耳かけ形補聴器の必需品イヤモールドの利点、欠点


イヤモールドとは、自分の耳の形に合ったオリジナルオーダーメイド耳せんの事です。耳かけ形補聴器には、通常の耳せんを使用する方法とこのイヤモールドを使用する方法があります。

私自身生まれつき難聴であり、イヤモールドを使用しています。通常の耳せんより、高価ではありますが、その分の価値は感じています。

通常のイヤモールドのメリット、デメリットを記載すると共に使用している私自身が感じるイヤモールドのメリット、デメリットも記載していきます。購入の参考になれば、幸いです。

イヤモールド 概要

イヤモールドとは、冒頭の通り、自分専用の耳せんの事です。耳の中に粘土のようなもの(印象剤と呼びます)を入れ、耳の型を採取した後、その型を利用し、その人専用の耳せんを制作します。現在は、素材や色も様々なものがあります。

私が使用しているイヤモールドは、このようなものです。

イヤモールド

私が使用しているのは、数ある素材の中でハードと呼ばれている固い素材で作られたイヤモールドです。何とも表現しにくい色になっていますが、元々の色は青です。基本的には、紫外線に当たると徐々に変色してきます。このイヤモールドは、もうかれこれ5年くらいは使用しており、変色してしまいました。色に関しては、大抵は薄くなってくるのが多くなります。

イヤモールドの利点

イヤモールドにはいくつか利点があります。こちらは通常の耳せんと比較したうえでの利点を述べていきます。利点には、

  • 保持がしやすくなる
  • ハウリングがしにくくなる

これらがあります。

保持がしやすくなる

通常の耳せんの場合、耳の中に入れてもいつのまにかズレてきてしまったり、外れることがあります。人の耳の中は、口を開けると動くようになっており、話したり、ものを食べたりすると口が動きます。そうなると耳せんがどんどん外に出てしまいます。

しかし、イヤモールドであれば、耳の中でしっかり固定しますので、そのような事は起こらなくなります。しっかりとイヤモールドが作られていると耳かけ形補聴器が耳から外れたとしてもイヤモールドのみで補聴器を支えられます。通常の耳せんですとさすがに補聴器本体の重みに耐えきれませんので、外れてしまいます。一部のお子さんは、イヤモールドをしっかり作る事で、補聴器をイヤモールドで支えています。

ハウリングがしにくくなる

補聴器には、ハウリングと呼ばれるピーピー音がなる事があります。これは、耳から音が漏れる事により起こります。イヤモールドはこれを防止する働きがあります。ハウリングは、補聴器から出す音が大きいと大きいほど、起こりやすくなります。

中等度難聴以上で耳かけ形補聴器を使用する場合、イヤモールドは必需品です。これがないとハウリング音がしやすくなりますので、快適に補聴器を装用することができません。イヤモールドを装用する理由に一番多いのは、ハウリング防止です。

イヤモールドの欠点

一方イヤモールドには欠点も存在します。それは

  • お金がかかる
  • 耳が詰まった感覚がある

この二点です。これ以外には、人によって、耳がキツく感じたり、かゆみを感じる事もあります。

お金がかかる

冒頭でも記載した通り、通常の耳せんよりお金がかかります。一般的な耳せんの金額は@200〜300円くらいですがイヤモールドはだいたい@8,000〜11,000円ほどします。素材によって異なりますので、一概には言えませんが、それでも一般的な耳せんより高価になります。

耳が詰まった感覚がある

イヤモールドを装用すると耳が詰まった感覚が一般的な耳せんより強くでる事があります。耳を塞ぐ事によって起こる現象であり、誰にでも起こる事です。手の平で軽く耳を覆うようにして塞いで声を出してみると自分の声が大きくなったような感覚があると思います。自分の声が耳の入り口で響いているような感覚です。この現象が起こりやすくなります。

ただこの部分は、慣れることが多いです。慣れるというのは、この音の感覚が無くなるのではなく、この音がしていても気にならなくなる事です。現に私自身は、この音を感じていますが、気にした事がありません。慣れるというのは、この感覚がしなくなるわけではありませんので、ここに注意してください。

