耳・補聴器のこと

一番、悪かったのは、相手と自分にとって良いコミュニケーション方法を考えなかった自分だと気づいた話

深井 順一|パートナーズ補聴器

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引き続き、7つの習慣のお話しになるのですが、この本の中の知識は、様々な事を教えてくれます。

少なくとも、私自身は、今まで読んできた本の中で、トップクラスにすごい本だと感じています。

この内容は、難聴の方にも応用できるものが多く、実際に自分自身は、それを強く感じました。その一つが、前回、紹介させていただいたwin-winを考える。という部分ですね。

実は、先日の続きがあるのですが、この本を読んで感じた一番の衝撃は、タイトル通り、一番悪かったのは、相手と自分にとって良いコミュニケーションを考えてこなかった自分自身である。これに気づいた事です。

win-winの状態を目指すには、相手と自分、どちらにとっても良い状態を目指していかなければならないのですが、今までの自分の対応は、とても自分本意だったなぁ…と、強く反省させられました。

今回は、それについて、お話していきます。

今までの対応方法

今までの対応方法に関しては、相手の方に耳の事を伝える。こちらのみでした。

幸いにも、私の場合、生まれつき聞こえにくいので、耳の事を伝えるのには、そんなに抵抗はなく、生まれつき聞こえにくい状態だったからこそ、その状態が当たり前に感じていました。

そのことから、子供の頃から、周囲に聞こえにくい事は、伝えていましたし、高校生になって、遊ぶ金、欲しさにアルバイトをする訳ですが、そのアルバイトの面接の際も、必ず、耳の事を伝えていました。

一番初めは、ただ耳の事を伝えており、「聞こえにくいので、わからないことがあります。ただ、無視している訳ではありません」というようなちょっと一言、伝えている状態ですね。

面接の際に色々とやりとりし、会話ができている事から「そうなんだ」程度にしか、認識されなかったと思いますが、予め、伝えていたのは、誰も耳なんて見ていないですし、そもそも難聴は、目で見て見えるものではないため、言わなかった事で、のちにトラブルが起こるのを避けたかったためです。

そして、それと同時に、意図していないとはいえ、せっかく話してくれているのに無視してしまっては、申し訳ない。とも考えていました。

誰だって無視されれば悲しいですし、「あれ?私、避けられてる?」という風に感じる感情は、そんなに良いものではありません。

そういった感情を相手に感じさせたくない(というか感じさせる必要がない)。という部分も含めて、伝えていたところは、あります。

とはいえ、バリバリ伝える訳ではなく、どうしても伝えるのは、本当の意味での身近な人だけには、なってしまったのですが、せめて、身近な人にだけは、伝えていました。

しばらくは、そのような伝え方でやっていたのですが、ふと「それだけだと、相手がどう伝えれば良いか、わからないよな?」と思うようになり、そこから

「耳が聞こえにくいので、補聴器をつけているのですが、あまりにも離れていたりすると、わからないことがあります。このくらいの距離なら、ある程度、わかります」

というように、聞きにくい場合は、自分から、近づいて話すようにしたり、聞こえていなかったら、すみません。という事を伝えるようにしていました。

これが、7つの習慣を読む前の、私の考えです。

これだけでは足りなかった

7つの習慣を読んだ後は、これだけでは、足りなかったんだ。という事を思い知らされました。

というのも、これは、自分自身だけがよくなる事を考えているためです。

7つの習慣の中のwin-winの章では、相手との関係は、

  • win-win(自分も勝ち、相手も勝つ)
  • win-lose(自分が勝ち、相手は負ける)
  • lose-win(自分が負け、相手は勝つ)
  • lose-lose(自分も相手も負ける)

の4つの分類に分かれると記載があります。

先ほどの、言葉だけ、伝える。という事は、正直、どれに入るかわかりませんが、少なくとも目指すべき、win-winではない事は、わかりました。

なぜなら、先ほどの言葉というのは、自分自身が誤解されないようにするための言葉であり、相手と自分にとって、最も良いコミュニケーション方法を考えていくことが、本当のwin-winだからです。

思い返してみれば、有難い限りで、理解を示してくれた一部の方がいますが、その方々には、自分の耳の事だけを伝えていました。

まさに上記の通り、聞こえにくいので、わからないことがあるけど、このくらいの距離で、話してもらえればわかるよ。と、そのまま伝えていた訳ですね。

ここで、痛感したのは、それがお互いにとって良いコミュニケーション方法だったのか。を考えなかった事です。

もしかしたら、もっと別のやり方があったのかもしれない。別のやり方の方がよかったのかもしれない。

結果的に、私の場合、幸いにも補聴器を使えば、まだわかることが多いので、相手と自分、どちらにとっても、良い様にするのは、重い難聴の方より、楽ではありますが、手段(方法、やり方)を見るのではなくて、必ず、目的の部分。

この場合は、お互いにとって良いコミュニケーション方法を築く。考える。という目的の部分に沿って、ちゃんと物事を考えているのか。という部分が大事なんだ。という事に気がつきました。

ここで初めて、自分自身が「やらかした…」事に気がつく訳です。

もちろん、私もまだまだ、聞きにくいところはありますし、その様な環境では、どの様なコミュニケーションを確立すれば良いのか。または、理解しやすい環境を作れるのか。

こちらについては、考えていかなければならないところは、多いのですが、その考え方の根幹となる部分を知れたのは、非常に大きな収穫になります。

大事なのは、相手にとっても自分にとっても良いコミュニケーション方法を考える事

この本を通じて、最も勉強になったのは、相手にとっても、自分にとっても、良いコミュニケーション方法を考えていく事。こちらである事がわかりました。

その方法には、自分から近づいて、自分が聞きやすい距離で話す。でもそうですし、レストランなどの環境であれば、騒がしいファミレスは、避け、落ち着ける雰囲気の食事処で、食事をする。でも、そうですね。

伝える勇気を持ち、相手とちゃんと対話する必要があるため、一筋縄ではいかないのは、事実ですが、それしか、個人的にも、改善方法は、ないように思います。

もちろん、これは、今現在の私の考え方ですので、もしかしたら、数年後には、変わっているかも知れませんが、本当の意味で、しっかりと相手との関係を考えていくのであれば、確かにこの本の通りだと思います。

どうしても、できる事とできない事がありますので、そのできる範囲で、相手との協力関係を作っていく。そのための考えが入っており、私自身は、非常に勉強になりました。

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深井 順一|パートナーズ補聴器
深井 順一|パートナーズ補聴器
補聴器を使っている人が対応している補聴器専門店・代表
補聴器のお店には珍しい難聴の補聴器販売員です。生まれつきの難聴者で7歳の頃から補聴器を使っています。補聴器の販売員としての知識、技術に加え、一人の難聴者が自分自身の聞こえを改善した知識、技術も組み合わせながら、聞こえの改善、補聴器のご相談をしています。
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