感音性難聴の事例

【50代・女性】突発性難聴、原因不明の感音性難聴の方、補聴器で改善

深井 順一|パートナーズ補聴器

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補聴器による聞こえの改善は、聞こえの改善と補聴器のFAQ、にまとめています。また、個々の症状(症例)ごとの改善は、お客様の聞こえの改善事例にまとめています。

こちらでは、当店で補聴器を購入され、その補聴器が買い替え時期にきたため、その買い替えのために改善した、際購入になった方に関して、ご紹介します。

今現在使っている補聴器に関して、使えなくなったり、不備を感じることは今のところ、ないようなのですが、補聴器の年数が結構経過してきたことから、今現在の補聴器が使えるうちに買い替えたいとの希望でした。

そのことから改めて新しい補聴器で聞こえを改善し、より良くしていきました。どのようにして良くしていったのか、その点について記載していきます。

お客様の状況

まず、お客様の状況ですが、

  • 名前:M・K 様
  • 症状:突発性難聴、原因不明の感音性難聴
  • 聴力:両耳とも軽・中等度の難聴
  • 機器:耳あな形補聴器、ITCタイプ、両耳使用

となります。

聴力については、このような状態です。両方とも同じような聴力なのですが、ただ症状は、左右で異なり、左側は突発性難聴により、聞きにくく、右側は原因不明の感音性難聴という状況でした。

その後、お店の方で対応させていただき、補聴器で聞こえを改善していったのですが、その際は、耳あな形補聴器のITCというタイプで改善をしています。

耳あな形のITCタイプとは、このような形の補聴器です。

その補聴器に関しては、不満が強く残っているなどはなく、補聴器による聞こえの改善は、改善されない部分も感じつつも、改善される部分も感じていて、うまく活用されている方でした。

一日の使用時間が、14時間ほどということで、だいぶ日々補聴器を使って生活しており、補聴器の年数が5〜6年ほど経過してきたこと、そして、より聞こえの改善ができるのであれば、良いものがあるのであれば、買い替えたいということで、ご来店となります。

ということで、ここからM・Kさんの状況をより良くしていくことになります。

聞こえの改善案

さて、ここから、聞こえの改善案になります。といっても、M・Kさんの場合は、今現在の状況としては良い傾向にありますので、良いところはそのまま残しつつ、悪いところ、あるいは新製品になってより良くできるところをもっと伸ばす、これだけになります。

基本的に補聴器による聞こえの改善で、聞こえの改善効果に影響を与えやすいのは、耳の補い方(どの耳につけるのか)と補聴器の調整の2つです。

補聴器の形とか、補聴器の性能とか気になる方はいるかと思うのですが、特に補聴器の性能は、改善のサポートに影響するものであり、聞こえの改善の根幹ではありません。

ですので、聞こえの改善に関して押さえられると良いところを押さえた上で、補聴器の性能に関しては、投資できるとより良くできたりします。順序が大事になりますので、その点が重要ですね。

ということで、それぞれの部分に関して、記載していきます。

耳の補い方

耳の補い方というとわかりづらいのですが、簡単にいうと、どの耳に補聴器をつけるのか、になります。左側、右側、両方の耳、あるいは、特殊な補聴器をつける、こういったどの耳に補聴器をつけるのかを耳の補い方とこのブログでは称しています。

M・Kさんの場合は、初めから両方の耳に補聴器を使用しており、両耳とも補聴器の適性、補聴器があると聞こえが良くなる方になります。ですので、ここは、引き続き、両方の耳に補聴器をつけて、なるべく聞こえの改善ができるようにしていきます。

一応、両方の耳に補聴器があると良い理由で良く使われるのは、片方だけだと、騒がしい環境で聞きづらくなる。というものです。

ここは確かにその通りなのですが、それ以上に問題になるのは、つけていない耳側は、そのまま聞こえづらいままになり、そちら側からの音、音声は聞きづらいままになります。

意外にも片方だけ補聴器をつければ、つけていない側からの音や声も聞こえそうなイメージがあります。しかし、片方だけだとつけていない側からの音や音声は思っている以上に聞こえていません。

音は聞こえないと聞こえていないことに気づかない。音は、目に見えるものでもなければ匂いがするわけでもないため、聞こえていないと聞こえていないことに気がつかないということが起こります。

