、聞こえの改善状況を可視化しながら、どのように改善していくかをひとつづつお客さんとお話ししながら、改善しています。

今回は、こちらについて、記載していきます。

補聴器で感じること

冒頭の通り、私は生まれつき難聴で、補聴器を使っています。そんな私自身が長年(補聴器の世界に入る前から)気になっているのは、補聴器は使っても正直、よくわからない、ということでした。

補聴器を使うことによって、どのように音を感じるのか、そして、この音が大きい、この音は聞こえない、あるいは、高く響いて音を感じるなどの音の感覚はわかっても、それがどう良いのか、そもそも自分の聴力から良いと思われる部分まで聞こえを改善できているのか、そういったものは、体感ではよくわかりませんでした。

特に私の場合は、生まれつきの難聴になりますので、周りの聞こえている人がどのぐらい聞こえているのかもよくわかないですし(聞こえている状態を経験していないため)、補聴器も聞こえの改善をしてくれているものの、私の耳は、感音性難聴なので、補聴器をつければ耳が治るわけでもありません。

そう考えた時、果たして、今の聞こえ方は良いのか、それとも実はまだ改善できる部分があったり、自分の聴力から補える部分まできていないので、もっと改善したほうが良いのか、そういった部分がよくわからなかったという課題がありました。

自分の状況を客観的に知るという解

補聴器の世界に入り、色々と学んでいくのですが、そこで学んだ一つのことが、感覚を数値化することでした。今、聞こえている感覚を数値化するということです。

補聴器の世界には、このように補聴器を調整するグラフ(補聴器の調整ソフトとも言います)に、今現在の聞こえの改善状況を示してくれたり、

補聴器を使った状態でどのぐらい聞こえているのかを示してくれる測定があったりします。

こういった客観的な部分を知ることにより、「ああ、なるほど、自分は今、こういう状態なんだな」というのがわかりやすくなりました。

例えば、測定状態がこのようになると「目標の部分と現状の改善状態を比較すると、ここの部分が足りないんだな」とか、それを体感と合わせて、「自分としては、聞こえの改善を優先したいので、足りない部分を少し上げよう」と考えたり、

あるいは、人によっては、音を大きくしすぎると辛くなってしまうので、今は、抑えめにしよう。とか、状況がわかるようになることで、自分が進みたい方向へ行きやすくなりました。

以前までの私は(補聴器の世界に入る前までの私は)、こういった地図のようなものがなく、感覚だけで考えていましたので、このような現状がわかるものは、大変、ありがたいものでした。

これは、まさに砂漠の中をコンパスと地図なしで歩くようなもので、正直、歩いて進んでも、実際に目的地まで近づいたのか、それとも実は遠ざかっているのか、それすらもわからない状態でした。

しかし、そんな状況でもコンパスと地図を手に入れれば、目的地に進みやすくなります。それが補聴器の効果を客観的に把握することでした。

自分の経験を活かす

私自身はこういった経験を自分自身でしていますので、今現在、主にしているのは、まさに聞こえの改善状況を可視化して、その状況をお客さんとお話しし合うこと、ここをメインに行なっています。

聞こえの改善効果を可視化したり、補聴器の調整状態を見ていただくことで、今、自分が聞こえている感覚というのは、どういう状態なのか。

感覚的にはしっかり音を感じているけれども、実は、まだ聞こえを改善した方が良いのか、それとも補える量としては、十分入っているので、その状態で使えると良いのか、こういったところをきちんとお伝えすること、ここが今現在の私のメインの仕事ですね。

それをしているのは、自分自身の経験として、補聴器を使っても、感覚こそわかるけれども、じゃあ、それがどう良いのか、聞こえの改善状況としてどうなのか、もっと改善した方が良いのかが体感では判断しようがないからです。

これをすることによって、お客さん自身が「聞こえの改善を重視したい」と考えているのでしたら、「では、もう少し足りない部分をよりよくしましょうか」「ちなみに少し音が大きくなるかもしれませんが、体感的には大きくなっても、まだ使えそうな感覚ですか?」と確認したり、

あるいは、人によっては、「う〜ん、これ以上、大きくなると辛くなってしまうんだよね……」となるのでしたら「じゃあ今のところは、このままにしましょうか。」とお伝えすることもできます。

先ほど出した砂漠での例を使うのでしたら、コンパスは、お客さん自身の価値観、あるいは、どうしていきたいかの方向性、地図は、補聴器の調整状態の可視化、改善状況の可視化に値します。

それらが明らかになれば、進みたい方向へ行きやすくなる。それが自分自身の経験でわかっていることであり、自分の能力を活かす、というのは、こういう事なのかなと思い、今は、こういったことをメインに行なっています。

まとめ

今回は自分自身がやっていることについて、記載してみました。

私自身の場合は、自分が生まれつきの難聴で補聴器を使っており、そんな人が補聴器のお店をやっているというちょっと変わった(少数派の)人になります。

そんな状況の人は補聴器についてどう考えているのか、それがこちらになります。正直、補聴器は感覚ではよくわからない、ということです。

私自身はそういった経験をしていますので、今現在は、補聴器がある状態の聞こえの状況、そういったものを可視化することにより、相談のしやすさを提供すること、ここをメインにしています。

あくまでも私自身が感じていることですが、私のように生まれつき難聴で実際に補聴器を使っている人が対応しているのは少ない状態になります。

ですので、自分自身の経験から、わかりやすく対応したり、改善しやすく相談したりするのが私の役割なのかなと、今現在は、思っています。

ABOUT ME
深井 順一|パートナーズ補聴器
深井 順一|パートナーズ補聴器
補聴器を使っている人が対応している補聴器専門店・代表
補聴器のお店には珍しい難聴の補聴器販売員です。生まれつきの難聴者で7歳の頃から補聴器を使っています。補聴器の販売員としての知識、技術に加え、一人の難聴者が自分自身の聞こえを改善した知識、技術も組み合わせながら、聞こえの改善、補聴器のご相談をしています。
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