耳や補聴器について、正しく伝えることの難しさ
私のお店に来られる方で、たまに、補聴器に関して、あまり良くない噂や話をきき、補聴器を使用するのに、長く時間がかかった。
補聴器を使う事で、こんなに楽になるのであれば、もっと早く使用すればよかった。というように言ってくださる方が、一定の割合でいます。
中には、なぜ補聴器は、こんなに普及していないのでしょうか?かなり聞こえやすくなるので、悩んでいるのであれば、つければ良いのに。という方まで、います。
私自身も補聴器を使用していて、その恩恵を感じている人間ですので、その気持ちは、結構、よくわかります。
ただ、このような話を伺う度に「もう少し頑張る必要があるんだなぁ」と感じるのですが、耳や補聴器に関する情報は、個人差が大きく、なかなか本当のところが伝わりづらい。わかりづらい。という問題があります。
この部分に関して、少し思うところがありましたので、まとめていきます。
正しく伝えることは難しい
私の場合、こんな感じに日々、ブログに書いているので、特にそれを感じるのですが、わかりやすく伝える、もしくは、できる限り、正しく伝えようとすると、かなり難しいな。と感じることが多いです。
例えば、補聴器を使用する方は、感音性の難聴であることが多いのですが、実際に感音性難聴だけでは、補聴器で改善しやすい方もいれば、まるで補聴器が合わない、補聴器を使用しても、音声が残念ながら、かなり理解しづらい方まで、様々です。
感音性難聴という言葉一つでも、耳の状態は、全く異なるため、まるで別々の病気のように感じることもよくあります。
実際には、測定の結果によって決まるため、そのようなことが起こるのですが、これは、お客さん側、もしくは、患者さん側からしたら、非常にわかりにくい要因になっているのではないか。と感じます。
私が感じる補聴器の効果を感じる割合
実際のところ、私の体感ではありますが、補聴器は、補聴器を装用すれば、かなり改善される方〜それなりに改善される方が、8割くらい。
補聴器を装用しても、本当の意味で、改善にあまり貢献できない。補聴器を装用しても、改善された気がしない。という方が、2割くらい。という感覚です。
補聴器を使用しても、全く効果がない。ただ、高いだけの機械。という部分に関しては、当てはまる方は、本当にそのまま、そっくり当てはまります。
ですので、これは、嘘ではありません。
あまりにも補聴器をつけるタイミングが遅い、例えば、80歳、90歳などになってくると、あまり役に立たなくなってくる比率は上がってしまい、早めに装用できると、それなりに改善できる人は、増えてきます。
私自身も補聴器を使用していますが、個人的な評価としては、8割〜8割5分、贔屓すると、9割くらいでしょうか。
ほとんどのところで、聞こえていますが、たまにわかりづらい時がある。というのが、補聴器を使用していて、感じる感覚です。
どうしても感音性難聴という耳の状況なため、100%にはならないのですが、補聴器があるのと、ないのとでは、生活のしやすさ、仕事のしやすさは、雲泥の差ですので、重宝しています。
このように耳の状況によって、効果が大きく変わってしまうため、効果がないという声も、補聴器を使うことによって、聞きやすくなる。という声も、どちらも本当になります。
ただ、その割合としては、補聴器を装用してよくなりやすい方は、8割くらい。どうしても、改善しづらい方は、2割くらい。というのが、私の体感です。
誤解されたままだと、よくないと思う理由
個人的に誤解されたままだとよくないと思う理由は
- その状況をよくできるのに、そのままになってしまう
- 業界としても、健全な成長ができなくなる
の2つです。
その状況をよくできるのに、そのままになってしまう
これは、単に難聴の人のためにならない。という部分になります。
実際に補聴器を使用すれば、今現在の生活が非常に楽になるのに関わらず、情報がないがために、もしくは、誤解したままでいることで、ずっと不便な状態で、生活し続けているとした場合、私自身は、それが良いことだとは、思いません。
基本的に難聴は、コミュニケーション障害であり、聞きにくいことで、どんどん周囲と関われなくなったり、自信がなくなることで、どんどん視野が狭くなっていきます。
確かに補聴器は、完全ではないのは、事実ですが、それらを楽にしてくれるのも事実ですし、実際には、改善できる部分があるのも事実です。
人により、大きく効果が変化してしまうのは、その通りですが、なるべく補聴器に関して、正しく理解し、不便に感じる部分を少なくすることができたなら、それは、良い事だと思います。
現に私自身は、補聴器で完全に耳が治らないにしても、つけることの効果やある方が良いので、補聴器を使用しています。
業界としても、健全な成長ができなくなる
2つ目は、こちらですね。
聞きにくさを感じている方々の生活を良くする。ということをしっかりできているのであれば、その対価として、お金をもらい、どんどん、補聴器に関して、投資をしたり、聞きにくい人にとって役に立つものが多く普及すれば、それは、補聴器業界としても、難聴の方にとっても、良いことです。
このようにどちらにとっても良い方向へどんどん発展して行くのが理想になります。
しかし、今現在は、あまりうまく機能しておらず、特定の人だけが使用する機器というような状態で、金額も高いまま、さらに、限られたパイを奪い合うような状態で、市場そのものが伸びているようにも、感じません。
限られたパイを奪うのは、もっと後の話でいいので、今現在すべきことは、しっかりと救える人をどんどん増やして行くことです。
そして、それによって得たお金で、どんどん投資して、気軽に補聴器に関しても得やすいような。言い換えれば、聞きにくくなったとしても、改善して、復帰しやすくなるような社会になることが、大切だと、個人的には、思います。
正しく伝えるのは、難しいけれども、地道に続けようと思います
最近は、少し時間を取りながら、実際のお客さんの例なども徐々に書くようにしてきました。
こちらも、人によって、変化する部分はあるのですが、参考にはなるかな。ということで、お客さんに許可をいただきながら、行なっています。
そのおかげか、中には、こちらをご覧になって、良くするヒントを掴めた。という方の声もいただくことがあり、やってきてよかったかな。と感じることはあります。
正しく伝えるのは、難しいことではあるのですが、こちらに関しても、また、地道に行なっていこうと思います。
以上、最近、感じていた感想でした。