すると、人との関係の中で、呼ばれていることに気がつかないとか、話されてもわからないとか、そういったことが起こりやすくなります。

中には、片方の耳が補聴器に合わない、適合しないケースもありますので、どのような耳の状況でも両方につけるのが良いわけではありません。しかし、その耳側が改善できるのであれば、その耳側も改善したほうが良いです。

そうした方が結局、人間関係に関しては、良くなりやすく、人との関係が良くなりやすくなれば、それだけ生活の質が上がりやすくなり、かつトラブルも少なくなってきます。

聞こえの改善状況の向上

補聴器による性能が上がるとは、抑制機能が上がることだけではなく、単純に改善値そのものが上がりやすくなる。というのも今現在はあります。

どのように表現するとわかりやすいのか、表現が難しいのですが、補聴器の世界には、補聴器を使った状態で、どのぐらい聞こえの改善ができているのか、可視化するツールがあります。

こちらで表現すると今現在の補聴器は、このような状態ですね。M・Kさんの聴力的にいうと、だいたい、35Bぐらいは、改善できると良いぐらいになるのですが、そこからすると一歩足りない感覚です。以前は、足りていたのですが、徐々に下がってきてしまったようです。

聴力的に改善できると良い数値。そこからすると少し低い状態。

ここに関しては、新しい補聴器であれば、35dB〜よければ30dBぐらいまで改善できると良く、もしそこまで音を入れても、うるさすぎて使えないとか、そういったことがなければ大丈夫です。

実際には、改善値と体感(補聴器を使った感覚)を比べて、使える範囲内で、数値が良い状態を目指していくのですが、より改善できるのであれば改善していけると良い状況ですね。

補聴器による聞こえの改善状況は、補聴器の調整によって決まることが多いです。ですので、数値はよければ良いほど聞こえやすいことを意味するのですが、聞こえやすいということは、同時にうるさく感じやすいということでもあります。

なので、実際には、聞こえの改善値と体感を比べながら、使える範囲内で、良い状態を目指していくということになります。

実際の改善

さて、ここから実際の改善になります。ご相談の際は、今までありがたいことによく相談していたこともあり、買い替えのご連絡があった時にどのようにしていこうか、について相談していきました。

今まで補聴器を使っていて、気になること、そこに関しては、ほぼなく、まぁ強いていうなら、形状がもう少し、小さいとよく、さらにより困らないようにできるのであれば(聞こえが改善できるのであれば)それが良いということでした。

耳あな形のITCタイプとは、このような形の補聴器です。

補聴器の形状に関しては、今まで使っていたものは、このような補聴器です。耳あな形補聴器のITCタイプというものです。標準サイズの耳あな形補聴器で、昔の耳あな形補聴器といえば、この形です。

このタイプの良いところは、自由に音量調整ができること、そして、しっかり入ることで、保持がされやすいこと(耳にしっかり固定できる)にあります。

ただ、実際に5〜6年使ってみて感じたのは、自由に音量調整できるといっても慣れてくると調整の頻度はかなり少なくなること、さらにそんなに耳から外れるとか、無くすとか、そういったものは、ないことでした。

初めての場合は、どうしてもこういったものだと耳から外れるんじゃないかとか、つけている間に耳からポロッと取れるんじゃないか、など感じますが、使っていくうちにそんなことはないということに気づきます。

そういったことから、今回は、CIC補聴器にすることになりました。CIC補聴器は、より小型の補聴器で、

こういった聴力の場合、低い音の部分の聞こえが良いため、なるべくご自身の声の不快感、それを軽減できると良いのですが、CIC補聴器は、耳あな形補聴器の中では、まだ軽減しやすいタイプの補聴器です。

ですので、こういったもので、より使いやすくし、中の機能を新しくして、より改善していくことになります。

補聴器の調整と聞こえの改善

さて、お話をして、実際にその補聴器を作って、聞こえを改善していきます。とはいえ、このお店の場合、本当にその補聴器で良いのかどうか、使い勝手など問題ないかどうか確認するために実際に作って、試聴して、ご自身で確認できるようにしています。

今までのものの改善値。

で、今までの補聴器による聞こえの改善は、このような状況でした。欲を言えば、もう少し改善したいところがあり、少し低い状態です。

新しいものでの改善値。以前のものより、一回り改善状況が良くなった。

そこから新しい補聴器にしては、このような状態になりました。こちらは最終的な数値になります。

補聴器をつけた状態で、聞こえる音の感覚、そして、どのぐらいまで改善できると良いかの部分の共有、そこを繰り返し、使える範囲内で、かつ聞こえが良くなる部分を目指していきました。

