感音性難聴の事例

【感音性難聴を改善】高い音が聞こえにくい中等度難聴の方、補聴器で改善

深井 順一|パートナーズ補聴器

聞こえの改善や補聴器のことについては、【FAQ】聞こえの改善と補聴器のFAQへ。お客様の改善事例は、聞こえの改善成功事例へどうぞ。

40代、女性。3年程前から、聞きにくさを感じており、特に職場で聞きにくさを感じるようになってきたことから、聞きにくさの改善のため、当店へご相談に来られました。

当店で対応した結果、

  • 様々なところでの聞き返しが減った
  • 高い音が聞こえる事で、機械音、アラーム系の音がわかるようになった
  • コミュニケーションに対するストレスが減った

とのことでした。聞きにくさが改善され、こちらとしても、何よりです。

では、どのように改善させていったのでしょうか。こちらに関して、記載していきます。

お客様の状態

まず、お客様の状態ですが、

  • 名前:K・Tさん
  • 年齢:40代
  • 性別:女性
  • 聴力:軽・中等度難聴(高音漸傾型)
  • 病状:感音性難聴(原因はわからず)
  • 備考:病院で診てもらうものの、治療は残念ながらできず

となります。

聴力は、このようになります。

低い音は、まだ聞きやすく、1000Hzあたりから(実際には、750Hzあたりから)、聴力が下がり、高い音、全般が聞きにくくなっている状態です。

基本的に耳が聞こえにくくなると、これらの事が起こりやすくなります。
基本的に耳が聞こえにくくなると、これらの事が起こりやすくなります。

このような聴力の方に共通するのは、

  • 対面でのお話は、わかる方は、わかるが、わかりづらい方は、わかりづらい
  • 騒がしいところや複数の人とお話する際に、聞きにくさを感じやすい
  • 高い音が聞きにくく、アラーム系(洗濯機、炊飯器、湯はりの音など)に気がつかない
  • 少し離れたところからの呼びかけ、音に気がつかない

これらが起こりやすい事です。

一般の方は、0〜10dBで聞こえ、正常の範囲は、0〜25dBになります。それよりも下がると、聞きにくさが出てきますので、難聴となります。
一般の方は、0〜10dBで聞こえ、正常の範囲は、0〜25dBになります。それよりも下がると、聞きにくさが出てきますので、難聴となります。

基本的に聴力に関してですが、0〜25dBまでは、正常の範囲になります。

しかし、そこから聴力が下がってしまった場合は、聞きにくさを感じやすくなりますので、それぞれの音のレベルにより、難聴の程度が変わるようになります。

音声の聞きにくさは、赤で囲んだ部分が下がると下がるほど、聞きにくさを感じやすくなります。※もちろん、それ以外の部分も関係する部分はあります。
音声の聞きにくさは、赤で囲んだ部分が下がると下がるほど、聞きにくさを感じやすくなります。※もちろん、それ以外の部分も関係する部分はあります。

そして、音声の聞きにくさの部分は、基本的に500Hz〜2000Hzが影響を受けやすく、この部分が下がると下がるほど、聞きにくさが強くなります。

K・Tさんの場合は、一部、聞こえているのですが、その部分が、どんどん下がってきてしまっています。

聞こえる方は、聞こえるかもしれませんが、聞きにくい方は、かなり聞きにくくなってしまい、

  • 話している内容がはっきりしない
  • 所々しか、会話がわからない

という感覚を感じやすくなります。

そして、聴力の低下により、騒がしいところでの聞こえや複数の人とのお話もしづらくなってきます。

高い音やアラームに関しては、この部分が下がると下がるほど、気がつかない。聞こえない。となりやすくなります。概ね、50〜60dBくらいから離れるとわからなくなります。
高い音やアラームに関しては、この部分が下がると下がるほど、気がつかない。聞こえない。となりやすくなります。概ね、50〜60dBくらいから離れるとわからなくなります。

また、高い音がかなり下がっており、一部のアラーム系が聞きにくい。もしくは、音そのものに気がつかない。というレベルになります。

アラームの種類により、周波数(音の高さ)は、変わってしまうのですが、だいたい1000Hz〜4000Hzという広い範囲にアラーム系はあります。

多いのは、2000Hzあたりで、炊飯器や洗濯機など、日常生活上で使用する機器は、1000Hz〜3000Hzあたりが多く、4000Hzあたりにあるのは、体温計です。

