難聴の方の生活を良くする思考

深井 順一|パートナーズ補聴器

難聴の方の生活を良くする。その場合、どのようなことを考えていければ良いのか。この点は、私自身が長年考えてきたことでした。

私の場合、生まれつきの難聴者で7歳から補聴器を使っているのですが、私が補聴器を使っている理由は、自分の生活を良くするためです。

このような仕事をしていると補聴器のことが好きと勘違いされることもあるのですが、私の場合は補聴器がないと、そもそも生活そのものがしづらくなってしまうため、生活を良くするために補聴器をつけています。

ですので、補聴器が先にあるのではなく、自分の生活が先にある状態ですね。

では難聴の方の生活を良くするにはどうしたら良いか。

その答えは未だに出ていないのですが、その思考の元となるのは、聞こえの改善をしたら、あとは自身を高めていく。それをどれだけできるか。だと感じています。

生活を良くする思考

さて、ここで一旦、生活を良くする思考についてまとめていきます。

難聴に限らず、生活そのものを良くする思考は、実はシンプルで、マイナスの要素をゼロに近づけプラスの要素を増やしていく。これですね。

……何のこっちゃ分かりづらいですよね。分かりやすいのはお金だと思いますので、お金で例えてみます。

仮にお金を増やす。と考えた場合、支出の量を減らし、収入を多くする。そのようにすることで手元に残るお金は多くなります。

ここで大事なのは、支出を減らすだけでもうまくいかないし、収入を多くする。でもうまくいかないことです。

例えば、支出の量は減ったけれども、収入も減った。になると、±0になりますし、収入を多くした。でも、支出も増えた。の場合も±0になります。

物事には、マイナス面とプラス面があり、マイナス面に与する物事は、マイナス面をゼロに近づけ、プラス面に与する物事は、より多くしていく。

そのようにすることで、より多くすることが可能になります。

これは何もお金に限った話ではなく、普段の生活でもそうですし、難聴の方の生活も同様です。

重要なのは、物事にはマイナス面とプラス面がある。ということです。

不満の反対は、没不満

ここで一つ、注意があるのですが、不満の反対は何か。ということです。

恐らく多くの人は、「え?不満の反対は、満足じゃないの?」と感じるかもしれませんが、不満の反対は、没不満。つまり不満がない。になります。

プラスマイナス0の状態のことですね。

そして、満足の反対は同様に没満足。満足がない。になります。

物事には何もないプラスマイナス0の領域があります。

ここで大事なのは、不満を解消しても没不満。つまり不満がない状態になる。ということです。

満足になるわけではありません。

物事にはマイナス面とプラス面があるというのは、そういうことです。

そして、生活を良くしていく場合は、このマイナス面を減らし、プラス面を増やす。

もっというとマイナス面を減らして、プラス面を増やして、プラス面の方が多い状態にする。

それが大事になります。

難聴者における補聴器はマイナスをゼロに近づけるもの

ここで、難聴の方における補聴器とはどのようになるのか。それは、マイナスをゼロに近づけるものになります。

補聴器に限らずマイナス面は、だいたい健康とか、身体に影響するものになります。

それがあることで、ない状態より悪くなるもの。失うとマイナスになるもの。それがマイナス面です。

補聴器をつけても耳が治るわけではない。という点もありますが、それ以上に補聴器は一般の方の聴力を超えることを目的につけるわけではありませんので、マイナス面をゼロに近づける。

そういった役割です。

聞こえの改善ができればできるだけゼロに近づき、さらにいうと不満がない。没不満状態になります。

ここで大事なのは、補聴器による聞こえの改善は満足というよりも不満がない状態。耳や聞こえに関して没不満状態に近づく。ということです。

ですので、仮に本当に生活を良くしていく場合は、補聴器の聞こえの改善にプラスして、プラス面を強化していく必要があります。

難聴の方におけるプラス面、マイナス面

ここからは完全に私の主観が入るのですが、では難聴の方におけるプラス面、マイナス面は、どのようなものがあるのか。

私自身としては、

プラス面は、

  • コミュニケーション能力を身につける、上げる
  • 心身を鍛えること

マイナス面は、

  • 聞こえを良くすること
  • 健康に関して気をつけること

これらの部分になると感じています。

まずは、マイナス面から。マイナス面は、マイナスの量を減らし、ゼロに近づけるという部分になります。

聞こえにくさを改善すること、そして、健康に関して気をつけること。どのような人でも当てはまるものを記載するとこのようになります。

聞こえにくさは、分かりやすいので、省くとして、健康については、風邪とかが分かりやすいかもしれません。

風邪を引いたりすると、健康な状態はどのような状態だったけ?と忘れるようなことがありますが、風邪を引くと何もない状態から身体状況に関してマイナスの状態になります。

で、風邪が治ったら元の状態に戻る。まさに健康については何らかの理由で低下していたものが元に戻る。ということです。

どのような人も年齢によって衰えてくる部分はありますので、運動、睡眠、食事、これらのものが大事になります。

難聴も同様で、年齢によって起こる難聴の一つが老人性難聴(加齢による難聴)で、その老人性難聴は、大きな音の聞きすぎと動脈硬化が原因であることがわかってきました。

それらの予防については、大きい音で聴きすぎないことと運動、睡眠、食事に関して、気を使うことになるのですが、これらの部分がマイナスの部分をなるべく改善することに入ります。

