生活改善の思考

聞こえが悪くなる事で、知っておきたいこと

深井 順一|パートナーズ補聴器

聞こえの改善や補聴器のことについては、【FAQ】聞こえの改善と補聴器のFAQへ。お客様の改善事例は、聞こえの改善成功事例へどうぞ。

さて、前回は、聴力低下に気をつけよう。という内容を記載したのですが、その際に大事になるポイントは、補聴器による聞こえの改善は、耳の状態が9割。という事でした。

聴力が低下するとするほど、基本的には、補聴器による聞こえの改善度は、下がってしまいます。

補聴器は、どのような耳も一律改善させるものではなく、実際には、症状が軽い方の方が改善しやすく、症状が重い方は、改善しづらい傾向があります。

ですので、できる限り、予防すること。聴力が低下しないような生活、予防というのを考えられると良い状況になります。

今回は、さらに深掘りして、悪くなることがどう耳、あるいは、生活に及ぼすのかという部分まで含めて、知っておきたいことをまとめていきます。

感音性難聴は耳を治せない

まず、聴力低下に関して知っておきたい事の初めに耳は治すことができない。という部分があります。

実際にはどの部分が悪くなったのかによって変わるのですが、補聴器を装用する方は、基本的に内耳と呼ばれる音を感じ取る神経の部分が悪化してしまい、音を理解する脳に音を届ける過程で、正しく音を届けられなかったり、受け取る部分で正しく音を受け取れなくなります。

すると脳の方でボヤッとした音の受け取り方になってしまい、はっきりしない。なんかよくわからないというような音の受け取り方をしてしまい、言葉がわからない、何を言っているのかわからない。となりがちです。

低下する3要素

この際、低下する要素というのは、

  • 聴力
  • 語音明瞭度
  • 音の聞き分け能力

の三つがあります。

厳密には、感音性難聴の場合、もっというと内耳と呼ばれる音を感じ取る神経が何らかの要因により、損傷した場合に起こるのが、この三つの部分の低下です。

聴力

聴力はこのブログだと一般的なものですね。

聴力検査で調べているのがこちらで、低い音、高い音がどれだけ聞こえているのか。まさに音だけの軸で見た場合のものがこの聴力です。

語音明瞭度(ごおんめいりょうど)

語音明瞭度?となる方もいるかと思いますが、こちらは、簡単に言いますと、言葉の聞き取りの能力になります。病院さんだと、語音弁別能といったりします。

上記の聴力が音の聞き取りを軸にしているのに対し、語音明瞭度は、言葉の聞き取りを軸にしています。

実は、聴力低下が大きくなると大きくなるほど、この語音明瞭度も下がる傾向があります。

もちろん、こちらも一度低下すると、聴力低下と同じく元に戻す方法がありません。

さらにこの数値が著しく低くなると補聴器を装用したとしても、元々の耳が言葉を聞き取る力がないため、残念ながら音声が聞きやすくなる感覚を得ることができません。

この部分は補聴器でも補えない部分ですので、今現在、下がるとどうすることもできない部分になります。

音の聞き分け能力

音の聞き分け能力、専門用語を使うと周波数分解能(むずかしいですね)と言います。

感音性難聴の厄介なところは、文字通り周波数の分解が非常に苦手になる事です。

これは簡単に言いますと、周波数の分解、分離ができず、一緒の塊として認知してしまうため、音がくっついてはっきりせず、モヤッとする感覚(伝わるかな?)になりやすい。ということです。

音声がモヤッとする感覚、はっきりしない感覚。騒がしい環境下にいくと、周りの雑音に音声が紛れて、よくわからなくなる感覚。これらは、この周波数分解能によるものです。

細かく周波数を分けて認知することができず、一つの塊として認知してしまうため、どうしても雑踏の中での会話、音声の理解というのが難しくなってしまいます。

この能力も聴力低下と共に低下します。内耳機能の損傷は、そもそも音を感じ取る器官の損傷になりますので、こんなことが起こるわけですね。

ですので、補聴器をつけている方の中には(私もですが)、静かな中であればよく聞こえるけれども、騒がしい環境下になると非常に聞き取りづらい。という事になります。

この能力が低下すると、周りの音と音声の分離ができないため、周囲が騒がしいと騒がしいほど、音声は聞きづらくなります。ですので、静かな中は聞きやすいけれども、騒がしい中では聞きづらいという状況が出てきます。

この力も基本、聴力が低下すると低下するほど、それに伴って低下する傾向があります。

耳の機能の低下は聴力だけではない

大事なのは、耳の機能の低下は実は聴力だけではないことです。

上記のように聴力以外にも耳にはいろいろな機能があります。それらの機能があって聞き取りというのはできていますので、実は、聴力以外の部分も多くあります。

そして残念ながら聴力を含むそれ以外の部分も一度低下すると、改善のしようがない状況です。

ですので予防することが大事になります。今現在、補聴器でできるのはせいぜい聴力を補うくらいです。

それでも限定的ですので、それ以外の要素が低下したら、もっとより生活に困る事になります。

ですので、できるのであれば予防する意識を持てると良いですね。私も正直、今以上に聞きにくくはなりたくはないので、36歳という微妙な年齢ですが、健康を意識するようになりました。

それは、これ以上、聞きにくくなり、困るのを避けるためです。健康を意識するのは大変なこともあるのですが、お互いより良くしていきましょう。

ABOUT ME
深井 順一|パートナーズ補聴器
深井 順一|パートナーズ補聴器
補聴器を使っている人が対応している補聴器専門店・代表
補聴器のお店には珍しい難聴の補聴器販売員です。生まれつきの難聴者で7歳の頃から補聴器を使っています。私自身にも聞こえや補聴器のことで困った経験があり、その事から、難聴の方がスムーズに日常生活を送れるよう聞こえの改善、補聴器のご相談をしています。
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