耳の現状をみてみますと、音声が聞きにくくなってしまい、かつ、高い音が聞こえにくい事で、アラーム系や合図の音もわからない、かなりわかりづらい状態となります。

という事で、こちらの現状をよくしていきます。

聞きにくさの改善案

さて、K・Tさんの改善案ですが、

  • 耳の状況と装用
  • 適する補聴器の形状
  • 聴力からどれくらい補えると良いのか

の3つに関して、まとめていきます。

耳の状態の把握と聞こえの改善案

補聴器で聞きにくさを改善していく場合、耳の状況を把握しながら、改善していきます。

耳には、音がどのくらい聞きにくいかを調べる聴力測定、そして、音声を大きくして伝えることで、本当に理解できるのかを調べる語音明瞭度測定(ごおんめいりょうど測定)の二つがあります。

こちらは、語音明瞭度測定を行なった結果。右も左も数値が低めに出ています。
こちらは、語音明瞭度測定を行なった結果。右も左も数値が低めに出ています。

K・Tさんに行なった結果は、こちらの通りです。数値は、一番良いところを見るのですが、補聴器の適性は、50%より上になります。この数値は、下がると下がるほど、補聴器で聞きにくさが改善しづらくなります。

K・Tさんの場合、両耳とも少し低めの数値ですので、両耳に補聴器を装用し、なるべく聞きにくさを補えるようにできると、ベストです。

合う補聴器の形状は?

補聴器には、いくつかの形状があります。

主にこれらのものがあるのですが、これらは、聴力によって異なります。

ただ、K・Tさんの場合、どの形状でも使用できる耳になります。

ここで、あえて出すとしますと、K・Tさんのような聴力の方は、

  • 耳かけ型補聴器ならRIC補聴器
  • 耳あな型補聴器ならCIC補聴器

の二つがお勧めです。

RIC補聴器とは、このような形状のもので

耳にかけると、このようになります。目立ちにくく、小さいのが特徴です。

CIC補聴器は、このような形状のもので、耳の型を採取して、ご自身の耳にぴったり合わせる補聴器です。

こちらも小さく、目立ちにくいのが特徴です。

低い音の部分がある程度、聞こえている方は、耳が塞がる感覚やこもる感覚。ご自身の声が大きく感じる感覚など、強く感じやすくなります。
低い音の部分がある程度、聞こえている方は、耳が塞がる感覚やこもる感覚。ご自身の声が大きく感じる感覚など、強く感じやすくなります。

まず、K・Tさんのような聞こえの方は、補聴器をつけると、耳がふさがった感覚、自分の声が大きく聞こえる感覚を特に感じやすくなります。

それを他の補聴器より、抑えやすいのが、上記の二つです。

これらのものから、補聴器選定ができると、耳の状態を良くしつつ、ご自身にとって、使いやすい補聴器を選ぶ事ができます。

聴力に対して、どのくらい補えると良いか

最後は、補聴器で目指す聞こえの改善値です。

基本的に補聴器の聞こえは、性能や形状というよりも、どこまで聞こえを改善できたのか。で、決まる事が多く、この部分が、聞こえのほとんどを決めてしまいます。

基本的に補聴器で補えるとよい数値は、35dBあたりになります。それよりも聞こえが良いところは、補聴器なしの状態より、下がらないようにします。
基本的に補聴器で補えるとよい数値は、35dBあたりになります。それよりも聞こえが良いところは、補聴器なしの状態より、下がらないようにします。

結論から言えば、補聴器を装用した状態で目指せると良いのは、の部分です。△は補聴器なしの状態を表します。

音声は、上記で説明した通り、500〜2000Hzあたりを大きくしてあげると、改善しやすくなります。この部分は、優先して改善したいところです。
音声は、上記で説明した通り、500〜2000Hzあたりを大きくしてあげると、改善しやすくなります。この部分は、優先して改善したいところです。

特に重要になるのは、500Hz〜2000Hzの辺りです。音声の聞こえを改善させるためには、この部分を35dBほど改善させられると、聞きにくさの改善は、しやすくなります。

高い音に関しても、35〜40dBくらいまで改善できると、ほとんどの音で気がつくようになります。気がつくようになれば、周りの状況もわかるようになりますので、生活もしやすくなります。
高い音に関しても、35〜40dBくらいまで改善できると、ほとんどの音で気がつくようになります。気がつくようになれば、周りの状況もわかるようになりますので、生活もしやすくなります。

