補聴器のFAQ

充電型補聴器になって何が変わった?

深井 順一|パートナーズ補聴器

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今現在、補聴器には、充電型の補聴器というものが出てきました。

今までは、ボタン電池を使って、電池が切れたら中にあるボタン電池を交換して使うというやり方でした。充電型補聴器になると、補聴器を使い終わったら、充電して、また使う、というやり方に変わってきました。

充電型補聴器になって変わったことは、こちらだけではありません。

実は、そもそもボタン電池には、いくつか欠点があったため、それを解消するために充電型の電池にし、補聴器の機能をより向上しようとして、充電型補聴器になってきている側面もあります。

今回は、こちらについて記載していきます。

今までの課題を解消

ボタン電池型の補聴器の欠点は、ボタン電池を使うことによる欠点がありました。それは、

  • ボタン電池による不具合
  • 補聴器の性能を上げるのに限界に

の2つです。

ボタン電池による不具合

補聴器に使用されているボタン電池は、空気を吸い込んで(厳密には酸素)そのことにより、電気を発生させる空気亜鉛電池と呼ばれるものです。

この電池は、発電するために常に空気を必要としますので、補聴器のどこかにその空気が常時入るための穴を設ける必要があります。その穴がないと空気電池は発電できなくなってしまいます。

補聴器には必ず、どこかに小さい穴が開いています。それを空気孔と呼んだりします。

例えば、耳かけ形補聴器とかだと、こういったところに穴が開いており、そこから常時、空気が入るようにしています。

言い方を変えれば、空気電池を使っている以上、密閉することができないということです。ですので、補聴器は汗に弱かったり、さらにその穴を汗や湿気により、塞がれたりすると、一時的に聞こえなくなったりします。

一時的に空気の供給が遮断されると、それにより電池が発電しづらくなり、補聴器が動作しなくなってしまうわけですね。

空気電池にも空気を取り込むための穴が開いています。

また、空気電池の方も穴が開いており、ここのところが何らかの埃だとか、湿気だとかで塞がれても、不具合を起こしますし、場合によっては、液漏れを起こしてしまい、補聴器内部にまで液体が浸水し、補聴器自体が壊れるということも起こったりします。

このように空気電池は安価ではあるものの、動作面の不安定さ、そして、何よりも空気を吸い込む必要があるという特徴があることで、それ以上の機能の向上ができませんでした。

補聴器の性能を上げるのに限界に

ここはそこまで詳しくないのですが、補聴器の性能を上げるのにボタン電池では限界がきている。というところを聞いています。(メーカーさん側から)

今現在、メーカーさんから発売されているものの中には、同じ名称の補聴器でも、ボタン電池形の性能(機能)と充電形の性能(機能)では、異なるものが出てきています。

補聴器には、名称があり、その名称のものでいくつかグレードがあり、その同じグレードのものでも中に搭載されている機能の優劣が異なるということが実際に起こっています。

今現在の補聴器の課題は、高度な機能を使おうとすると、消費する電池の量が多くなるということす。そのことにより、電池寿命が短くなる(一つ当たりに使える時間が少なくなる)、そして、そもそも電池が少ないと、その機能を有効活用できません。

少し昔の補聴器にあったことですが、優れた機能のものを使おうとすると、消費する電池の量が多くなり、仮にそれが足りなかった場合、急に補聴器から音が出ない(補聴器がシャットダウンする)ということがありました。

今現在は、そのようなこともかなり少なくなってきたのですが、補聴器がしたいことをしようとしても、仮にスペックが足りていない場合、急にシャットダウンします。

ですので、そういった優れた機能を使うためには、ボタン電池ではなく、もっと安定して電池を供給できるようにする必要がありました。それが充電形だったということですね。

より良くするために変化する

充電形の補聴器というと、どちらかというと今現在、スマホになり、身の回りのものが充電して使うタイプに大きく変わってきた。という側面が強く出ているかもしれません。

正直、そういった側面もあるのですが、中には、補聴器の中にある課題を解消するためでもあります。まだまだ補聴器には、解決すべき課題がありますので、そういった部分を少しずつ解消するためにずっと続けていたボタン電池から、ようやく充電形のタイプに変わってきました。

とはいえ、充電形の補聴器に関して欠点がないわけではありません。充電形の補聴器の唯一の欠点は、充電しながら補聴器を使うことができない点です。

つまり、電池が切れたら、その間は補聴器が使えない状態になるということです。今現在、充電形の補聴器の連続使用時間は、だいたい18時間ほどです。

ですので、一日、20時間使うとかだと、足りなくなる可能性があります。そして、どこかで充電する必要性が出てきます。

ここは実際に使っていただいて、一日中使えるものなのか、それともそうじゃないのかは人によって異なるのですが(人によって1日あたりの使う時間が異なります)、仮に長く使っている方の場合は、ちゃんと1日使えるかどうかを確認する必要があります。

仮に使えない場合は、ボタン電池で常に補聴器を使える状態にした方が使いやすいかと思いますし、逆に問題ないのでしたら、充電形補聴器を考えるのはアリですね。

今現在は、このようにまた一つ、選択肢が出てきました。

まとめ

さて、今回ですが、充電形の補聴器に関して、記載してみました。充電形の補聴器は、今現在、主流になりつつあり、少々、価格は高いのですが、その分、故障も、性能も上がるようになりました。

充電形が出てきた背景には、このようなものがあります。ですので、より良くするために補聴器メーカーさんも改善してきている状況ですね。

ただ、上記の通り、一つだけ欠点がありますので、その点だけご注意ください。より良くはなっているのですが、充電している最中は、補聴器を使うことができない状態になりますので、1日の使用で問題ないかどうかは確認する必要があります。

ということで、今回は、充電型補聴器になって何が変わった?でした。

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深井 順一|パートナーズ補聴器
深井 順一|パートナーズ補聴器
補聴器を使っている人が対応している補聴器専門店・代表
補聴器のお店には珍しい難聴の補聴器販売員です。生まれつきの難聴者で7歳の頃から補聴器を使っています。補聴器の販売員としての知識、技術に加え、一人の難聴者が自分自身の聞こえを改善した知識、技術も組み合わせながら、聞こえの改善、補聴器のご相談をしています。
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