片耳が聞こえにくい場合、考えられる7つの原因をまとめてみました
片耳が聞こえにくくなった、何か変な感覚を感じる……。このような症状がある場合は、すぐに耳鼻咽喉科を受診する事をお勧めします。
こちらでは、急に片耳が聞こえにくくなった場合において考えられる原因について(症状)、記載していきますが、いくつかの症状は耳鼻咽喉科を受診する事で、症状を改善させられます。
重要なことをはじめに記載させていただきますと、耳の場合、自分で身の回りのものを活用しながら、症状を緩和させる方法は、残念ながらありません。そのため、耳鼻咽喉科にかかるのが最良の策になります。
では、どのような症状が考えられるのでしょうか。早速見ていきましょう。ネット上には、様々な原因が散らばっているようにみえますので、こちらでまとめてみる事にしてみました。
片耳が聞こえにくい原因
片耳が急に聞こえにくくなる原因には、様々なものがあります。考えられる事として、ざっと
- 耳垢詰まり
- 中耳炎
- 鼓膜が破れる
- 音響による急性難聴
- 外リンパ瘻
- 低音障害型感音難聴
- 突発性難聴
があります。急に聞こえにくくなる原因は、数多く存在し、これらが主な原因として考えられます。軽い症状のものから、中には、重い症状のものまであります。
冒頭に記載した通りですが、この中のほとんどの症状は、耳鼻咽喉科を受診する事で、改善できます。覚えのある症状があってもなくても、すぐに耳鼻咽喉科へ行く事が重要です。
耳垢詰まり
急に聞こえにくくなるものの中には、単なる耳垢詰まりだった……という場合があります。病名は、耳垢栓塞(じこうせんそく)と言います。
これは、耳掃除をよくしている方に起こりがちな症状です。掃除するごとに耳垢を耳の奥に行かせてしまい、耳に栓をしてしまいます。
耳の奥ほど、耳の穴の形状が小さくなっているため、耳掃除をしすぎると知らない間に、奥に、奥に耳垢を追いやってしまい、ある日、突然詰まる……といった事が起こります。
耳垢が詰まるだけでもかなり聞きにくくなりますので、急に聞こえにくくなった印象を感じます。その他、自分の声が少々低く響く感覚を感じる事もあります。
この場合、単に耳あかが耳の中を栓している状態ですので、取り除く事で、簡単に治ります。
中耳炎(ちゅうじえん)
急に聞きにくくなるものとしては、中耳炎も考えられます。正確には、急性中耳炎という中耳炎です。症状としては、
- 耳の中に痛みを感じる
- 聞こえにくくなる
- 耳垂れが出る
これらがあります。耳の中に細菌が入ってしまうと、中耳炎になります。
耳の穴から細菌が入るのではなく、耳の管と書いて耳管(じかん)と呼ばれる部分から、細菌が入り、耳の中に侵入します。主に、子どもに多い病気ですが、大人の方もなる事があります。
耳に痛みを感じる事があるケースですので、放置する事は、ないと思いますが、このようなケースもあります。中耳炎は、放っておくとどんどん症状が進んでしまう事がありますので、早急な治療が重要です。そのようにする事で、症状を悪化させず、耳の状況を改善しやすくなります。
鼓膜が破れる
何かの拍子に鼓膜が破れた場合においても聞きにくくなります。手で耳を叩かれた、勢い良くボールが耳に当たったなど、強い衝撃が耳に加わると、その衝撃により、鼓膜が破れる事があります。
鼓膜が破れると、完全に聞きにくくなるようなイメージがありますが、そのような事はありません。症状の大きさにより、聞きにくさは異なりますが、少し聞きにくく程度から、人の声が小さく聞こえるくらいのものとなります。
鼓膜は、再生機能がありますので、仮に鼓膜が破れてしまった場合でも、放っておいても、その内、治るケースがあります。
しかし、治るか、治らないかは、症状の重さにより、異なりますので、上記の例に当てはまる場合でも、耳鼻咽喉科を受診しておいたほうが、安全です。症状の状況によっては、手術を行い、鼓膜を再生させるケースもあります。
その判断は、自分自身でできるものではありませんので、耳を診察いただく事が大切です。
音響による急性難聴
強い音、大きい音を聞きすぎると、それにより、耳が聞こえにくくなる事があります。主にコンサートで大きい音を聞いた、クラブで大きい音を長時間聞いたなどがあると、この症状が疑われます。
病名は、急性音響外傷(きゅうせいおんきょうがいしょう)と呼ばれています。強い音は、耳の神経にダメージを与えてしまうため、それにより、神経が痛むと聞き取りにくくなります。この症状には、一過性(一時的)なものもあれば、そのまま難聴になってしまうケースまであります。どのような症状の場合、一過性か……というところまでは、わかっていません。
