補聴器の基本・形状・調整

左右の聴力が異なる場合の補聴器の基本と理解しておきたい出力(形状)の事

深井 順一|パートナーズ補聴器

補聴器による聞こえの改善は、聞こえの改善と補聴器のFAQ、にまとめています。また、個々の症状(症例)ごとの改善は、お客様の聞こえの改善事例にまとめています。

左右の聴力が異なる場合、基本的に補聴器の基本となる部分は、同じなのですが、補聴器の形状ごとに異なる、音の出力に関しては、注意が必要になります。

補聴器は、基本的に聴力ごとにどの補聴器が合うかが決まっています。補聴器ごとに補える聴力レベルが設定されており、その聴力に合ったものを選ぶ必要があります。

左右の聴力が異なる場合、それぞれの耳の状態に合った音の出力のものを選ばなければならないのですが、その際の考え方は、左右の聞こえのバランスを整えやすくするために、なるべく同じ機器(機種)を使うことです。

これは、耳の中に入れるタイプでも耳にかけるタイプでも同様です。

こちらでは、補聴器の基本となる部分と、理解しておきたい、音の出力の部分に関して記載していきます。

補聴器の基本

基本的に補聴器は、聴力が低下した分、補って、聞きにくさを改善していく機器です。

基本的に補聴器は、聴力が低下した分、補って、聞きにくさを改善していく機器です。

補聴器は、聴力が低下した分を補うことで、聞こえを改善させる機器です。

こちらは、補聴器の調整画面。どのくらい音を大きくしているのか。そして、どのくらい音を大きくできると、改善しやすくなるのか。それらが補聴器の画面でわかるようになっています。

こちらは、補聴器の調整画面。どのくらい音を大きくしているのか。そして、どのくらい音を大きくできると、改善しやすくなるのか。それらが補聴器の画面でわかるようになっています。

補聴器には、聴力ごとに改善できると良い改善目標値が設定されており、その部分まで、音を入れることで、聞きにくさの改善を行なっていきます。

そのようにすることで、なるべく聞きにくさを改善していくのが補聴器です。

基本的に静かなところでは改善しやすく、騒がしくなってくると、騒がしさのレベルによって、聞きにくさが出てきます。ただ、それでもあったほうが、聞きやすさは、大きく上がります。

基本的に静かなところでは改善しやすく、騒がしくなってくると、騒がしさのレベルによって、聞きにくさが出てきます。ただ、それでもあったほうが、聞きやすさは、大きく上がります。

左右の聴力が異なる場合、状況によって変わってくるのですが、左右のバランスを整えられる範囲であり、かつしっかりと聞こえを補えれば、このように全体的に聞きにくさを改善しやすくなります。

