仕事・働く

働く際、耳の事は、伝えるべきか、伝えないようにするか

深井 順一|パートナーズ補聴器

聞こえの改善や補聴器のことについては、【FAQ】聞こえの改善と補聴器のFAQへ。お客様の改善事例は、聞こえの改善成功事例へどうぞ。

たまにお客さんから質問される事の一つに、働く際、アルバイトやパート。あるいは、就職の際に耳の事は、伝えるべきか、伝えないようにするか。こちらがあります。

こちらに関する私の答えは、「耳の事は、伝える。ただし、伝え方は、気をつける」になります。

その理由は、耳の事を隠していると、伝えるタイミングを見失い、さらに耳について、理解を示さないところで働くのは、だいぶきついからです。

こちらでは、伝える理由と伝え方について、記載していきます。

理解を示さないところで働く事のきつさ

冒頭で全て答えを書いてしまったのですが、私の答えは、耳の事は、伝える事です。

おそらく、耳の事を伝えることに迷っている方の要因は、耳の事を伝えたら、採用されないんじゃないか。という不安からくるものだと思います。

この点については、耳の事を伝えることにより、不採用になる可能性がある。という点は、否定するつもりはありません。実際に恐らく、そのことで、採用を見送る会社、人事もあるでしょう。

ただ、実際に私自身がこれまで働いてきた経験からお話しすると、伝えない事の方がデメリットが大きく感じます。

その代表格は、

  • 理解を示さない所で働くのは、かなりきつい
  • 伝えずに入ると耳の事を伝えるタイミングを逃しやすい

の2つです。

理解を示さない所で働くのは、かなりきつい

私の場合は、耳の事について、アルバイトの際から、就職の際まで、全ての企業で言ってきました。

その経験からしてですが、ある程度、耳の状況に関して、理解を得られている時、周囲、あるいは、上司の人にある程度、理解が得られている時は、比較的、働きやすいのですが、理解が得られなくなった時に、だいぶきつくなる。という経験をしています。

一番初めは、何もわからず、飲食店にアルバイトで入ったのですが、その際は、面接の際に耳の事を伝え、店長の方も、それなりに理解をしてくれました。

そのおかげかだいぶ働きやすく、私としては、非常に良かったです。

しかし、アルバイトで入ったところは、一定周期で店長が変わり、理解を示してくれた店長の方がいなくなった際に次の店長には、あまり理解を得る事ができず、かなりきつくなり、結果的に辞める事になります。

このような経験を私の場合は、何度かしており、その事から、理解を示されない所で働くのは、かなりきつい。という事を体感的に感じています。

もちろん、飲食店。という騒がしい中での仕事は、補聴器を装用していても、聞きにくいことも多いので、その聞きにくさも相まって、だいぶキツかった記憶があります。

逆にそれを高校生の時に経験でき「こういった所では働かないでおこう」という思考になったので、それは、それで良かったのですが、その時の経験としては、理解が得られない所は、だいぶきつい。あるいは、そういった所で働くのは、逆にマイナスになる。という事を学びました。

耳の事を伝える。というとそれが原因で落とされそうなイメージですが、私は逆にそれを利用して、入っても大丈夫そうか。の判断基準にする方が良いと思っています。

それぐらい、理解を示されない所で働くのは、きついからです。

伝えずに入ると耳の事を伝えるタイミングを逃しやすい

伝えずに入った場合、厄介なのが、耳の事を伝えるタイミングを逃しやすい。という事です。

場合によっては、耳の事を伝える事ができない。という風に言い換える事もできます。

耳の事を伝えずに入った場合、伝えた際に「え?そんな事、入る際に言ってたっけ?」と言われる可能性があり、最悪のケースだと「入る際になんで言わなかったんだ」とまで、言われてしまったら、本当の意味で、最悪です。

なかなか自分の悪いところを伝える。ということは、できないことですが、どんな所でも結局、人間関係ですので、後々、そんな風になると、とても大変な事になります。

なお、私の場合は、こんな風に言われるのは、嫌だったので、耳の事は、初めに言っておく。という事をしていました。

耳の伝え方

では、どんな風に耳の事は、伝えられると良いのか。それは、耳の事を伝える際は、ちゃんとできる事はしている事を伝える事です。

例えば私の場合は、「生まれつき耳が聞こえにくいので、補聴器をつけています。あまりにも離れたりすると、聞こえない時がありますが、その際は、少し近づいて話してくれれば、わかります」や

「生まれつき耳が聞こえにくいので、補聴器をつけています。補聴器で改善し、このようにやりとりできるようにしています」とかですね。

大事なのは、耳が聞こえにくい。という言葉で終わらせるのではなく、耳が聞こえにくいので”補聴器で聞こえを改善しています”という事を伝える事です。

聞こえにくいままにしているのではなく、実際に聞こえを改善しているのであれば、ちゃんと補聴器をつけて、聞こえを改善しています。というところまで、ちゃんと伝える事です。

たまに生まれつき耳が悪いので、聞こえにくいです。の言葉だけで終わらせる方がいるのですが、これだけだと、耳が聞こえにくい状態をそのまま放置しているように聞こえるので、絶対にやめてください。

耳が聞こえにくいのは、事実ですが、その状態を補聴器でなるべく改善しているのも事実です。ですので、ちゃんと今現在の状態を伝えるようにするのが大事です。

聞こえにくいまま。ではなく、その状態を改善しています。というところまで、伝えられると、耳の事を伝える恐怖は、徐々に和らいでくると思います。

相手側に「聞こえにくさはあるかもしれないけど、ちゃんとできる所は、しているんだな」と感じられるようにするのが大事です。

なお、できれば、聞きにくかった際のために「あまりにも離れてしまうとわからない時があるので、その場合は、少し近づいて、話してくれればわかります」とか、伝えられるとより良いですね。

まとめ

耳の事を伝えるのか、伝えないのか。というところについて、記載してみました。

私は、耳の事を伝える派になります。と言いますか、伝えた上で入らないとかなりきつい未来が待っていますので、そんな経験をするぐらいなら、入りたくない。とすら思う人間です。

耳の事による制限はありますが、ただ、全ての可能性がなくなった訳ではありませんし、中には、理解を示してくれる方もいます。

大事なのは、ちゃんとコミュニケーションが取れるようになる事です。

聞こえている人でも、まともにコミュニケーションできていない人はいますので、聞こえにくいというハンデはあるにしても、人とコミュニケーショを取れる能力を鍛えていけると個人的には、良いのかな。と思います。

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深井 順一|パートナーズ補聴器
深井 順一|パートナーズ補聴器
補聴器を使っている人が対応している補聴器専門店・代表
補聴器のお店には珍しい難聴の補聴器販売員です。生まれつきの難聴者で7歳の頃から補聴器を使っています。補聴器の販売員としての知識、技術に加え、一人の難聴者が自分自身の聞こえを改善した知識、技術も組み合わせながら、聞こえの改善、補聴器のご相談をしています。
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