難聴の方でも、幸せな人とは?
難聴の方でも幸せな方とそうではない方の違いは何か。私はずっと疑問を感じていました。
私自身もできれば幸せになりたいと思いますし、同じような聴力の方で、聞こえの改善度も同じくらいでも、一方は、すごく明るく生活されており、もう一方は、そうでないようなケースもあります。
そして、何よりも私自身、補聴器は難聴の方の生活を支える道具である。と考えており、一応、私の中では、補聴器を販売することを仕事にしているわけではなく、難聴の方の生活がよりよくなる事を仕事にしているつもりです。
初め私は、補聴器による聞こえの改善度がそのまま幸せにつながると考えていました。
聞こえの改善度が高くなればなるほど、不自由さが減る状態になりますので、その結果、幸せになれる。そういった考えです。
しかし、お客さんとお話ししたり、すごく明るく生活されている方を調べていくうちにいくつか共通点がある事に気づきました。
それは、大きく分けて二つあるのですが、
- ご自身が受け入れられているコミュニティを持っている事
- 運動する習慣を持っている事
の二つです。
実は聞こえの改善度よりも、これらがある方の方が明かに幸福度、幸せというのを感じている傾向を感じます。
今回は、こちらに関して、記載していきます。
ご自身が受け入れられているコミュニティを持っている事
明るく生活されている方、あるいは、自己肯定感が割と強く、しっかりと生活されている方には、このご自身が受け入れられているコミュニティ、自分自身がいて良いと感じるコミュニティを持っている方が多いです。
それは、人により、ご家庭だったり、職場の関係がそのようになっていたり、さらには、趣味が合う人が所属するコミュニティに参加していたりと様々です。
突き詰めると、良い人間関係を築けている。という事ですね。
気兼ねなく相談できる友人、知人。さらには、コミュニティがある方。そういった方は、大きく幸福度、あるいは、自己肯定感が強い傾向を感じています。
難聴になると、人とのお話がしづらくなってしまいますので、どうしても孤独になりがちです。それでも、こういった自分自身がそのままいていいと思えるコミュニティ、居心地が良いと感じるコミュニティがある方は、自然にふるまえているなと感じます。
これが1つ目になります。
運動する習慣を持っている事
二つ目は、こちら、運動する習慣を持っている事です。
気のせいの可能性があるのですが、自己肯定感、あるいは、明るく生活されている方に多く共通するのは、運動する習慣を持っている方です。
これは、毎日運動する習慣がある方もそうですし、スポーツ系の趣味を持っており、週に何度か運動する習慣を持っている方もそうです。
運動は脳や体、メンタルにとって、とても良いことがわかっていますので、ある意味、納得の内容なのですが、実際の感覚としても、運動する習慣がある方は、比較的、メンタルが安定しているように感じます。
これが二つ目です。
二つとも持っている方が意外と多い
実は、この二つ、二つともセットで持っている方が結構多いです。
運動する習慣があり、コミュニティも持っている。そういった方が割といたりします。
運動する習慣があるからメンタルが安定し、その結果、コミュニティや人と繋がること。こちらに関してあまり抵抗がないのかもしれないのですが、これは正直よくわかりません。
もし、コミュニティのみの方がいれば、さらに運動する習慣をつけられるとよりよくなると思いますし、運動する習慣のみ持っている方がいれば、趣味でも、ご自身に共通する要素やなんでも良いのでコミュニティを探せると、より良くなるのではないかと思います。
ちなにみテニスや水泳、球技など集団で活動するスポーツ系は、一つで全て当てはまることになりますので、そういった方は、総じて、明るい方、自己肯定感が強い傾向を感じますね。
TEDトーク、人生を幸せにするものは何?から学ぶこと
リンク:人生を幸せにするものは何? ロバート・ウォールディンガー
実は、これには元ネタがあります。それが、こちら。人生を幸せにするものは何?という内容のTEDトークになります。
あっさり内容をまとめますと「人生を幸せにするのも、人を健康にするのも、人間同士のつながりである」ということです。
以下、大事な内容に関して、引用してまとめていきます。
75年にわたる研究からはっきりとわかったことは、私達を健康かつ幸福にするのは、富でも名声でも無我夢中に働くことでもなく、良い人間関係に尽きるということです。
人間関係に関して、三つの大きな教訓がありました。
第一に周りとのつながりは健康に本当に良いという事。家族、友達、コミュニティとよく繋がっている人ほど幸せで、身体的に健康で、つながりの少ない人より長生きするということがわかりました。
第二に50歳で最も幸せな人間関係にいた人が80歳になっても一番健康だったということ。
第三に、良い人間関係は、身体の健康だけでなく脳も守ってくれるということ。
75年間にわたる研究で、定年退職後、一番幸せな人は、仕事仲間に変わる新しい仲間を自ら進んで作った人たちです。
この研究の参加者の多くは、彼らが青年期に入った時、名声や富や業績こそが良い生活をするのに必要なものだと本当に信じていましたが、75年もの我々の研究で繰り返し示されたのは、最も幸せに過ごしてきた人は、人間関係に頼った人々だ、という事でした。
それは家族や友達、コミュニティだったり、様々です。
人生を幸せにするものは何? ロバート・ウォールディンガー
私自身が興味があったのは、難聴の方はどのようにしたら幸せになれるのか。という事でした。
今現在、難聴は残念ながら治すことができません。治す事ができないということは、そのまま聞きにくさ、言い方を変えれば、障害やハンディキャップが残ったままになるということです。
音声や音が聞こえにくいことによるコミュニケーションの難しさ、人とのやりとりの難しさが出てきてしまうと、どうしても孤独になりやすく、そのような方も出やすくなってしまいます。
ですので、私自身としては、難聴の方はどのようにしたら幸せになれるのか。がずっと疑問として残っていました。
その時に見つけたのがこちらです。正直、目指していくものはわかったものの、じゃあどのようにしたらそういった事ができるのか。それはこれから考えていく部分になります。
一つ確かなのは、補聴器でできる部分はしっかりと改善し、あとは、運動する習慣、自分自身がいて居心地の良いコミュニティ、あるいは、自分が大切にしている友人、知人との関係を大切にしていく事でしょうか。
私もまだまだ答えを知っているわけではありません。しかし、一部、難聴の体でも明るく生活されている方、そして、元気に生活されている方もいるのも事実です。
そういった方から何か学べないか?と思い調べたのが今回の内容です。
ただ、こちらはあくまでも私自身が感じている事ですので、正直、正解かどうかはわかりません。あくまでもこういった傾向を感じる。という事ですね。
とはいえ、難聴の方も人ですので、共通する部分はあると思います。特に難聴になると人との繋がりが薄れてしまったり、切れてしまうケースが多くなりますので、余計にそう感じますね。