人によって起こる事

こちらは、

  • キツく感じる
  • かゆくなる

があります。イヤモールドを作ったばかりの場合、耳の中がキツく感じる事があります。この感覚は人によって様々で、感じないという方から、このキツい感覚がしっかりあるから良いという方までいます。歯の治療の時、被せものを入れる際にキツく感じる事があります。それと同様に初めにだけ感じやすいものです。

また、かゆくなりやすい方は、たまにいらっしゃいます。イヤモールドを使うと密閉性が上がり、耳の中が蒸れてかゆくなりやすくなります。こちらを改善するには、耳の中、イヤモールドを清潔に保つ事です。イヤモールドを洗浄したり、耳の中を拭いたりする事で、ある程度防げます。

イヤモールドがお勧めの方

イヤモールドは、どちらかというとハウリングより保持という部分に利点が強いものです。

  • 補聴器が耳から落ちた事がある
  • 補聴器が耳から外れやすい

これらの事がある場合は、特にお勧めです。イヤモールドを付けると補聴器がかなり安定しますので、不安定な方には、お勧めだと個人的は思っています。

イヤモールドで知って欲しい事

イヤモールドを制作した場合、ほとんどのところで3ヶ月ほど無償で作り直しができる再作期間があります。耳に入れて合わない感覚があったり、耳に痛みが出てしまったり、ハウリングがおさまらないなどあれば、すぐに補聴器屋に行きましょう。症状により、店舗で手直しするだけで直ったりしますが、再作をする場合もあります。再作の場合、再作するのにも時間がかかりますので、早めに行く事が重要です。

素材別の利点、欠点

こちらでは、イヤモールドの素材別、利点、欠点を記載していきます。イヤモールドには

  • ハード
  • ソフト
  • サーモソフト
  • シリコン

の四つが存在します。それぞれ、異なる特徴があります。

イヤモールド ハード

最も一般的なイヤモールドです。多くの人が使用しており、成人の方であれば、まずこちらが選択されます。

利点

ハードが優れているのは、

  • 抗菌性
  • 耐久性
  • こもった感覚が最も少ない

の三つです。四つの中で最もこれらが高いため、使用する人が最も多いのが特徴です。

欠点

  • 細いと折れやすい
  • 痛い?

耳の穴の中が極端に小さい児童は、耳の中で折れる危険性があるため、製作はしません。固い素材ですので、ガラスのように薄いと折れやすくなります。また、強いて上げるなら耳に何かぶつけると最も痛いのがハードです。とはいえ、何かぶつかったら基本どのイヤモールドでも痛いです。

イヤモールド ソフト

主に児童に使う事が多いのがこのソフトタイプです。イヤモールドの製作会社によって柔らかさがかなり異なります。柔らかいため、グニグニ変形するのが特徴です。

利点

  • 柔らかい
  • 折れない

柔らかいため、多少耳の形状が変形したとしても耳に合います。また柔らかいため、折れるという事がありません(千切れる事はあります)。それらの特徴を活かして児童に使われる事が多いです。

欠点

  • 耳に詰まった感覚が強い
  • 汚れやすい
  • 耐久性がない

耳の中に入っている感覚がハードより強く、自分の声の響きを感じやすいのが欠点です。また、たいていのソフトひっつく感覚がありますので、汚れがつきやすくなります。なお、ソフトは柔らかいため、耐久性も低くなります。イヤモールド自体に亀裂が入るのが多いのもソフトの特徴でもあります。

イヤモールド サーモソフト

サーモソフトは、体温により柔らかくなる特殊なイヤモールドです。恐らく最も使っている人が少ないイヤモールドだと思います。

基本的には、ソフトと利点、欠点は同じです。

イヤモールド シリコン

ハウリング防止などで使われる事が多いのがこのシリコンタイプです。重い聞こえの方が多く使用している印象があります。

利点

  • アレルギー対策
  • 摩擦が最も強い

このイヤモールドの特徴はアレルギー対策で使われる事です。アレルギーによりかゆみ、かぶれが出る方は、こちらを使用します。ただ、かゆみは、耳に栓する事により蒸れてしまい、かゆみが出てしまう事がありますので、これを使えば改善できるか……と言われれば何とも言えません。アレルギーであれば、改善できますが、蒸れる事によるかゆみは、改善できません。

また、摩擦力が最も強いため、ハウリング防止に使用するケースもあります。

欠点

  • 金額が最も高い
  • 耳が詰まった感覚が最も強い

シリコンイヤモールドが最もイヤモールドの中で金額が高くなります。また、耳が詰まった感覚も最も強くなります。

基本的に、この素材は使いどころが難しい素材です。

素材のお勧めは?