また、K・Tさんの場合、高い音も聞こえづらい状態ですので、その部分もちゃんと補うようにします。

この場合、アラーム系を聞こえるようにさせる基準の数値としては、1000Hz〜4000Hzあたりまで、全体的に40dBくらいまで改善できると、それなりに聞こえるようになります。

すると、どこで何が鳴っているのか。というのも気がつきやすくなります。その結果、音を聞くだけで判断できる事が多くなり、生活もよりしやすくなります。

上記の事をしたとしても、耳が治るわけではないのですが、補聴器でそこまで改善できると、それなりに聞きやすくなります。

実際のご対応

さて、改善案がわかれば、今度は、それの実行です。

実際に私の方で、対応した事ですが、

  • 初回の対応
  • 補聴器の選定
  • 聞こえの改善

の3つに関して、分けていきます。

初回のご対応

初回にご来店いただいた際は、耳の状況の把握と補聴器に関する基本的な内容をお話ししつつ、K・Tさんの耳の状況を見た上での聞こえにくさの改善案について、お話ししました。

そして、実際に補聴器での改善をしていくのですが、初めに選んだのは、こちらの形状です。RIC補聴器ですね。

こちらを

  • 日常生活や職場で、どのように変化があるのか
  • 使い勝手は、どうか

など、試していただくために試聴、貸出することになりました。

初回の調整。それなりに聞こえるようには、した状態になる。
初回の調整。それなりに聞こえるようには、した状態に。

初めに聞こえを補った状態は、このようになります。

こちらは、補聴器を使用した状態を可視化できる測定で、調べた結果です。聞こえの改善案で出てきた数値も、こちらでの改善目標値になります。

初めからそれなりに改善させ、特に音声の聞きにくさを改善させるための鍵になりやすい500Hz〜2000Hzは、初回時から、なるべく改善できるようにしました。それ以外は、使用できる範囲内で、音を入れ、改善。

その状態で店内で使用した状態を聞いてみますと、聞こえる感覚はあるが、特に大きすぎる。などは、ない。とのことで、このまま貸出することになります。

補聴器では、色々な設定をすることができる。初めは、音の大きさを自分で調整できるようにしておくと、適切な音量を調べるのにも、過大な音を聞くことがないようにもできるので、こちらがおすすめ。
補聴器では、色々な設定をすることができる。初めは、音の大きさを自分で調整できるようにしておくと、適切な音量を調べるのにも、過大な音を聞くことがないようにもできるので、こちらがおすすめ。

この際、ご自身で音量に関しては、操作できるようにしておきます。

補聴器には、自分で音量を調整できるボタンなどが付いています。

初めての補聴器とあり、仮に大きかったり、逆に小さかったりした際は、調整できるようにし、なるべく改善できるようにしていきます。

そして、2週間ほど使用していただいたところ、

  • 補聴器があることにより、会社や日常生活で聞きやすくなった
  • 機械系、アラームの音に気がつくようになった
  • 話がしやすくなり、聞きにくさによるストレスが軽減した

との事でした。

補聴器には、どのくらい使用したのか。というログが残るように今現在の補聴器は、なっているのですが、1日の使用時間は、約12時間ほどで、職場から日常生活、家の中まで、ずっと使用されていました。

補聴器があると全体的に聞きやすくなるとのことで、さらに聞こえにくさの改善と補聴器の形状の選定を行なっていきます。

補聴器の形状選定

さて、次は、補聴器の形状に関して決めていきます。

聞こえの改善案で記載しました通り、低い音が聞こえていて、高い音が聞きにくくなっている方の場合、合いやすいのは、

  • 耳かけ形補聴器ならRIC補聴器
  • 耳あな形補聴器ならCIC補聴器

と記載しました。

それぞれ、耳かけ形補聴器、耳あな形補聴器で変わりがあるのは、

こちらの通りです。

気になる聞こえの効果に関しては、耳にかける方、耳の中に入れる方、少しではありますが、特徴があります。

耳かけ形補聴器は、音を拾う範囲が広いのか、静かなところや会議やミーティングといった機会の場合は、聞きやすくなる傾向があります。ただ、騒がしいところですと、より音が入り、わかりづらい一面もあります。
耳かけ形補聴器は、音を拾う範囲が広いのか、静かなところや会議やミーティングといった機会の場合は、聞きやすくなる傾向があります。ただ、騒がしいところですと、より音が入り、わかりづらい一面もあります。

