補聴器の基本・形状・調整

自分の聞こえ(聴力)を聴力検査以上に可視化する方法は?

深井 順一|パートナーズ補聴器

聞こえの改善や補聴器のことについては、【FAQ】聞こえの改善と補聴器のFAQへ。お客様の改善事例は、聞こえの改善成功事例へどうぞ。

聴力検査や聴力を調べてもらった時に各周波数、数値で出てくるのは、わかると思うのですが、その数値が、果たして、どのくらい聞きにくい状態なのか。は、ちょっと把握しづらい状態になります。

各音のレベルは、わかるのですが、自分がどのくらいの声の大きさで、どのくらい理解できているのか。は、なかなかわかりづらいですよね。

そんな時は、音場語音明瞭度測定。というものを使えば、ある程度ではありますが、自分自身の聞きにくさを可視化することができます。

音場語音明瞭度測定とは?

この測定は、基本的に補聴器の効果の有無を調べる際に使われる測定です。その一部である、補聴器なしの状態を調べる事で、現状をより把握しやすくなります。

この測定は、基本的に補聴器の効果の有無を調べる際に使われる測定です。その一部である、補聴器なしの状態を調べる事で、現状をより把握しやすくなります。

こちらは、主に補聴器を使用した状態と補聴器を使用しない状態で、どのくらい言葉の聞き取りに差が出るのか。を調べる際に使われる測定です。

それを補聴器を使用していない状態のみ調べる事で、現状を把握しやすくなります。

基本的にこちらでよく調べる数値は、

  • 70dB(少し大きい声の大きさ)
  • 60dB(普通くらいの声の大きさ)
  • 50dB(ちょっと小さい声の大きさ)
  • 40dB(小さい声の大きさ)

の4つで、これらの部分をそれぞれの大きさ別で調べると、今現在の耳の状況で、どのくらい聞きにくいのか。が、おおよそではありますが、把握する事ができます。

調べてみてわかる事

こんな感じの聴力を調べてみた。という例になります。さて、聴力だけで、どのくらい聞こえづらいか、わかりますでしょうか?

こんな感じの聴力を調べてみた。という例になります。さて、聴力だけで、どのくらい聞こえづらいか、わかりますでしょうか?

今回例として出していくのは、このような聴力の方だとします。

縦軸が正解数で、上にくるとくるほど、良い数値で、理解できている事になります。横軸が音の大きさで、どのくらい音を大きくしたか。を表します。△が調べた数値です。こんな感じで出してくれると、どの声がどのくらい理解できるかがわかって、わかりやすいですね。

縦軸が正解数で、上にくるとくるほど、良い数値で、理解できている事になります。横軸が音の大きさで、どのくらい音を大きくしたか。を表します。△が調べた数値です。こんな感じで出してくれると、どの声がどのくらい理解できるかがわかって、わかりやすいですね。

そして、音場語音明瞭度を実際に調べてみたところ。こんな感じだったとします。

70dBは、少し大きい声の大きさになりますので、その数値に関しては、90%。つまり声が大きい方、もしくは、わりかし大き目の方からのお話は、ほぼ普通に聞こえる状態。という事がわかります。

そして、60dBは、おおよそ普通の声の大きさになりますので、そこでは、60%。半分聞こえるか、聞こえないかレベルですね。60%の数値だと、半分わかるか、わからないかレベルですので、会話となると結構、難しくなります。

主語や述語のどちらかがわからなければ、話の内容がわかりづらくなりますので、結構、聞き取りに苦労する傾向があります。

50dBについては、少し声の小さい方の声の大きさ、そして、離れたところから話された時の声の大きさです。この数値は、15%ですので、ほんの少し正解はしていますが、ほぼ、何も聞こえていないと同意の数値です。

この場合、少し離れたところからの会話、呼びかけなどですね。そういったものは、ほとんど気が付いていない可能性が高く、かつ、声が小さい方の場合は、話の内容が全く、わからない。という状態になります。

そして、40dBは、声の小さい人の大きさです。そのレベルでは、0%ですので、声の小さい人の会話は、全く聞こえない状態になります。

この場合は、どんな聞こえ?

ここまでの内容をまとめてみますと、声が大きい場合(70dB)は、わかるけれども、普通の声の大きさレベルの対面では、少しわかりづらく(60dB)、さらに声が少し小さい(50dB)だけで、ほとんど何もわからなくなるレベル。という事がわかります。

そして、離れたところからの呼びかけなどには、ほとんど反応できない(50dB)ことから、相手を無意識的に無視してしまったり(呼ばれている事に気がつかない)、距離が離れたりすると、途端にわかりづらくなる傾向がでる。という事もわかりますね。

このように現状を把握できると、かなり近くでお話ししてもらう、声を大きくしてもらう。などの配慮がある場合は、そこまで聞こえづらさを感じないかもしれませんが、一般的に生活していたり、さらに仕事となると、かなり聞こえづらさを感じやすい状況である事がわかります。

会議などでは距離が離れやすいですし、声が小さい人がいる場合は、かなり聞きづらく(というかわからない)、それ以外のところでも、大きな支障が出ている事も大いに予想がつきます。

人とのやりとりがうまく行きづらい様子が見えるという事は、それだけ、聞こえづらい事により、悩んでいる可能性は、高くなりますので、このようなケースは、早々に聞こえを改善し、なるべく改善できるところは、改善してあげたほうが良いケースにもなります。

こんな方法で把握する方法もあります

あまりこちらで把握することは、ないのですが、たまに聴力だけでは、判断するのが難しいケースに関しては、こちらを使って、現状を把握するケースがあります。

なかなか聴力だけでは、わかりづらいところがありますので、こんな方法で把握する方法もあります。

難聴の欠点は、自分自身がどれだけ聞こえにくいのか。を自覚しにくい事です。音は、聞こえないと、他の方法で感じる事ができないので、それ以外の方法で確認する方法がないためですね。

特に離れたところからのお話や呼びかけは、呼ばれている事にすら気がつかない事があるため、なかなか自分がどれだけ聞こえづらいのかを自覚しづらくなります。

このような方法で確認できると、自分が離れたところからの呼びかけや会話などがどれだけ気がつきやすいのかも、おおよそではありますが、把握する事ができます。

と、こんな方法もありますよ。という紹介でした。

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深井 順一|パートナーズ補聴器
深井 順一|パートナーズ補聴器
補聴器を使っている人が対応している補聴器専門店・代表
補聴器のお店には珍しい難聴の補聴器販売員です。生まれつきの難聴者で7歳の頃から補聴器を使っています。補聴器の販売員としての知識、技術に加え、一人の難聴者が自分自身の聞こえを改善した知識、技術も組み合わせながら、聞こえの改善、補聴器のご相談をしています。
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