基本的に成人であれば、ハードイヤモールド、お子さんの場合はソフトイヤモールドです。不明であれば、販売店に聞いてみましょう。親身になって受けてくださるはずです。

私自身が思うイヤモールドの感想

こちらは私が思うイヤモールドの感想です。上記のものは、一般的に言われている内容です。イヤモールドは私にとってなくてはならない存在です。なお、私の場合は、両耳ともイヤモールドのハードを使用しています。

イヤモールドのメリット

私自身が感じているイヤモールドのメリットは、しっかりと保持できるところです。こちらにより、耳から落ちる事も外れる事もありません。上記には記載しましたが、仮に耳から本体が外れたとしてもイヤモールドが支えてくれますので、落ちる事はありません。

私が感じている最も大きいメリットは、耳が痛くならない事です。私の場合、耳の中がアメ耳体質で、一般的な耳せんの場合、ズルズル耳から外れてしまいます。アメ耳ですので、ヌルヌルしやすく(滑りやすい)、通常の人より、耳せんが抜けやすい状態になります。

その状態で、通常の耳せんを使用すると何度も耳の中に押して耳に入れ直したり、たまに外れてしまう事があります。一時期、何度も入れ直すことにより、耳の中が傷ついてしまった事もありましたので、イヤモールドにしました。イヤモールドであれば、そんな事はありませんので、快適です。

私の場合、耳の環境もあり、イヤモールドにしています。

イヤモールドのデメリット

イヤモールドには、自分の声が響きやすいという欠点があります。しかし、私にとっては欠点にはなっていません。イヤモールドを入れると響いた感覚は確かにありますが、気にした事がなく「そんなものかな」程度にしか思っていません。

また、金額も高価ですが、耳を傷つけるよりも私の場合は、お金を払って傷を回避する方が価値がありますので、高いとも思っていません。耳の中に傷ができるとしばらく激痛の状態で耳せんを入れる必要があり、かなりきついです。特に一般の耳せんにしていた頃は、耳が傷ついている状態で入れてもズルズル抜けてきてしまうため、また入れ直さなければなりません。入れ直す度に痛みを感じるのでかなりしんどくなります。

それであれば、お金を払ってこれを回避したほうが私に取っては非常に楽でした。むしろここは、お金を払ってでも回避したいものと言えます。耳の中を怪我した方はわかると思いますが、傷ついた耳に耳せんを入れるのはかなり痛いです。

ただ唯一欠点といえるところは、耳が詰まりやすくなる事です。イヤモールドは、耳の形を採取しているため、耳垢を知らず知らず、耳の奥へとやってしまいます。基本的には、耳の奥の方が、耳の穴が細くなりますので、押し寄せられた耳垢により、耳が詰まりやすくなります。

私は不覚にも一度詰まらせた事があります。ここがデメリットといえば、デメリットです。

まとめ

私にとっては、非常に良いものであり、なくてはならないものです。ですので、未だに使用し続けています。

あとがき

イヤモールドについてまとめてみました。一般的に言われているものから、私自身の使用感想を述べてみました。イヤモールドは、非常に快適になりやすくなりますので、お勧めします。特に耳から外れやすい方、耳に装用して補聴器が落ちた事がある方にはお勧めします。イヤモールドの保持力は強く補聴器が安定しやすくなります。

イヤモールドはどちらかというとハウリングを防止するために作られる方が多いのですが、私は保持力が高いところがイヤモールドの良いところだと考えています。

補聴器が安定しない方には、お勧めです。

 

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