その結果、ある程度、良い状態にまで持っていくことができました。

補聴器を変え、形状が小さくなったことにより、使いやすさはだいぶ上がったようです。

つけた感覚が楽になり、さらに聞こえの状態としては良くなった、とのことで、改善に貢献できたのであれば、こちらとしては、幸いです。

お客様の声

実際に対応させていただいたお客様の声については、以下の通りです。

50代、女性。原因不明の難聴、突発性難聴により聞こえにくくなった方、CIC補聴器(耳あな形補聴器)にて、改善。

いつも当店をご贔屓いただき、こちらこそありがとうございます。また、このお店で対応させていただいたことで、M・Kさんに貢献できたことがあったのであれば本当に何よりです。

今回、今までの補聴器を使っていて、年数が経過してきたことから買い替えの相談をさせていただきましたが、ここ最近、基本となる聞こえの改善度の上昇が昔の補聴器よりできるようになってきましたので、その良くなったところを活かしつつ、改善させていただきました。

その結果、より貢献できたことがあれば、本当に何よりだと考えています。そして、信用いただき、お互いにとって良い相談ができたこと、ここが一番良かったことですね。

こちらこそ、今後ともよろしくお願いいたします。補聴器のメンテナンス等もありますので、今後も生活を支えられるよう、対応させていただければと考えています。

まとめ

さて、今回は、軽・中等度の難聴の方の改善事例になります。

軽・中等度の難聴の方の場合、大事になるのは、上記の改善案のところの通り、耳の補い方と補聴器の調整、の2つになります。

補聴による聞こえの改善効果は、この部分によって決まることが多く、そこのところをなるべく良い状態にできると、それだけ聞こえの改善には貢献しやすくなります。

聞こえの改善に貢献しやすくなるということは、それだけ聞こえにくさを減らすことに繋がり、生活そのものも良くなりやすいということでもあります。ですので押さえると良いところは、ここですね。

補聴器の世界に入ってまもない方だと補聴器の性能がいいものがいい。というような認識があるかもしれませんが、補聴器の性能は、改善をサポートするものであり、聞こえの改善の根幹ではありません。

ですので、良くしたい場合は、まずは根幹の部分を押さえましょう。そして、押さえた上でお金がある方、より良くしていきたい方は、その分を性能に回せると良いです。

また、今回、再購入になりますが、再購入の場合に大事になってくるのは、今現在、使っている補聴器が使えるうちに新しいものを考えることです。というのも今現在の補聴器が使えるうちに新しいものを買えると、今現在使っているものを予備として残すことができます。

補聴器に慣れてくると補聴器はなくてはならないものになります。聞こえにくくなってくるとかなり不安を感じるようになりますので、できれば、今現在、使っている補聴器が使えるうちに新しいものに変え、何かあったときに使えるように予備として残しておけると良いです。

M・Kさんに関してもそのようにしており、何かあった時に予備があるという安心感は、特に補聴器が必需品になっている方には、とても大事なことですね。

最後にお伝えしたいのは、補聴器による聞こえの改善には、正解はありません。ですので、一番大切なことは、補聴器の調整をする人、補聴器を使う方がお互いに相談し合うこと、コミュニケーションをとることです。

そもそも耳の状況というのは、人によって異なり、さらにその方の生活環境も、どのような状態になれば良いと感じるのかの感性も人によって異なります。ですので、こちらは、その一例であり、正解ではありません。正解というのは、お互いに相談しあって作り上げていくものです。

補聴器で大事なことは、きちんとお互いにコミュニケーションをして、良い状態にしていくこと。ここしかありません。M・Kさんに関しては、私に関して、信用してくださり、そこは、本当に感謝しています。その相談ができたことが一番の良いところです。

こういった信用からこの改善はできたと思っておりますので、やはりそのようなコミュニケーションをきちんとすること、お話しすること、そこが大事かなと感じています。

ということで、以上、軽・中等度難聴の方における改善事例でした。

ABOUT ME
深井 順一|パートナーズ補聴器
深井 順一|パートナーズ補聴器
補聴器を使っている人が対応している補聴器専門店・代表
1986年7月1日生まれ。生まれつきの難聴者で小学2年生の頃から補聴器を使っています。専門分野は、感音性難聴と老人性難聴で、私自身が補聴器を使っている当事者であることを活かして、お困りの方に貢献できるようお店作りをしています。
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