補聴器の形状とできること

耳かけ形補聴器の主な種類。補える聴力の幅や形状、扱いやすさなどが異なります。

耳かけ形補聴器の主な種類。補える聴力の幅や形状、扱いやすさなどが異なります。

補聴器の形状には、大きく分けて、耳にかけるタイプ

耳あな形補聴器。耳の中に入れて使用するタイプの補聴器です。耳の中に入るため、邪魔にならない。という大きな特徴があります。

耳あな形補聴器。耳の中に入れて使用するタイプの補聴器です。耳の中に入るため、邪魔にならない。という大きな特徴があります。

そして、耳の中に入れるタイプがあります。

補聴器は、基本的に電池を入れる部分があり、そこが電源のON、OFFになっていることが多いです。

補聴器は、基本的に電池を入れる部分があり、そこが電源のON、OFFになっていることが多いです。

それぞれ、電池を入れて起動させるようになっており、

こちらの蓋を閉めると電源ON。開けると電源OFF

こちらの蓋を閉めると電源ON。開けると電源OFF

この部分が電源のON、OFFに繋がります。

補聴器には、ボタンがついており、こちらで音量や音の切り替えができるようになっています。

補聴器には、ボタンがついており、こちらで音量や音の切り替えができるようになっています。

さらにボタンなどもついており、ここで、音量の操作ができるようになっています。

基本的な部分は、補聴器の調整で合わせ、それ以外は、先ほどのスイッチ等で、状況に応じて、音量を変える。というのができます。

基本的な部分は、補聴器の調整で合わせ、それ以外は、先ほどのスイッチ等で、状況に応じて、音量を変える。というのができます。

基本的な音の設定は、聴力に合わせていくのですが、細かい微調整などは、ボリュームなどの機能を使い、自分で操作もできたりします。

このようにして、聞こえを改善していくのが補聴器になります。

左右の聴力が異なる場合の注意

補聴器は、基本的に形状、または、機種によって、音の出力が異なります。

主な形状別、補える聴力。基本的にどの補聴器でも中等度難聴くらいまでは補えるようになっており、それ以上のものと、そこまでのもので、分かれています。

主な形状別、補える聴力。基本的にどの補聴器でも中等度難聴くらいまでは補えるようになっており、それ以上のものと、そこまでのもので、分かれています。

補聴器メーカーフォナックジャパン、カタログ(PDF)より引用

この音の出力とは、簡単に言えば、音を大きくできる量のことで、どのくらいの聴力の人が補えるのか。という部分になるのですが、そのおおよその目安がこちらです。

主な難聴の分類。こちらにより、難聴の重さに関して、分類されています。

主な難聴の分類。こちらにより、難聴の重さに関して、分類されています。

この部分は、ご自身の聴力レベルによって分かれています。あくまでも一部のものにはなりますが、こちらが、主な難聴の分類になります(WHO基準)。

どの形状、どの補聴器にも適応聴力がありますので、ご自身の聴力に対し、適応している聴力のものを選ぶことが聞こえを補う上で何よりも大切になります。

こちらの選択を間違えると、聞こえを改善できると良い部分まで、改善しづらくなるため、結果的に補いにくい補聴器になります。注意しましょう。

さらに左右の聴力が異なる場合、できれば、異なる機種を使う。ということではなく、なるべく同じ機種を使うようにすると補聴器から聞こえてくる音のバランスや補う事について、しやすくなります。

すると、自ずと聴力が重い方の耳に合わせていく事になるのですが、場合によっては、形状が大きくなります。

補聴器の形状には、基本的に耳にかけるタイプと耳の中に入れるタイプがあるのですが、

耳にかけるタイプで、このような形のものは、一般的な耳かけ形補聴器になり、主に標準タイプと呼ばれます。

標準型の耳かけは、形状により、補える聴力が決まっています。そのため、左右の補聴器を揃えようとすると、大きい補聴器を使用する傾向があります。

標準型の耳かけは、形状により、補える聴力が決まっています。そのため、左右の補聴器を揃えようとすると、大きい補聴器を使用する傾向があります。

補聴器メーカーフォナックジャパン、カタログ(PDF)より引用

 

こちらの場合は、補聴器ごとに出力が異なり、

補える音の大きさ。

補える音の大きさ。

補聴器メーカーフォナックジャパン、カタログ(PDF)より引用

 

聴力が重い方に合わせると、両方とも少し大きい形で落ち着くことが多いです。

耳にかけるタイプには、RIC(リック)補聴器という形状があるのですが、

こちらの場合は、レシーバー(音が出る部分)が取り外せるようになっており、それぞれの聴力に合わせて、この部分を変えることができます。

レシーバーを変えるだけで、音の出力を簡単に変えられるため、左右の聴力が異なるケースにおいては、非常に柔軟性高くできるため、優秀です。

レシーバーを変えるだけで、音の出力を簡単に変えられるため、左右の聴力が異なるケースにおいては、非常に柔軟性高くできるため、優秀です。

補聴器メーカーフォナックジャパン、カタログ(PDF)より引用

左右で、同じ補聴器は、使っているけれども音の出力だけは変えられる。という優れもので、こちらの方が、左右の聞こえが異なる場合は、合わせやすい性質を持ちます※正直なことを言いますと、聴力によって変わることはあります。