耳にかける方は、このようになり

耳あな形の場合は、全体的に聞こえやすくなるのが特徴です。騒がしいところは、耳かけ形より、少し良い傾向があります。
耳あな形の場合は、全体的に聞こえやすくなるのが特徴です。騒がしいところは、耳かけ形より、少し良い傾向があります。

耳の中に入れる方は、このようになります。

それ以外で変わる点は、物の邪魔になるか、ならないか。の部分です。

耳あな形は、耳の中に入りますので、マスクやメガネといった顔周辺につけるものの邪魔になりにくい。という特徴があります。

2週間ほどRIC補聴器で使用していただいたところ、RIC補聴器でも問題なく使えるとのことで、こちらにすることになりました。

厳密には、こちらには、形状が2つほどあります。大きいタイプと小さいタイプですね。

こちらに関しては、耳に乗った感覚が自然な事、そして、使うのが楽な事、これらを理由に小さいタイプを選びました。

K・Tさんの場合、1日の使用が約12時間ほどになっていましたので、耳にかかる負担を少ないタイプにしました。

聞こえの改善

補聴器について決めつつ、更なる聞こえの改善も行なっていきます。

基本の改善

まず、初回で、調整した状態は、

このような状態でした。その状態で使用していただいたところ、かなり騒がしいところは、ご自身で音量を下げて、対応し、職場や日常生活上では、音量をあげたり、下げたり。というのは、ほとんど行うことは、なかった。とのことでした。

音の感覚だけで判断しますと、過度に音が大きいわけではなく、小さいこともないため、それなりに良い状態である事がわかりました。

しかし、改善目標の数値と比較しますと、達成している部分は、ありつつも、もう少しあげられると良い。という部分もあるため、こちらについて、どのようにするかご相談する事になります。

改善できるなら、ということで、目標となる部分より、低い、高い音の部分を改善することに。ただ、実際には、2000Hzあたりは、大きくしてみたものの変化は、あまり出ず。
改善できるなら、ということで、目標となる部分より、低い、高い音の部分を改善することに。ただ、実際には、2000Hzあたりは、大きくしてみたものの変化は、あまり出ず。

今現在の状態が、いいか。少し騒がしくなっても、もう少し改善したいか。それについては、もしできるのであれば、もっと改善したい。とのご要望でした。

さらに、足りない部分を更にあげていくことにしました。その結果が、上記のものです。

補聴器を使用した状態の言葉の聞こえに関する測定です。70dBだけ下がっているのですが、それ以外は、良好です。特にはじめに低い傾向があっただけにかなり良い数値になります。
補聴器を使用した状態の言葉の聞こえに関する測定です。70dBだけ下がっているのですが、それ以外は、良好です。特にはじめに低い傾向があっただけにかなり良い数値になります。

補聴器を装用した状態での言葉の聞こえ方を調べる測定もあるのですが、その結果は、こちらの通りです。

70dB(大きい声の方を想定した音の大きさ)の部分だけ下がってしまっていますが、それ以外は、それなりに良好です。

聞こえを補っていく上で、このような聴力の方に問題になりやすいのは、ハウリング、という現象です。

ハウリングとは、耳から漏れた音を拾い、その音を増幅することにより、ピーッ!!と聞こえる現象になります。

特に高い音を補う必要があり、その音を中心的にあげていく必要があるため、そのリスクが大きくなりがちです。

今現在の補聴器には、ハウリングが聞こえて、不快な思いをしないようにするため、そのハウリングを抑える機能がついている。最近の物は、補聴器でどの部分がハウリングしやすいのかを調べ、その部分を、効果的に抑えてくれたりする。
今現在の補聴器には、ハウリングが聞こえて、不快な思いをしないようにするため、そのハウリングを抑える機能がついている。最近の物は、補聴器でどの部分がハウリングしやすいのかを調べ、その部分を、効果的に抑えてくれたりする。

その音を止めるためのシステム(ハウリングキャンセーと言います)が補聴器には、あるのですが、なりやすい方ですと、このように途中までしか音を出せなくなります。

見方について記載しますと、紫の線がここまで音を出すと、ハウリングする。という線で、太い線が、今現在出ている音の大きさ、細い線が、聴力に対する目標の音の大きさになります。

