徐々に進化してきた私の補聴器の調整スタイル
今、ふと感じたのですが、数年前と今とでは、自分自身、結構、音を調整するやり方や補聴器の販売に関する捉え方が、変わってきたなぁ、と思いました。
初めの頃は、どのようにすれば聞こえがよくなるのかをあまりよくわかっておらず、なるべくお客さんのお話を聞いて、よくしてあげよう。みたいな、捉えどころのない仕事をしている事が多かったのですが、年数を経過するにつれ、改善する方法がわかってきてから、なるべく改善できる様にしつつ、今現在では、改善プランの様なものも考える様に変化してきました。
ここで、自分自身がどんな風に変わってきたのか。まとめてみたいと思います。
私の改善に関する変化
自分の中で整理すると、
- 駆け出し時代から1年、2年
- 補聴器に携わり、3〜5、6年経過した頃
- 今現在は改善プランを考えながら、改善する思考へ
の3つに分かれます。
駆け出し時代から、1年、2年
駆け出しの頃から、1〜2年は、補聴器が欲しい。という方に補聴器を調整し、ある程度、聞こえていそうだし、感覚もそれなりに良さそうだから、良い。みたいな、販売の仕方でした。
今思えば、かなり適当だったな。と反省するばかりですが、正直、どの様にすると聞こえがよくなるのか。というのがほとんどつかめていないかった頃でしたので、お客さんが良いといえば、良い。という様な短絡的な思考ではありました。
この頃は、聴力などの調べる測定は、していましたが、補聴器を装用した状態での測定などは、あまりしておらず、聞こえの改善のプロセスに関しても、全然つかめなかった頃ですね。
年代としては、2007年、2008年くらいでしょうか。今から10年くらい前の話になります。
補聴器に携わり、3〜5、6年経過した頃
仕事し始めて、3〜5、6年経過した頃は、ようやく、こんな風に聞こえを改善させると良い。というのがわかる様になってきて、測定類を活用しながら、聞きにくさをなるべく改善していける様なスタイルに変更していきました。
具体的な内容は、補聴器を調整した後に補聴器の音の確認だけではなく、補聴器を使用した状態の聞こえも調べる事です。(音場閾値測定など)
自分自身が興味を持ったのは、効果が出ている人の補聴器の状態とあまり効果が出ていないと思われる人の補聴器の状態は、どう異なるのか。それらが気になり、調べていたりしていました。
もちろん、その一人に自分も入れていたのですが、この頃は、自分の体を実験台にしながら、色々とやって、あ〜でもない、こ〜でもない、としていたこともありましたね。
調べてみた結果、効果が出ている人は、聴力に対して、ちゃんと改善させると良い部分までちゃんと出しているだけ。という事がわかり(聞こえを改善するのに必要な部分をちゃんと入れられている人ですね)、なるべくそれをしていこう。という様に考えが変わりました。
厳密にいえば、耳の状況もありますので、それだけが要因ではありませんが、少なくとも、改善の要因の一つには、なっているな。と、この段階で気づく様になります。
これが、だいたい、仕事し始めて、6年、7年くらいで、今から5〜6年くらい前のお話になります。
そこから急激に改善できる人が増えてきまして、改善できる人は、改善し、できない人は、お話を聞きながら、どこまで改善させるのか。というところを詰めるようにしてきました。
こんなやり方をしていたのが、5〜6年前になります。
今現在は改善プランを考えながら、改善する思考へ
今現在は、色々な人を改善してきたせいか、ある程度、改善のペースや改善させられる幅がわかってきた事から、改善プランを考えるようにして、聞こえを改善するようになってきました。
これは、補聴器を使用している人と始めて補聴器を使用する人で異なるのですが、始めて補聴器を使用する場合、初めから、目標となる改善部分まで音を入れる事が、少々難しいため、徐々に音を上げていくようにします。
その部分に関して、使用時間や補聴器を使用している状況から、徐々にあげるタイミング、どのようにして、その方の状況をなるべくよくできるのか。そのプランニングが徐々にできるようになってきました。
わかりやすくいえば、補聴器を売る仕事ではなく、補聴器で聞こえを改善させるまでのプラン、改善プロセスをそのまま作れるようになってきた。という事ですね。
ここの部分は、まだまだ自分なりに徐々にできるようになってきている部分ですので、完璧ではないのですが、ようやく自分が望んでいた事ができるようになりつつあります。
なお、意外かもしれませんが、今まで、改善目標の部分まで改善しづらい人は、そのまま、その当時の聞こえを改善できる部分まで改善させておくのが良い。という思考だったのですが、人によっては、使用時間を伸ばすことにより、その後、徐々にその部分まで、改善させる事ができるようになってくるケースも経験しています。
その場合、重要になってくるのは、実際に補聴器を使用する方が、どのくらい自分は、改善できていて、どのくらい改善していると良いか。その状況を把握しているか、していないかで、大きく変わってくる傾向を感じています。
もちろん、無理やり聞こえを改善させようとするのは、あまりよい事ではありませんが、患者さんやお客さんと相談しつつ、お互いにとって良い相談や改善プランを考えられるようになってきたのは、個人的にも良い事で、大きな変化になります。
まとめ
初めは、ポンコツ同然だった人間でしたが、ようやく、ここまできたな。というように感じます。
もちろん、今現在、どのような人でも改善できる。という訳ではなく、まだまだ補聴器で聞こえを改善できる部分があるのであれば、どんどんしていかなければならないのですが、状況を把握しつつ、一歩一歩改善させていくスタイルに私の場合は、なってきました。
昔は、補聴器を販売する。という内容だったのですが、ようやく自分自身が考えていた聞こえの改善を売る。というスタイルに変更でき、個人的にも、良い方向へ変換できたな、と感じています。
まだまだ学ぶべき事ややるべきことはありますが、途中経過で、良い部分までようやくくる事ができましたね。