耳・補聴器のこと

2040年の未来予測を読んで感じる補聴器の未来は?

深井 順一|パートナーズ補聴器

聞こえの改善や補聴器のことについては、【FAQ】聞こえの改善と補聴器のFAQへ。お客様の改善事例は、聞こえの改善成功事例へどうぞ。

成毛眞さんの2040年の未来予測。という本に関して、書店に置いてあった事もあり、購入して読んでみました。

2040年というと、今から約20年後の世界ですが、果たして、そのような年になった際、補聴器というのは、どうなるのでしょうか。

不確定要素も多いのですが、この本を読んで感じたのは、だいぶ効率化され、より簡単に補聴器を得やすくなったり、補聴器屋さんの仕事の内容が変化する可能性が高い。という事です。

今現在と変わらない部分もありつつ、その中でも変わる部分もある。という事でしょうか。

読んで感じた事について、記載していきます。

読んだきっかけ

こちら記載する前に、まず、読んだきっかけについて記載していきます。

読んだきっかけは、今現在の補聴器の性能は、だいぶ良くなってきており、さらに、自動調整の部分、そこもだいぶよくなって来ていますので、正直、今現在の状態でも、腕の良い人ではないと、改善できないケース、というのは、だいぶ少なくなって来ているな。と感じた事です。

今現在、補聴器は、主にパソコンで調整をしており、聴力を入力すると、ある程度、自動で補聴器を調整してくれます。

これをファーストフィット。といったりするのですが、このファーストフィットの精度がかなり良くなっており(2021年の段階で)、昔は、そこから、補聴器を調整する人が、微調整して、より耳に合わせたり、少し変更したりしていました。

しかし、今現在、どちらかというと、もう機械の方が補聴器を調整する人より、精度が高い調整ができるようになっており、能力に関しては、機械>人間。というようにも感じます。

機械に任せれば、全て完璧にできるか。と言われると、そんな事は、ないのですが、ファーストフィットで、8割型完了し、さらに、少し気になる部分があれば、その微調整を現場の人が行なって、より良くして行く。

そのようになって来ているのは、事実です。

昔は、人>機械、だったのが、今は、機械>人になった。という事ですね。

もちろん、中には、難しい聴力の人はいますので、その場合は、一から考えて、聞こえを改善していったり、ある程度、いくつか異なる改善を試みながら、使えるポイントを探り、そして、よりベターな状態に持って行く技量が必要なケースは、ありますが、個人的に、年々それも、少なくなってきている様にも、感じます。

それだけ、補聴器の性能が飛躍した事と、補聴器の調整に関する技術が、各メーカー上がって来ている。と感じるんですね。

それを感じた時、私は「あ…、これ、私の仕事は、今後なくなるな」と感じました。

2040年の未来予想は?

さて、ここまでが、今現在の状況なのですが、では、2040年の未来予想は、どうなのでしょうか。

全てをかくとすごく長くなるので、補聴器に関係ありそうな内容だけ、まとめていきます。

医療技術は、AIのおかげで格段に進歩する

オンライン、オフラインに関わらず、2040年の診療現場で当たり前に活用されているのがAI(人工知能)だ。

医師が寝るのを惜しんでどんなに勉強したところで、知識量ではAIに勝てるわけがない。

また、医師は知識に加え長年の診療経験に基づいて病気の原因を特定するが、ひとりの医師が診療できる患者の数は決まっている。どんなに多い人でも一生かけても100万人にはなり得ない。一方、AIならば100万人どころか1000万人にもなりえるし、同世代の人間のデータを集めたり、過去の病歴を集めたりすることもできる。どちらの精度が高くなるかは一目瞭然だろう。

わかりやすい症例や典型的な敬意をたどる患者については、最新のデータに基づき、AIが素早くかつ見逃しなく診断してくれるはずだ。

2040年の未来予測 著者:成毛眞 P79

この本の中には、このように記載されています。

こちらは、医師の内容ですが、補聴器も似たようなものなので、応用できるかとは、思います。

ここは、単純により補聴器での聞こえの改善は、AIによってより良くなるし、より簡易的にできる可能性が上がる。ということですね。

上記にあげたファーストフィットは、AIによって、やっている部分ですので、今後、よりその精度は、上がっていく事は、容易に考えられます。

もしかしたら、未来の人間の医者は、今以上に経験が重要になるかもしれない。人間の医師は、前提などに不確定要素の多い患者の診療を中心に担うことになる。AIは不確定要素が多いと結論を出す事ができない。しかし、患者は診断の答えを期待する。医者には、知識に加え、事故の経験で判断する難しい役割が求められる。

ただ、誰もがそうした診断ができるわけではない。医者も二極化していくだろう。ひとつは、先ほどのAIが診断できない臨床を行なったり、新しい治療法を考えたりする医者。もうひとつは、AIが示した診断を患者に優しく説明したり、悩みに乗ったりする医者だ。

