クロス補聴器で改善すると良い耳、補聴器で改善すると良い耳

深井 順一|パートナーズ補聴器

片方のみ難聴の方の場合、クロス補聴器で改善する方法と補聴器を使って改善する方法の2つがあります。

中には、迷われる方もいるかもしれませんが、基本的にクロス補聴器が使われるケースは、難聴になった耳側が補聴器では補えないケースになります。

というのも、仮に一般的な補聴器で聞こえを補えるのであれば、そちらの方が改善しやすく、かつ、音の方向感覚も得られるためです。

クロス補聴器に関しては、あくまでも改善する手段となり、大事なのは、ご自身にとって改善度が高くなる方を選ぶことです。

クロス補聴器の効果と補聴器の効果

仮に聴力等、関係なしにクロス補聴器で改善できること、補聴器で改善できること、というのをまとめてみますと、このようになります。

クロス補聴器は、聞こえる耳側に音を転送して聞こえを改善する機器なため、音の方向感覚が掴めない。という欠点があります。

一方、一般的な補聴器の場合は、聴力にもよってしまうのですが、そのような部分も掴めるようになります。

ですので、仮に一般的な補聴器で片耳を改善できるのであれば、基本的には、一般的な補聴器を使って改善できる方が良い状態になります。

それぞれのケースにおける改善の傾向

こちらでは、それぞれのケースにおける改善の傾向についてまとめていきます。

  • 聴力低下が中等度難聴ぐらいまで
  • 聴力低下が重度難聴、ほぼ何も感じないレベル
  • 明瞭度が低いケース
  • 音の感覚が特殊なケース

まとめると、この4つのケースとなります。

聴力低下が中等度難聴ぐらいまで

聴力低下が中等度難聴ぐらいまでの場合、基本的には、補聴器をつけて改善していくことが大半です。

聞こえにくくなった耳に直接補聴器をつけ、改善する方法ですね。

あくまでも明瞭度という言葉を聞かせた際に、ある程度、正解率が高くなることが条件にはなってしまいますが、そのような方は、聞きにくくなった耳側に補聴器をつけ、なるべく改善できると良いです。

改善度が高くなると高くなるほど、音の方向感覚も掴みやすくなり、かつ、聞こえも良くなりやすくなりますので、できるのであればなるべく改善すること。それが大事になる聴力です。

聴力低下が重度難聴、ほぼ何も感じないレベル

聴力低下が重度の難聴、あるいは、ほぼ何も感じないレベルにまで低下している場合は、クロス補聴器で改善できると良いです。

クロス補聴器で改善できると良いというのは、少し変な書き方になりますが、このぐらいまで聞こえが低下すると、基本的に一般的な補聴器を聞こえにくくなった耳側につけてもほとんど聞こえが良くなった感覚を感じなくなります。

ですので、そのような場合は、聞こえない耳側に来た音を聞こえる耳側に転送して聞こえを改善するクロス補聴器の方が改善しやすくなります。

明瞭度が低いケース

明瞭度とはなんぞや?という話になってしまうのですが、耳の世界には、聴力と言葉の聞き取りを意味する語音明瞭度(語音弁別能ともいう)という言葉があります。

音が聞こえることと言葉が聞き取れることは違う。

そのため、言葉の聞き取りを検査する、語音明瞭度測定(ごおんめいりょうど測定)というものがあるのですが、こちらの数値が低い場合、その耳に補聴器をつけても、うまく言葉が理解できるようになる感覚を得られません。

ですので、仮にこの数値が低い場合は、クロス補聴器で改善できると良いです。

これも言葉にするとおかしな表現になってしまうのですが、一般的な補聴器を装用しても改善が薄いため、聞こえの改善度を高めたり、なるべく改善していきたい場合は、クロス補聴器を装用して改善していく必要が出てきます。

音の感覚が特殊なケース

最後に一つあるのが、感じる音の感覚が特殊なケースです。

片耳のみ難聴になるケースには、元々、聞こえにくいケースに加え、急性難聴、元々は、聞こえていたけれども、急に聞こえなくなってしまい、低下したケースがあります。

その代表格が

  • 突発性難聴
  • メニエール病
  • 低音障害型感音難聴

の3つになります。

で、問題は、これらの症状の場合、人によっては、感じる音の感覚が特殊になることがあります。補聴器を装用して聞こえを改善しようとすると、その違和感が非常に強くなってしまったり、中には、装用して使い続けるのも難しいほど、苦痛に感じることがあります。

そのような場合、改善していきたい場合は、クロス補聴器になります。

こちらも変な書き方にはなるのですが、一般的な補聴器では改善が難しいので、クロス補聴器という選択肢になります。

なお、このような感覚が出る方は、こちらとセットで、明瞭度が低いケースが多いので、先に明瞭度の方で引っ掛かることが多いです。

クロス補聴器は、あくまでも改善できない場合に使う

これらのものを見ていただくと、片耳難聴の方を改善する方法には、聞こえなくなった耳側に補聴器を装用する方法とクロス補聴器の2つがあるのですが、基本的には、補聴器で改善できるのであれば補聴器、改善ができない場合はクロス補聴器。という選び方になります。

クロス補聴器は、あくまでも聞こえなくなった耳側に装用しても効果が出ない、薄い場合に使われる選択肢になりますので、その点に注意が必要です。

大事なのは、ご自身の生活が良くなる方法を選ぶことになりますので、改善度が高い方を選んでいくことが大事ですね。

その点が伝わったのであれば幸いです。

この記事を書いた人
深井 順一|パートナーズ補聴器
深井 順一|パートナーズ補聴器
補聴器を使っている人が対応している補聴器専門店・代表
初めましてパートナーズ補聴器の深井と申します。生まれつきの難聴者で7歳から補聴器を使っています。1986年7月1日生まれ。出身は静岡県静岡市、育ちは千葉県市川市。自分自身でも補聴器を使っていることを活かして、お客様に合った補聴器を選んだり、お客様に合わせた補聴器の調整をしています。

聴力別、聞こえの改善と補聴器のFAQ

こちらでは、主に耳や補聴器について知りたい方へ向けて、FAQについてまとめてみました。

補聴器で聞こえを改善する場合、個別性が強いため(人により異なる部分が多くある)、どこまで参考になるかわからないのですが、興味のある方は、以下へどうぞ。

参考になったことがあったのであれば幸いです。

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