また、耳の中に入れるタイプに関しては、

耳あな形補聴器も最近は、カスタマイズ式になっており、機種により、音の大きさが変わる訳ではありません。そのため、その聴力にあったものを選べれば、補いやすくなります。

耳あな形補聴器も最近は、カスタマイズ式になっており、機種により、音の大きさが変わる訳ではありません。そのため、その聴力にあったものを選べれば、補いやすくなります。

補聴器メーカーフォナックジャパン、カタログ(PDF)より引用

音の出力に関して、最近のものは、カスタマイズできるようになっていることが多く、それによって、改善がしやすくなっています。

このようにいくつかのものは、カスタマイズする事により、形状は同じだけれども、音の出力を変えることができるため、昔よりは、合わせやすくなりました。

ただ、依然として、音の出力に関して異なるものが必要になること、音のバランスを揃えるため、なるべく同じ機種のものが良いことは、変わりません。

その点に関して、理解しながら、補聴器について選んでいけると、ご自身の聴力を補えるものを選べる事につながります。そして、聞こえの改善も行いやすくなります。

左右の聴力が異なる場合の形状の注意のまとめ

こちらで一番お伝えしたかったことは、左右の聴力が異なる場合、なるべく同じ形のもの、同じ補聴器を使用した方が良いということです。同じ補聴器の場合、音のバランスも整えやすくなり、かつ、聞こえてくる音の感覚も近くなります。

たまに左右で別々の補聴器を使用している方をお見かけするのですが、補聴器ごとに聞こえ方は、異なりますので、左右の耳のバランスや音の感覚を揃えるのが非常に難しくなります。私自身としては、あまりオススメしません。

あまりにも聴力がかけ離れてしまっている場合は、仕方がない部分もありますが、揃えられる範囲内なら揃えていきましょう。そのようにした方が、結果的に聞こえに関してもよくしやすくなります。

両耳とも聞こえにくいケースの改善について、より知りたい方へ

こちらは、両耳とも聞こえにくいケースの改善についてより知りたい方に向けた改善のリンク集になります。順番にみていただくと理解しやすいのですが、みたいところからご覧いただいても構いません。

ただ、聞こえの改善を行う際、見ておいたほうが良いものは、をつけていますので、その部分は、優先的に見ることをお勧めします

なお、以下の内容は、両耳とも聞こえにくいケースを種としています。左右の聴力が異なる方のケースは、両耳とも聞こえにくいケースと変わる部分もありますので、別枠で記載しています。

両耳とも聞こえにくい方の改善思考

補聴器ができることや基本について

両耳とも聞こえにくい方が使用する補聴器の形状や性能について

※形状や性能は、左右とも聴力が異なるケースでも特徴は同様です。

聞こえに大きく影響する補聴器の調整について

両耳とも聞こえにくい方の改善事例(体験談)について

購入する前に知っておけると良いこと

購入後に知っておけると良いこと

改善がうまくいかない時は?

こちらがお役に立てば幸いです。

ABOUT ME
深井 順一|パートナーズ補聴器
深井 順一|パートナーズ補聴器
使っている人が対応している補聴器専門店・代表
1986年、7月1日生まれ。生まれつきの難聴者で小学2年生の頃から補聴器を使っています。聞こえにくい側の状況やお気持ちは、同じ難聴者や当事者にしかわからないことがある事から、このお店では、実際に補聴器を使っている私自身がご相談を承っています。

お店のご紹介

初めまして、パートナーズ補聴器の深井と申します。

このお店は、生まれつき難聴で補聴器を使っている人が対応している補聴器専門店です。

聞こえにくい側の状況やお気持ちは、同じ難聴者や当事者にしかわからないことがある事から、実際に補聴器を使っている当事者がご相談を承っています。

お店の詳細は、以下のページへどうぞ。

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