耳・補聴器のこと

なぜイヤホン業界が3Dスキャンで耳型採取できるシステムを開発したのか

深井 順一|パートナーズ補聴器

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さて、先ほど、記載した「遂に3Dスキャンにて耳型採取をするところが出た」のおまけ要素として、こちらに関しても載せていきたいと思います。

なぜイヤホン業界は3Dスキャンで耳型採取できるシステムを開発したのでしょうか。個人的に気になったので、色々考えたり、調べてみました。すると面白い事が、わかりました。

では、実際に記載していきます。こちらに関しては、

  • イヤホン業界のメリット
  • 今までの製作経路
  • 双方に良いシステム

この三つにわけて記載していきます。

イヤホン業界のメリット

このシステムを開発したのは、eイヤホンというイヤホン、ヘッドホンの専門店になります。カスタムイヤホンという耳の型を採取して、作る専用のイヤホンを作る際に、耳型採取は、必要になります。

初めに思ったのは、コスト軽減、納期を早くするという事でした。このようなシステムを導入すれば、データをメールで転送するだけになりますので、まず送るという事が無くなります。送る事がなくなれば、送料はなくなりますので、その分、コスト削減に繋がります。そして、送る事が無くなれば、到着するまでの時間を短縮できますので、納期を早くする事もできるようになります。

しかし、私自身が一番に考えたのは、耳型採取のお願いをする必要がない事が最も大きいメリットなのではないかという事です。それは、これらのイヤホンを作る際に、最もネックになる部分は、耳型を採取する事だからです。

今までの製作経路

このようなイヤホンを製作する場合、大抵、どこか別の場所で耳型の採取をお願いします。その際の行き先は、補聴器販売店になる事が多くあります。私自身もした事があり、結構奥深くまで耳の型を採取したり、耳を覆うように、耳の全体がわかるよう

に採取するため、通常の耳型採取よりも大変です。

これらの事からわかるのは、カスタムイヤホンを注文する際、補聴器販売店、あるいは、耳型採取を受け付けている店舗に行っていただく必要があるという事です。この部分は大きいデメリットになります。なぜなら、お店側からすれば、どこか別の場所に紹介する必要がありますし、お客さんは、カスタムイヤホンのお店だけでなく、他のお店まで行かなければなりません。

双方に良いシステム

では、仮にそれらが必要なくなったとしたらどうでしょうか。カスタムイヤホンのお店で、商品の説明を聞き、その後「では耳の型をスキャンします」のひと言で済めば、どう感じるでしょうか。このようになれば、更に納期は早くなりますし、お客さんとしても、別の場所に行っていただく必要もありません。

3Dスキャナーで耳型採取をするようになれば、お客さん、お店、どちらにもメリットがあります。耳型採取をするというボトルネックを失くすため、いえ、失くす必要があったからこそ、eイヤホンさんは、開発したのではないか……私は、そのように感じました。

あとがき

私自身が感じた事を載せてみました。よく考えればすぐわかる事ですね。今まで、カスタムイヤホンを作っている業界からすれば、気軽に耳の型がわかれば作りやすくもなりますし、何より売上に繋がります。このボトルネックをどのように改善、解決するかが最も大きな要素となります。

何と言いますか、必要は発明の母と言わざるを得ませんね。しかし、素晴らしい技術である事には代わりありません。

 

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深井 順一|パートナーズ補聴器
深井 順一|パートナーズ補聴器
補聴器を使っている人が対応している補聴器専門店・代表
補聴器のお店には珍しい難聴の補聴器販売員です。生まれつきの難聴者で7歳の頃から補聴器を使っています。補聴器の販売員としての知識、技術に加え、一人の難聴者が自分自身の聞こえを改善した知識、技術も組み合わせながら、聞こえの改善、補聴器のご相談をしています。
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