医者が何をすればいいのか、今よりずっと性格が変わってくるだろう。

2040年の未来予測 著者:成毛眞 P84

この本の中には、このように記載されており、この部分は、個人的にも納得できる感覚は、あります。

補聴器に関しては、まさに今現在、このようになっている事もあり、補聴器自体が改善を考えてくれて、あとは、患者さんやお客さんと一緒に、聞こえを改善していく。

その部分に関しては、一緒に支えながら、改善していくタイプとまだまだ改善が難しいケースに関して、より改善する方法を考える人。その部分は、分かれつつありますので、そこは、すでに感じるところですね。

補聴器の未来は、どうなるのか?

補聴器の未来は、どうなるのか。

こう書いた場合、補聴器屋さんの未来なのか、それとも、補聴器を購入する人の未来なのか、色々と分かれてしまうのですが、一応、両方とも含めて、書いていきます。

まず、補聴器を購入する。という行為に関しては、正直、わからない部分も多く、その理由は、法的なものと気軽に買えるようになったとしても、それで、改善できるのか。という問題ですね。

今現在の状況をまとめてみますと、色々なところで補聴器は、買えるようになって来ており、さらに、補聴器で聞こえを改善する際、そんなに技術がいらなくなれば、どこで購入しても、あまり変わらない状態になってくると考えられます。

※あくまでも理論上の話です。

ただ、問題となるのは、お客さんや患者さんが一人で使えるようになるのか。というところですね。

聴力などは、実は、スマーフォンのアプリで色々と出て来ており、そういったもので代替できると仮定し調整自体が良くても、補聴器を耳につけるとか、製品の使い方。効果的に使うための内容。そこがどうかですね。

ですので、恐らくですが、自分で全部できる人は、一人で完結するような世界になると思いますし、一人では難しい方は、今まで通り、専門的な人、もしくは、お店の人に聞きながら、改善する。という流れになるのかな。というのが、正直なところです。

例外は改善が難しいケースですね。自分の耳が改善が難しく、一人で完結するのが困難なケースは、今まで通り、専門的な人、お店の人に聞きながら、改善するような流れでしょうか。

法律的なものもどうなるのか、法整備がどうなるのかにもよりますが、できる人は、自分でどんどん改善していきますし、逆に難しい人は、人にやってもらう、人に支えてもらう。という事になりそうです。

いたって普通ですね。はい、すみません。

補聴器に携わっている方は、どうなるか。と、いいますと、それは、恐らく、上記の引用のような感じかな。と思います。

難しい聴力や聞こえを改善する事が得意な方は、臨床や難しい方へのより効果的な改善、もしくは、そういった方を中心に対応する。

それ以外の方は、AIが示した改善をそのまま患者さんやお客さんにお伝えし、一緒により聞こえを改善していく。

この2つに分かれそうです。この部分は、丸っきり、引用の部分と同じです。

自分で完結できるケースがどれだけ出てくるのかによりますが、今現在いる補聴器に関わる仕事をしている方は、今後、そんなに数はいらなく、AIが示した改善をそのまま患者さんにお伝えし、一緒に聞こえを改善していくような役割になりそうです。

この点は、需要の部分と供給の部分で、変わってくるので、何とも言えないのですが、可能性の一つとして、記載してみました。

まとめ

正直、2040年といっても全くピンと来ないのですが、個人的には、色々と大きく変わってくるように感じています。

大きな要素は、自分で改善できる人が増える。自己完結型が増える可能性がある。という事でしょうか。難聴の方でも、自分である程度できる人は、自分で改善する世界になるのかな。と感じます。

もちろん、そういった人がどれだけいるのか。は、未知数ですが、聞こえを改善する事が容易になってくれば、そういった世界になることは、十分に考えられます。

補聴器を作っているメーカーは、今まで通り、仕事は、あるかもしれませんが、販売店の人や補聴器に携わる仕事を考えている方は、身の振り方を考えた方が良いかもしれません。

とはいえ、未来は、予想してもだいたい外れるので、あくまでも参考程度にお願いします。

ただ、信憑性のある話があるのは、事実ですので、私も自分自身の身の振り方を考えましょうかね。

ABOUT ME
深井 順一|パートナーズ補聴器
深井 順一|パートナーズ補聴器
補聴器を使っている人が対応している補聴器専門店・代表
補聴器のお店には珍しい難聴の補聴器販売員です。生まれつきの難聴者で7歳の頃から補聴器を使っています。補聴器の販売員としての知識、技術に加え、一人の難聴者が自分自身の聞こえを改善した知識、技術も組み合わせながら、聞こえの改善、補聴器のご相談をしています。
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