症状としても曖昧で、聞きにくくなる以外に
- 耳鳴り
- 耳が詰まった感覚
この二つが出る事があります。しかし、必ずしも出るわけではなく、状況によって様々です。
早急に治療を始める事で、改善するケースもあるようですが、聞きにくい状態がある程度、続いており、聴力が固定してしまっているケースは、残念ながら改善しにくい傾向があります。
外リンパ瘻
外リンパ瘻とは耳の中にある器官の一部に穴が空いてしまう(亀裂が入る)事で、
- 聞こえにくくなる
- 耳が詰まった感覚がある
- 耳鳴りがする
- めまいが起こる
これらの症状が起こる病気です。
穴が空いてしまう原因は、様々であり、飛行機に搭乗する、ダイビング、潜水などによる外部的要因での気圧差が原因でなる場合もあれば、鼻をかむ、くしゃみ、咳をするなどの内部的要因での気圧差によって起こる場合があります。
外リンパ瘻は、診断が難しく、確実な確認方法が耳を切開し、考えられる耳の器官の損傷を確認する方法しかありません。上記の症状が当てはまる病名は、これ以外にもいくつかあり、診断が難しい症状の一つとなります。
なお、この病気は、手術を行う事で治療が可能です。ただし、治療後の状態は、人によって大きく変わり、めまいが治るケースはあるようですが、聞こえにくい部分は、そのままになることもあるようです。
低音障害型感音難聴
この難聴は、若い女性に増えているとされる病気です。症状としては
- 低い音が聞こえにくくなる
- 低い音の耳鳴りがする
- 耳が詰まった感覚がする
この三つがあります。突然、片耳が聞こえにくくなり、耳が詰まった感覚を訴えるケースが多く、その次に、聞こえにくさ、耳鳴りがあります。聞こえにくくなる音に特徴があり、低い音を中心に聞きにくくなる事から、低音障害型感音難聴と呼ばれます。ストレスによるものと考えられ、今現在、増えつつある難聴の一種です。
この症状は、治療が可能であり、半分ほどの方が、治癒、または改善されます。
もし、これ以上に詳しく理解したい方は、こちらをご覧下さい。
突発性難聴
ワイドショーに引っ張りだこの難聴といえば、突発性難聴です。歌手の浜崎あゆみさん、スガシカオさんがかかったとしても有名な難聴です。
この難聴の症状としては
- 急に聞こえにくくなる
- 低い音の耳鳴りがする
- 耳が詰まった感覚がする
- めまいを感じる事がある
これらがあります。耳鳴りは、突発性難聴発症者の約8割ほどに見られ、めまいは、約3割ほどに見られるとされています。聞こえにくさについては、重くなる事が多く、ほとんど聞こえないケースから、かじろうて音が聞こえるケースまであります。
この難聴は、早期治療がカギであり、治療開始時間が遅れるとその分、治りにくくなります。具体的には、二週間を過ぎると治る確率が大きく下がる事が確認されており、できれば、発症より一週間以内に行きたい症状です。
もし、上記の内容に心当たりがあるのなら、すぐにこのページを閉じ、耳鼻咽喉科に行ってください。それが、耳の聞こえを改善させる最良の方法です。
なお、心当たりがあり、仮に期間が過ぎていたとしても行ってみてください。もしかしたら、治療ができる事もあるかもしれません。望みは、耳鼻咽喉科に行くまでとっておきましょう。
心当たりがあれば、耳鼻科へ
こちらの内容に心当たりがあれば、すぐに耳鼻咽喉科へ行ってみてください。こちらに載せた症状は、ほとんどが早急に耳鼻咽喉科を受診する事で、治療が可能です。
病気の場合、早ければ、早い程、治りやすくなりますし、不便な時間も感じなくなります。改善方法、解決方法は、耳鼻咽喉科を受診する事になります。
あとがき
片耳が聞こえにくい場合、考えられる事まとめという事で、症状をまとめてみました。基本的には、片耳が急に聞こえにくくなった場合、このような病気が考えられます。
症状に覚えがある場合は、早めに耳鼻咽喉科を受診する事をお勧めします。それが最も良い改善方法です。
そして、私からお願いが一つあります。それは、耳鼻咽喉科に行く際は、心の中を真っ白にした状態で行ってください。
なまじ知識を得てしまい「この病気かもしれない」と思うと、その病気になったような表現をしてしまい、思わぬ誤診に繋がる事があります。
医師からの問診(質問)は、必ず感じた事、経験した事、経験した状況をお話しください。簡単に言えば「事実のみ」をお話しする事です。これさえ守っていただければ、医師も原因、病気を突き止めやすくなります。
知識が多くなると事実と思う事(感想)をごっちゃに言ってしてしまい、思わぬ誤診に繋がる可能性があります。
それをされてしまうと患者さんにとっても医師にとっても良い事ではありません。その点だけお気をつけ下さい。