補聴器の性能と買い換えサイクル

今現在、補聴器を選ぶとなると、補聴器の形状と補聴器の性能、この2つを選ぶ必要があります。
補聴器の形は、主に扱いやすさが変わります。では、補聴器の性能は何が変わるのでしょうか。
結論からお伝えすると、聞こえを改善した後の問題を改善する機能の有無。これが変化します。
補聴器は聞こえを改善すると良くも悪くも色々と聞きやすくなります。すると周りの音に邪魔されたり、ある一部の音が気になったりなど起こります。
そういった聞きにくくなる部分をサポートしてくれたり、一部の気になりやすい音を和らげてくれるのが高額な補聴器の良いところです。
今回は、補聴器の性能に関して、こらでまとめていきます。
補聴器の性能とは?

さて、今現在、補聴器に関しては、冒頭の通り、補聴器の形状と性能の部分、この2つを選ぶ必要があります。

補聴器のカタログを見ていただくと、大体、補聴器の名称があり、その名称の下にグレードが3つか4つぐらい分かれていて、そのどれかを選んでいただく、というようになっています。
このグレード別の違いの部分が補聴器の性能の部分になります。
では、このグレード。どんなところに違いが出るかといいますと、”聞こえを改善した後の問題を改善する機能がどれだけ入っているか”ここにより変化します。
聞こえを改善した後の問題?と感じてしまいますよね。

初めにお伝えさせていただきたいのは、補聴器の基本機能である低下した聴力を補う機能。
聴力が低下してしまい、それを補うのが補聴器の役割なのですが、ここの部分は、どの補聴器にも搭載されています。
少し難しい話になってしまうのですが、聞こえを改善できる量(聞こえの改善値)も上のグレード、下のグレード共にそんなに大きく異なることはありません。
ですので、どのグレードでも基本的な聞こえの改善ができるようになっています。一番下のグレードだと聞こえの改善はまともにできない、聞こえの改善ができない、ということはありません。
そうなると、なおさら「この金額差はいったい……?」となってしまうと思うのですが、それが、初めに記載した”聞こえを改善した後の問題を改善する機能がどれだけ入っているか、になります。
聞こえを改善した後の世界とは?

今現在、聞こえにくさがあるからこそ補聴器で聞こえを改善したい、今、困っているところを改善したいとなるわけですが、問題は、聞こえを改善すると、良くも悪くも色々な音が聞こえてくるということです。
それは、今まで聞きにくかった人の声も聞きやすくなりますし、今まで聞こえていなかった周囲の音、周りで発生している細かな音も聞こえやすくなります。
音の特徴の一つに、音は聞こえないとその存在を認識することができない。というのがあります。
音は聞こえないと、たとえそれが世の中にあっても、音は、目に見えるものでも匂いがあるわけでもないため、聞こえないとそれに気づくことができません。
難聴の場合、その音が仮に世の中に存在していたとしても、聞こえないと認識ができないので、それがあることを感じることができません。
そのような状態で聞こえを改善すると、今まで聞こえにくいと感じていた音は大きくなるのですが、それ以上に今まで聞こえていなかった音も聞こえるようになります。
すると、今まで聞こえにくくて聞きやすくなった部分もあれば、一部のこういった音がうるさい、あるいは、キツく感じる、騒がしい場所では、周りの音が大きくて、聞きたい人の声が阻害されてしまう。といった問題が起きます。
こういった問題を改善する機能がついていたり、その機能の性能が優れていたりすると、その分、急激に補聴器の値段が上がってきます。

補聴器の性能に関わる機能は大きく分けると、2つに分けられるのですが、音を抑えて、快適性を高める機能のもの、そして、騒がしい中での聞き取りをなるべく阻害させないようにする機能の2つです。
これらは、聞こえを改善した後の問題をサポートするためにあるものです。
良くも悪くも聞こえを改善するだけでしたら、どのグレードのものでも改善ができるようになってきています。
そこからさらに快適性や騒がしい中といった今現在補聴器では難しいところをより改善したり、より良くしたい場合は、その分のお金が必要になります。
これが補聴器の性能です。
おまけ・補聴器の買い替えサイクル
さて、ここからは、補聴器の買い替えサイクルについて、記載していきます。
恐らく、疑問の中の一つには、「で、どんな性能のものが良いの?」があると思うのですが、ここを考える上で外せないのが、補聴器の買い替えサイクルです。
まず、補聴器は買ったら、その補聴器が未来永劫ずっと使えるタイプの製品ではありません。
基本的には、5年に一度、買い替えをして、使い続ける。買い換えながら使っていただくタイプの製品です。
私の感覚ですと、補聴器の価格が少々高いので、5年ではなく、6〜7年に1度変えているような感覚ですが、どちらにしても買った補聴器が未来永劫までずっと使えるということはありません。
ですので、買い換えながら使うタイプである。ということを頭に入れながら、補聴器の性能は、考える必要があります。(お金が無尽蔵にある方は別です)
ここでものに関する考え方には、
- 良いものを長く使っていただく
- それなりのものを定期的に変えながら使っていただく
の2つがあると思います。
ただ、補聴器は、その性質上、良いものを長く使っていただくのは、しづらい製品です。
補聴器の開発サイクル
実は今現在の補聴器は、パソコンのようなもので、1年半〜2年に一度ほどで、新製品が出てきます。
さらにスマホの性能やパソコンの性能がぐんぐん上がると共に補聴器の機能(性能)も上がります。新製品になるたびに、ぐんぐんと性能も上がってきます。
ですので、かなり開発スピードが速く、どんどん新しいものが出てきますので、良いものを長く使っていただくという考えだと、性能が落ちたものを長く使い続けることになってしまいます。
その事から、それなりのものを定期的に変えながら使っていただく、ということを私の場合は、お薦めしています。
ここは、ご自身が買える範囲内のもので定期的に変えていくということです。
実際に補聴器を使っていて、補聴器の仕事をしている私自身として思うのは、無理して100万するものを買うのではなく、それなりのものを定期的に変える、その方が聞こえを改善しやすいです。
それだけ、中に入っている性能が変化してきていますので、ご自身の生活を良くしたい場合は、そのようにお考えになることをお勧めします。
まとめ
こちらでは、補聴器の性能に関して、記載してみました。補聴器の性能は、上記の通り、聞こえを改善した後の問題を改善する機能の有無、優秀さによって変わります。
大事なポイントとして、補聴器の基本機能は、どのグレードにもあります。ですので、どのグレード帯でも基本的な聞こえの改善はできます。その点はご安心ください。
グレード別に変わってくるのは、聞こえを改善した後の色々な音が聞こえて騒がしい感覚、一部の音の不快な感覚を減らす、あるいは、騒がしいことで聞きにくくなることをなるべく減らすこと。これらの部分で変化します。
これが補聴器の性能ですね。とはいえ、なかなか文章だけだとわからないところはありますので、実際に体験されるとそれはよりわかりやすいとは思います。
あくまでも個人的な考えなのですが、今現在は、どのグレードでも基本的な聞こえの改善はできるようになってきました。ですので、ご自身が買える範囲内のもの、それが良いと思っています。
補聴器は続けていく製品です。買えば終わりではありません。補聴器を使うということは、この先も補聴器を使うことを意味します。(どこかで難聴を治療できる技術が出てこない限り)
ですので、私が大事にしているのは、続けられる方法で行うこと。こちらになります。
そうすると、私の意見としては、ご自身が買える範囲内のもので良い。ということになります。