上にあるとあるほど、音が大きく出ていることを示し、横の軸は、各周波数を表しています。

ハウリングキャンセラーを使うと、ハウリングするところは、それ以上、あげることができない。あげるとハウリングするからだ。
ハウリングキャンセラーを使うと、ハウリングするところは、それ以上、あげることができない。あげるとハウリングするからだ。

高い音が聞こえにくく、低い音が聞こえているケースは、音をなるべく入れてあげることが必要になる反面。あまりにも耳をギュッと詰めると、こもった感覚や自分の声が大きくなる感覚を感じやすく。そのバランスを考えて、改善していく必要があります。

すると、上記のように高い音を出したいけれども、ハウリングの影響により、なかなか出せない。という問題が発生します。

もし、もっとより良くしていくのであれば、このような部分もよくし、しっかりと音を補える状態にしていく必要があります。

更なる聞こえの改善と問題点

ハウリングの問題は、耳をしっかりと塞ぐことによって、改善することができます。

耳かけ形補聴器には、大抵、このような耳の型を採取し、その人の耳の状態に合わせる耳せん、イヤホンがある。その一種がこちら。
耳かけ形補聴器には、大抵、このような耳の型を採取し、その人の耳の状態に合わせる耳せん、イヤホンがある。その一種がこちら。

そのため、こちらを製作。

実際の補聴器につけた絵は、この通り。
実際の補聴器につけた絵は、この通り。

補聴器につけた状態は、このようになります。

補聴器には、耳の型を採取して、その人の耳に合わせた耳せんを作ることができるのですが、RIC補聴器用のものは、こちらになります。※各社、形状や色合いは、少々異なります。

このようなものを作れるとハウリングを止めやすくなり、かつ、人によっては、音の伝わりがよくなるため、より聞きにくさの改善ができるケースがあります。

しかし、こちらのものメリット、デメリットもあります。

簡単に言いますと、耳を塞ぐことにより、音が漏れることが少なくなるため、音がそのまま伝わりやすくなり、結果的に聞きやすくなりやすい。ただし、耳を塞ぐため、自分の声が大きく感じたり、低く響くような感覚を感じやすくなる。こちらです。

問題となりやすいのは、自分の声が大きく感じやすくなることと、食事の時でしょうか。噛む音が大きくなってしまうので、相手の方の声もわかりづらくなる。という特徴があります。

耳の形をとったもので、聞こえを改善すると、聞こえの改善値が跳ね上がる事があります。
耳の形をとったもので、聞こえを改善すると、聞こえの改善値が跳ね上がる事があります。

実際に製作し、改善を行なってみますと、補聴器での結果もよくなり、改善目標値まで改善しました。

耳の形をとったもので、聞こえを改善すると、聞こえの改善値が跳ね上がる事があります。
こちらは、耳の形をとったもので、言葉の聞こえを測定したものです。小さい音の聞き取りに関しては、少し上がっています。

言葉の聞こえについては、このようになり、

ハウリングの部分は、この通り、高い音は大きく入れる必要があるため、出力間際には、なっているが、ハウリングによって出せない。というのは、なるべく無くすように。
ハウリングの部分は、この通り、高い音は大きく入れる必要があるため、出力間際には、なっているが、ハウリングによって出せない。というのは、なるべく無くすように。

ハウリングの問題を改善させる事で、全体的に、音を入れられるようになりました。

そこで、この状態で使っても問題なく使えるかを確認するため、数日間、使用していただくことになるのですが、

  • 聞こえは、良くなるものの、ご自身の声の大きさが気になる事
  • 食事の時とかは、噛む音などが大きく、逆に聞きにくくなりやすい事

この2点があり、前の状態に戻すことにしました。

これには、前回の状態でも、それなりに良かったこと、言葉の聞こえに関しても、少しの差しかなく、その効果(メリット)とデメリットを比較した際に、楽に使用できる方が、良い。というようになったためです。

ということで、今回の改善は、ここまでになります。

お客様の声

実際に上記のように対応させていただき、K・Tさんより、お客様の声をいただきました。

どのような事でお悩みでしたか?

補聴器を実際につけてみていかがでしょうか

このお店で相談(購入)したのは、なぜでしょうか?

