購入後の知識

クロス補聴器の故障を軽減する乾燥ケースの使い方と種類別特徴

深井 順一|パートナーズ補聴器

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クロス補聴器の故障を防ぐケア用品として、乾燥ケースというのものがあります。

種類は、乾燥剤を使用する様なタイプから、乾燥剤が不要なタイプまで、あり、乾燥して、故障を防いでくれます。

補聴器の故障原因の大半は、汗と湿気による故障です。この故障を少しでも減らすために、この様なケア用品があります。

こちらでは、この乾燥ケースの使い方とその種類についてまとめていきます。活用方法を理解し、故障について少なくしていきましょう。

乾燥ケースの基本的な使い方

乾燥ケースは、夜寝る前や長い時間使わない時に、その中に補聴器を入れておき、乾燥させます。そして、朝起きた際や使う時にその中から補聴器を取り出し、使う。という使い方になります。

補聴器の故障の大半は、冒頭の通り、大半が汗や湿気による故障です。そのため、乾燥させて、少しでも故障を軽減させる目的で乾燥剤、乾燥ケースがケア用品として、使われる様になりました。

一般的な乾燥ケースは、乾燥剤を利用するタイプで、

この様な形をしていることが多いです。

中にこの様なシリカゲル(乾燥剤)が入っており、こちらを使って乾燥します。

クロス補聴器の場合、クロス側(聞こえない側につける機器)と補聴器側(聞こえる側につける機器)の2つがありますが、その2つを中に入れて、乾燥させます。

乾燥させる際ですが、この様に電池が入っているところを開けること、そして、電池は、補聴器から抜く事。この2つを行います。

電池に関しては、蓋の上における様になっていますので、ここに乗せて保管します。

電池を抜く理由ですが、乾燥剤と同じところに入れておくと、電池の消費が早くなってしまうためです。有効に使う場合は、電池は、抜いて使用したほうがベストです。

この様にして、夜寝る前や長時間使わないときは、この中に保管し、乾燥させておけると、クロス補聴器は、故障しづらくなります。

また、乾燥剤ですが、この様に青い状態であれば、使用できます。

しかし、使い続けてくると、だんだん赤紫色に変わってきます。ここまで色が変化したら、

新しい乾燥剤に交換して、使っていきます。この乾燥剤は、補聴器販売店で売っており、気軽に購入できる様になっています。なくなった場合は、定期メンテナンスのついででも構いませんので、いくつか購入しておきましょう。

また、一つの乾燥剤で使用できるのは、2〜3ヶ月ほどになります。色が変わったら、新しいものに交換することで、使い続けられます。

乾燥剤を使う事で、故障を少なくすることができますので、なるべく活用し、ご自身が困ることがなくなる様にしていけると、困ることを少なくできます。

乾燥ケースの種類

基本的に乾燥ケース、補聴器を乾燥させるものの種類としては、3種類になります。

それは、こちらの通りです。

以下、これらについてご説明していきます。

なお、こちらは、全て使い方は同じになります。使わない時に乾燥させ、かつ、電池をは抜いて保管します。

簡易的なタイプ

簡易的なタイプは、上記で紹介したタイプです。

この様な形のものですね。こちらに関してまとめますと

  • 形式:乾燥剤を変えるタイプ
  • 価格:本体は、864円(8%税込)乾燥剤は、@162円(8%税込)
  • 特徴:乾燥能力は、低いが、簡易的に使え、価格も安い
  • おすすめ:使い始めた方や汗をあまりかかない方
  • 備考①:販売店によっては、購入時、つけてくれるところもある
  • 備考②:乾燥剤は、2〜3ヶ月ほど、ただ、夏の期間は、1〜2ヶ月ほど

となります。

乾燥ケースとしては、最も基本的なタイプで、そこまで汗をかくことがなければ、こちらでも大丈夫です。

乾燥剤を交換して使い続けるタイプですので、交換の目安は、上記の通り、赤紫色に変化した時になります。この様になったら、交換し、使える様にしていきましょう。

オールマイティな専用乾燥機器タイプ

オールマイティなタイプとは、乾燥能力の他、除菌、脱臭ができるタイプです。

こちらについてまとめますと

  • 形式:乾燥剤を変えるタイプ
  • 価格:本体は、8,080円(8%税込で電源代込)
  • 特徴:全体的に除菌、脱臭、乾燥ができるオールマイティタイプ
  • おすすめ:臭いが気になる方や全体的に補聴器のケアをしたい方
  • 備考①:電源は、別売り。電池で使用可能。価格は、電源代込み
  • 備考②:乾燥剤は、590円(8%税込)持ちは、1〜2ヶ月ほど

