耳の聞こえは補聴器+αで考える時代の到来
スマートフォンの普及により、現在様々な分野が大きく動こうとしています。それは、難聴者の世界も例外ではありません。
現在、スマートフォンによるアプリで、電話の音声テキスト化アプリ、グループ会話をテキスト化するアプリが開発されつつあります。これらが普及されれば、より難聴者の世界も豊かになるのではないか、そんな風に思います。
今、難聴者の生活が変わり始めている……私は、そんな気がします。
今回は、今起こりつつある事と今後どのように変化していくのかを考えていきます。
なお、こちらのエントリーをごらんになっておくと理解しやすくなります。
リンク:音声をリアルタイムで翻訳するCaptioning on Glass
リンク:電話の音声をテキスト化するアプリRoger Voice、その可能性は
スマートフォンの普及
冒頭の通り、現在スマートフォンを利用したアプリ開発が流行っています。冒頭のアプリに加え、Captioning on Glass(Google Glassを使用した音声テキスト化アプリ)も同様です。スマートフォンが多く普及されたこと、アプリ開発が容易になったこと、補聴器では全てを補うことができないこと、これらの要因により、開発が進められていると考えられます。
スマートフォンを製作している会社は多く、代表的なのは、iPhoneを作るapple、Androidを作るGoogleです(厳密には、Googleはソフトウェアを作っている会社で、スマートフォンそのものは作っていません)。特にGoogleは、どんな人でも身近に検索できるような体制にしたいと考え、100ドル以下のスマートフォンを製作したり、世界中でインターネットを使用できるようアクセスポイントを拡大するような試みもされています。
アプリは、スマートフォンを持っていることが前提になります。しかし、徐々に価格が安くなってきており、購入するハードルは、日に日に低くなってきました。
アプリの持つ可能性
電話音声テキスト化アプリ、グループ会話音声テキスト化アプリ、Captioning on Glass、これらは、まだ始まったばかりではありますが、非常に大きな可能性を持っています。
電話音声テキスト化アプリは、全ての音声をテキスト化することができます。例えば、電話で会話しづらいと思えば、こちらを使用すれば良いだけになります。また、電話でなくともインターネット電話であるskypeを使用する際にも使用できれば、音声を聞きつつ、わからなかったところは、目で追って理解することもできるようになります。現にこのアプリは、スマートフォンを初め、タブレット、PCに対応させようとしています。当然、この点も狙っているでしょう。
グループ会話音声テキスト化アプリは、全ての人がスマートフォンを持っていることが条件という少しハードルが高くなっていますが、より会話が理解しやすくなるツールとして使用できるかもしれません。このアプリは、まだまだ研究が必要なアプリではありますが、補聴器で解決しにくいグループ会話を改善する大きな可能性を持っています。
Captioning on Glassは、リアルタイムに会話を翻訳し、メガネに写してくれます。それを見つつ会話ができるようになれば、非常にわかりやすくなるでしょう。
これら単体では、まだまだ頼りないかもしれません。しかし、補聴器と組み合わせることで、補聴器のみより、確実に良くなるのではないかと考えています。
難聴者は、言葉を理解したいだけであり、音で言葉を理解したいとは考えていません。個人的には、言葉が理解できるものなら何でも良いように思っています。そして言葉を理解する方法は、何も音だけではありません。
普及後の未来
これらのアプリが普及した未来は、どのようになっているのでしょうか。恐らく誰もが補聴器+αで、「こんなアプリも併用して理解しているよ」というような未来が来ているのではないか、そのように思います。現在は、上記ものが注目されていますが、これが更に洗礼され、よりよいアプリも出てくる可能性もあります。
補聴器単体で、聞きづらい場所は、補聴器+αで補い、補聴器のみで良い場合は、補聴器のみ。さらに補聴器ではなく、もっと別のもので補った方が理解するのに優れているなら、それでも良いでしょう。このような使い分けをする時代になりそうです。
こちらを読んでいる方の中には、「うわ……面倒だな……」と思う方もいるかもしれません。個人的には、面倒に感じるのは、初めだけだと考えています。慣れてくれば、使い分けした方がより、会話を楽しめますし、楽しい時間を過ごせます。また、時が経過するにつれ、様々な機能が一体化したもの、あるいは状況によって変えてくれるものがでてくるとも思っています。
これからのアプリ開発にも注目です。
あとがき
アプリ開発が進む現状を見て、思ったことを記載してみました。
アプリの開発により、今まで補聴器では理解が難しかったところにようやく希望の光が見えてきました。現在、数多く存在する感音性難聴は、耳の神経の機能障害により、言葉を聞き取るのが難しいとされています。音ではなく、視覚で補うというプロセスではありますが、感音性難聴の特徴を見るとそれしかないようにも思います。
これらのものが開発され、普及されれば、今後、一層補聴器+αという考えが進んでくるでしょう。
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