実際のアンケート

ご協力いただきまして、ありがとうございます。

病院さんではじめ相談された時、ご説明があまりなく、よくわからないまま、話が進んでしまったり、補聴器を試聴しても、違いが良くわからない。改善方法そのものについてもよくわからず、お悩みなところから、ご相談いただきました。

初めて補聴器について考える場合、わからない事が多い状況かと思いますので、一から全てご説明させていただき、試聴を通じて、相談させていただきました。一つ、一つ、理解していく形ですね。

その結果、より良くなり、こちらとしては、何よりです。

今回の改善ポイント

今回ご対応した内容の改善のポイントは

  • 補聴器は初めてだったため、試しながら相談した事
  • 改善目標付近まで聞こえを改善できた事
  • もののメリット、デメリットを把握しながら、改善した事

の3点です。

補聴器は、初めてだったため、試しながら、相談した事

初めての場合は、なかなかどれがいいのか。使えるのか、合うのかなどは、わかりにくい状態です。その場合における一番良い方法は、補聴器を体験しながら、改善させていく事になります。

耳の状況からどのように聞きにくさを改善できると良いかの説明もそうですが、実際に改善させていくにあたっては、補聴器が使いやすいか。補聴器を問題なく使えるかも重要な要素です。

こちらに関しても、貸出を通じて、お客様の状態を把握し、ちゃんと使えることを確認した上で、改善に関して、向かえたのが、よかったですね。

改善目標値付近まで、聞こえを改善できた事

次は、補聴器での聞こえの改善についてです。補聴器の聞こえに関しては、改善目標値まで改善させることが、一番の改善要素になります。

ですので、改善目標値、もしくは、その付近まで、改善できたことが、聞こえにくさの改善に一番貢献できたかなと思います。

聞こえにくさの改善の一番のポイントは、聞こえを改善させるべき部分をなるべく改善させることです。無理に行うのは、よくありませんが、お客さん、患者さんと相談しつつ、改善していけると、より良い状態にしやすくなります。
聞こえにくさの改善の一番のポイントは、聞こえを改善させるべき部分をなるべく改善させることです。無理に行うのは、よくありませんが、お客さん、患者さんと相談しつつ、改善していけると、より良い状態にしやすくなります。

だからといい、無理に改善させると辛くなってしまいますので、それは、すべきではありませんが、適正な改善値まで聞きにくさを改善できると、その分、聞きにくさの改善に繋がります。

K・Tさんは、こちらまで改善できたのが、聞きにくさの改善につながりました。

ものの、メリット、デメリットを確認しながら、改善した事

そして、こちらの聴力で問題になりやすいハウリングや更なる改善に関して、メリット、デメリットを伝えながら、改善(ご相談)できた事もポイントです。

どのような部分もメリット、デメリットがありますので、それを確認しつつ、わからない部分は、実際に試しながら、改善ができるとご自身にとって、良い状態にしやすくなります。

人によって、良い状態というのは、異なりますし、どのような状態になると良いかは、変わります。

そのため、それぞれを確認しつつ、どのようにしていったら良いかを補聴器を調整する人、そして、補聴器を使う人、それぞれが、相談できると、お互いにとって、良い相談ができ、結果的に、良い状態にすることができます。

補聴器を使用した状態を含む、改善の方法、プロセスに関して、お互いに共有できると、より良い状態へは、目指しやすくなりますね。

今回のまとめ

さて、まとめていきます。K・Tさんに関してですが、高い音が聞きにくいケースになりますので、なるべく耳がふさがった感覚、こもった感覚を軽減できるようなものが良いです。

そして、聴力に関して、補えると良い部分まで補えると、それなりに聞こえに関しては、改善させることができます。

改善させた後、K・Tさんがおっしゃっていたのは、実に様々な音が聞こえていなかった、または、聞こえづらかったということでした。

音は、聞こえないと、存在そのものを認知することすら難しくなりますので、これは、仕方がありません。

逆に聞こえるようになることで、何かの合図に気が付いたり、聞き返しが少なくなり、生活に関しては、非常に良くなったようです。

聞きにくさを改善でき、こちらとしては、何よりです。

こちらをご覧になり、同じような状況の方に参考になれば、幸いです。

ABOUT ME
深井 順一|パートナーズ補聴器
深井 順一|パートナーズ補聴器
補聴器を使っている人が対応している補聴器専門店・代表
補聴器のお店には珍しい難聴の補聴器販売員です。生まれつきの難聴者で7歳の頃から補聴器を使っています。お客様からは「補聴器を使って良かったです。これから明るく生活できます」「日常生活がスムーズになった」「人に聞き返すことが減り、コミュニケーションに対するストレスが軽くなった」と評価いただくことが多いです。
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