マイナスの部分は減らせれば減らせるほど、何もない状態へ近づくことができます。

プラス面は、賛否を起こしそうですが、

  • コミュニケーション能力を身につける、または、上げる
  • 心身を鍛えること

の2つが個人的に大事かなと感じています。人によっては、ここにお金を稼ぐ能力を身につけること。も入るかもしれません。

難聴の難しいところの一つは、補聴器は聞こえを良くするだけであり、補聴器を使うことでコミュニケーション能力が上がるわけではないことです。

難聴の問題点を整理すると、聞こえにくいことによりコミュニケーション障害になることです。

聞こえにくくなることで人とのやり取りがうまく行きづらくなる。そのことで人間関係に響いたり、人によっては、対人関係に影響したりします。

ここが一番厄介なところですね。聞こえにくいこと、というよりもそれにより人間関係や対人関係にも影響してしまうことがいちばんの問題です。

私がよく読んでいた本にアドラー心理学 嫌われる勇気という本があるのですが、アドラー心理学では、悩みの多くは対人関係である。と言っており、非常に勉強になったことがあります。

まさに難聴になると悪くなりやすいものの一つが人間関係、対人関係です。が、補聴器は別に対人関係を良くしてくれる道具ではないため、ここが難しいところの一つです。

ですので、どう人とコミュニケーションをとっていくのか。さらにどう難聴の体で社会を生きていくのか。は非常に重要なことになります。

難聴の方の中には、コミュニケーション能力が非常に高い方がたまにいるのですが、そのような方は、聞こえにくさを感じつつも、それなりに幸せに暮らしているように感じますね。

そういった方々と接すると、聞こえを改善した後は、いかにこのコミュニケーション能力を良くできるか。そこが本当の意味で生活を左右するんだろうな。とそのような方々とお話ししていると感じます。

あとは、心身を鍛えること。心、精神、魂、言い方はいろいろありますが、このような精神的なものと肉体。健康に少し似ているのですが、筋肉、筋力を鍛える。

人の場合、肉体は自然と成長しますが精神は教育を通じて作られていくものになります。躾は身を美しくする、と書いたりしますが、昔の人は教育を通じて精神、心、魂、そういったものを磨いていったわけですね。

特に精神は、自分で鍛えようとしない限り、成長することはありません。肉体は、勝手に成長しますが、精神は勝手に成長することはないので、今現在だと、人と会ったり、本を読んだり、自分と異なるものとの交流によって精神を鍛える。

さらに肉体は、筋トレや筋力を強化することによって肉体の維持をする。

私も全部ができているわけではないのですが、本当に良くしていく場合、補聴器による聞こえの改善はむしろ始まりにすぎず、ここから、どれだけ伸ばしていくか。

聞こえの改善や健康に関して気をつけることで、マイナス面を少なくし、あとは、コミュニケーション能力や心身を鍛える。ということを通じて、どれだけプラス面を大きくできるか。

その差分でプラス面になっている場合は、成長も感じるでしょうし、ご自身の生活が良くなっていくのを実感すると思います。

どこまで良くするか、は人によって異なりますが、本当に良くしていく場合は、補聴器による聞こえの改善はむしろ始まりにすぎない。というのが私の感覚です。

まとめ

さて、こちらでは、難聴の方の生活を良くする。という内容について記載してみました。

難聴の場合、問題になりやすいのは聞こえにくさもそうですが、それ以上に人間関係、対人関係に影響しやすいことです。ですので、どうしても人との関係に悩みやすい。ということですね。

この点は別に聞こえにくさがない人。健聴の人でもそうなので、難聴になるとより悩みやすいところの一つです。

それに関する答えは実は聞こえを良くすることではなく、対人関係、人間関係を学ぶこと。もっというとコミュニケーション能力を上げたり、身につけたりすることになります。

どんなことをしても良くできないケースはあるにしても、その能力があるかないかで、だいぶ異なってきます。

また、生活を良くする場合、補聴器による聞こえの改善は、その一部になります。

聞こえの改善にプラスして、プラス面を多くすること。もっというとマイナス面を減らし、プラス面を多くすること。それが大事になります。

上記に上げたプラス面、マイナス面という項目は、私の勝手なものではありますが、基本的な考えは同じですね。

お金と同じようにマイナス面だけを対処しても意味はなく、プラス面だけをしても意味はありません。

物事はマイナス面、プラス面の2つがあり、重要なのは、マイナス面を減らして、プラス面を多くすることです。

お金で言えば、支出を減らし、収入を増やす。それが重要ということですね。

私も生活を良くする。という観点で見た場合、まだまだできていない部分があるので、補聴器で聞こえを改善し、そこからはどれだけ積み重ねることができるかだと思っています。

なお、補聴器において記載すると、難聴の方にとっては補聴器はかなり大事です。

どうしても聞こえにくいことによるマイナス面の大きさはかなり大きくなってしまうので、なるべくであれば改善できるところは改善して、良くできると良いです。

聞こえの改善はできればできるだけ、マイナス面の改善につながるため、重要と言えば重要な部分になります。

ということで、何かヒントになる部分があったのであれば幸いです。

この記事を書いた人
深井 順一|パートナーズ補聴器
深井 順一|パートナーズ補聴器
補聴器を使っている人が対応している補聴器専門店・代表
初めましてパートナーズ補聴器の深井と申します。生まれつきの難聴者で7歳から補聴器を使っています。1986年7月1日生まれ。出身は静岡県静岡市、育ちは千葉県市川市。自分自身でも補聴器を使っていることを活かして、お客様に合った補聴器を選んだり、お客様に合わせた補聴器の調整をしています。

聴力別、聞こえの改善と補聴器のFAQ

こちらでは、主に耳や補聴器について知りたい方へ向けて、FAQについてまとめてみました。

補聴器で聞こえを改善する場合、個別性が強いため(人により異なる部分が多くある)、どこまで参考になるかわからないのですが、興味のある方は、以下へどうぞ。

参考になったことがあったのであれば幸いです。

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