簡易的なものより、お値段はしますが、簡易タイプよりも乾燥能力が高く、かつ、除菌や脱臭ができるタイプになります。特に臭いが気になりやすい方に、おすすめです。

こちらも簡易的なタイプと同様、乾燥剤を交換して使用するタイプです。交換の目安のシートが中に入っていますので、こちらをご覧になり、交換時期になったら、中の錠剤を変えていきます。

この様にして使っていくのが、このタイプの乾燥ケースです。

なお、こちらは、厳密には、本体の金額と電源で別になっています。本体だけは、5,120円(税込8%)電源は、2,960円(税込8%)です。

単四電池を2つ入れる場所があります。

単四電池を2つ入れる場所があります。

一応、本体だけでも使用できるように電池が入れられる様になっています。電池のみの使用で、だいたい30回ほどは使えます。

ただ、仮に長く使用していくのであれば、電源は、あったほうが全体的にかかる金額は、安くなります。

乾燥機器D-dry

熱で乾燥させるタイプが、このD-dryです。乾燥させる能力に特化したタイプになります。

乾燥剤が不要なため、かなり手軽に、そして楽に使えるのが特徴です。こちらについてまとめますと

  • 形式:乾燥剤、不要タイプ
  • 価格:本体は、12,960円(8%税込)
  • 特徴:補聴器の乾燥に特化したタイプ
  • おすすめ:汗をよくかく方、趣味でスポーツや畑仕事などしている方
  • 備考:電源をさして、使うタイプ。もちろん、元々ついています。

特徴としましては、熱で乾燥する様になりますので、乾燥剤が不要になります。熱で乾燥……とお考えになると、補聴器は、故障しないのか不安になる方もいるかもしれませんが、そんなに熱することはせず、ダメージが入らない程度に熱して、乾燥してくれます。

こちらがおすすめな方は、汗をよくかく方やスポーツをしている方、畑仕事などをしている方になります。簡単に言いますと、汗や湿気の環境に補聴器が居やすい方です。

乾燥能力に特化していますので、汗や湿気による故障を防ぐ場合は、こちらが今の所、一番効果的に行える様になります。

その様な部分を一番にお考えの場合は、こちらをおすすめします。

おまけ:私のところで出るもの

こちらは、あくまでもおまけですが、私のところで出るものについて記載して行きます。

私のところでは、簡易的なタイプは、補聴器購入時にそのままお渡ししていますので、それではなく、クロス補聴器をなるべく大切に使いたい、故障を少なくして行きたい。とお考えの場合、よく出るのは、D-dryになります。

その理由ですが、

  • 故障を減らす場合は、乾燥能力が一番重要
  • 意識が高い方は、ご自身でもメンテナンスしている

の2つです。

まず、故障を減らしていく場合に見るべきところは、乾燥能力になります。補聴器は、汗や湿気による故障がどうしても多いため、その部分の能力が結局、故障の頻度に関わってきます。

もちろん、こちらを行なったからといい、補聴器が壊れない様になるわけではないのですが、乾燥能力が結局、一番、故障を少なくするためには、有効な部分になります。

また、そこまで意識が高い方は、ご自身でも補聴器を拭いたり、メンテナンスしていることが多く、臭いを気にされることはあまりありません。

これらの事から、私のところで出るのは、D-dryが多いです。もちろん、簡易的な乾燥ケースは、購入時にお渡ししている。という前提があるから、というところもあります。

どこを見るべきか、どの様な事をしたいか。によっても判断は変わりますが、私のところでは、この様な傾向があります。

乾燥ケースのまとめ

乾燥ケースの基本の使い方から種類に関して記載してみました。

乾燥ケースは、故障を少なくする目的で作られ、補聴器のケア用品としては、一般的なものです。簡易的なものから、専用のケース、専用の乾燥機器まであります。

補聴器の故障が少なくなれば、困る頻度も減りますし、修理する際にかかる金額も減ります。長く、有効に使いたい場合は、こちらもお考えになると良いでしょう。

あくまでも私の考えですが、簡易的なケースでも大丈夫そうなら、そのまま使用しても大丈夫ですし、心配だな……と思うことがあれば、専用のケースを考えれば良いかと思います。

こちらに関しては、使用する方の状況によって、大きく変わりますので、補聴器屋さんと相談できると良いですね。

この様なものを活用することにより、補聴器の故障を少なくできます。少なくできれば、困ることも少なくなりますし、お金がかかることも少なくなります。

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深井 順一|パートナーズ補聴器
深井 順一|パートナーズ補聴器
補聴器を使っている人が対応している補聴器専門店・代表
補聴器のお店には珍しい難聴の補聴器販売員です。生まれつきの難聴者で7歳の頃から補聴器を使っています。補聴器の販売員としての知識、技術に加え、一人の難聴者が自分自身の聞こえを改善した知識、技術も組み合わせながら、聞こえの改善、補聴器のご相談をしています。
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