フォナックの新製品、オーデオM(マーベル)で感じるユーザーファースト
2019年6月6日に補聴器メーカーソノヴァジャパンにて、オーデオMという補聴器が発売になりました。
旧製品と比較すると、何もかもが変化してしまい、逆に変わっていないところを探す方が大変なのですが、補聴器自体、だんだんよくなってきている感覚を、個人的には、感じています。
この製品を体験して、私自身、強く感じたのは、徐々にユーザーファーストになりつつあるという部分です。
オーデオM(マーベル)で変わったところ
この製品は、上記のような耳にかけるタイプの製品で、RIC補聴器と呼ばれるタイプの補聴器です。
従来の補聴器と比較して、変わった部分ですが、
- 耳せんが変わったことで、よりソフトに
- 音の調整を変え、快適性をあげるように
- 音の抑制機能
- スマートフォンと連動できるように
- 補える聴力範囲が広く(より柔軟に)
これらがあります。
耳せんが変わったことで、よりソフトに
今まで、こんな形の耳せんだったのですが、
そこから、このように変化しました。
全体的に丸みを帯びるようになっており、さらに柔らかくなりました。そのため、耳に入った感覚がかなり、マイルドになりました。
今までは、明らかに耳の中に入れている感覚があるのですが、今回から、ようやくフワッと耳に触れるような感覚になり、かなり使いやすくなったなと、感じます。
耳せんの感触は、良いに越したことはありません。使う人によっては、一日中使用するものになりますので、感触がよければ良いほど、使いやすく、自然に使えるようになりますので、非常に重要です。
音の調整を変え、快適性をあげるように
今までのものは、このような状態になるのですが、
今回からは、このようになりました。※同じ聴力と仮定しています。
特徴としては、低い音の部分が減らされ、高い音も少し軽減するようにしています。低い音は、わかりやすいのですが、高い音は、目標改善は、そこまで変わらず、元々のスタートする音量が少なくなっています。
低い音の部分に関しては、よくノイズキャンセラー付のイヤホンなどに加工されるような音の抑制をしており、今までは、このような部分も増幅してきたのですが、マーベルからは、抑えるようになってきました。
高い音に関しても、2000Hz〜の部分は、初めからあげすぎると、補聴器から聞こえてくる音が、マイクを通したような感覚で聞こえてしまい、特に自分の声が変わって聞こえてしまうため、違和感を訴えることが多くなります。
もちろん、高い音に関しては、その部分を増幅することにより、気になる部分が出てきてしまう事も多い周波数というのもあるのですが、その部分を今までより抑えてきたということは、どちらかというと使用感を重視するようになったと、個人的には、見ています。
フォナックは、特に子供用の補聴器という部分からスタートしており、子供の場合、第一に考えるのは、しっかりと聴力(聴覚)を補う事です。
基本的に補聴器は、聞こえの効果と快適性の2つしかありません。しっかり補おうとすれば、それだけ、聞きやすくなる代わりに気になる音も増える、快適性を上げようとすれば、気になる音は少なくなる代わりに聞こえも下がりやすくなる。となり、どちらか一方を選ぶことになります。
そのフォナックが、ようやく使いやすくするために、改良した。というところは、注目をすべきところになりますね。
音の抑制機能が向上
そこまで詳しくないのですが、音の抑制機能、特に指向性と呼ばれる機能が向上し、騒がしい中でも、聞き取りをなるべく阻害されないように、声が周囲の音に邪魔されないようにしてくれるようになったようです。
この部分は、カタログ上で記載はあるのですが、正直、自分では、どう変化したかまで、よくわからない部分になります。
スマートフォンと連動できるように
フォナックの補聴器でも、ようやくiPhone、アンドロイドと補聴器が直接、通信するようになりました。
そのため、そのままiTunesの音楽を直接聞いたり、Youtubeをそのまま見たり、することができるようになりました。
補聴器を使用する人は、どうしても高齢者が多く、そこまでこの機能は、求められていないように感じますが、20〜40代の方々にとっては、できることが広がるため、かなり良いのではないかと思います。
なお、スマートフォンと連動すると、もれなく電話の音声も直接、補聴器に入るようになります。
スマホの電話は、音量が大きいため、どれだけ、この部分で需要があるのかわからないのですが、このような事もできるようになりました。
補える聴力範囲が広く
どの補聴器にも、基本的にどのくらいの難聴の方が使えるのか、どのくらいの聴力を補えるのかの、出力があります。
それがバリエーションが増え、より多くの人が補えるようになりました。
このようにバリエーションが増えると、仮により聴力が重くなり、聞きにくくなったとしても、補聴器を変える事なく、レシーバーという音が出る部品、そのものを変えるだけで、済みますので、自由度が増すようになります。
聴力は、下がらないに越したことはないのですが、仮に下がったとしても、そのままの機器で対応することが、より容易になりました。
これは、良い変更ですね。
私が感じたのは、ユーザーファースト
新製品のオーデオM(マーベル)で感じたのは、ようやくユーザーファーストになってきたな。という事です。
補聴器は、使い始めると長く使用することになりますので、使いやすい耳せんや耳にフワッとするような耳に入っている感触が少ない耳せんになると、それだけ、楽に快適に使えるようになります。
私自身は、生まれつき聞こえにくく、補聴器を使用している人間ですので、性能やできることも大切なのですが、使用感、使った感覚が自然で、使いやすいかの方が、目が行きがちです。
実際に使ってみるとわかるのですが、楽に使えたり、負担なく使えるものは、使っていて快適ですし、長く使っていても、疲れにくくなります。個人的には、その使いやすさこそが、一番重要だと思っています。
さらに音の調整に関しても同様で、今までは、ガッツリ補って行くような調整がメインでしたが、気になりやすいノイズになりやすい音を抑えて使いやすくし、初めの段階でも、使いやすさを重視しているのは、個人的には、賛成の動きです。
今現在の補聴器に関して重要なのは、どう改善すると良い部分まで補っていくかであり、補うと良い部分まで、改善できれば、それなりに改善できるようになります。
この業界では、リハビリと言ったりするのですが、その部分まで、いかにあげるか。が、重要ですので、初めの段階で使いやすくし、徐々に改善度をあげるやり方を行い、改善プロセスそのものが行いやすくなれば、これは、良いことです。
オーデオM(マーベル)で感じたのは、この部分です。色々と行えるようになった部分は、もちろん良いことなのですが、ユーザーファースト、ユーザーに優しくなることで、徐々に改善できる部分を増やしていけるような、補聴器になってきたな。と、感じました。
まとめ
2019年6月6日にでたオーデオM(マーベル)について、まとめてみました。
色々とできることが増え、よくなってきているのを私自身は、感じました。特に初めの段階から、使いやすくしようと変えてきていますので、私としては、良い変化だと感じています。
少し前に記載しましたが、今現在の課題としては、改善度も重要なのですが、それ以上に、まずは、改善すると良いところまで、どう改善させるか、導くかになります。
その改善がしやすくなってくれば、自ずと、聞きにくさの改善度も上がってきますので、この点は、非常に重要なところだと思います。
補聴器を使いやすくして、ユーザーに優しくする。それが、ユーザーファーストですが、そのような補聴器になってきたな。と個人的には、感じます。