【60代・男性】軽・中等度難聴の老人性難聴の方、補聴器で改善
さて、こちらでは、許可いただいたお客様の例を使って、実際にどのように改善していったのか。その点について、記載していきます。
今回のケースは、軽・中等度難聴の老人性難聴の方になります。若干、早めの老人性難聴の方ですが、聞こえにくさが今より進行してしまうと、より困ることが増えてしまうため、早めにご相談いただいた方になります。
結果として、標準型の耳かけ形補聴器で改善し、聞こえがだいぶ良くなった。とご評価いただけました。
どのように改善していったのか。その点についてまとめていきます。
お客様の状況
まず、お客様の状況ですが、
- 年齢:60代
- 性別:男性
- 症状:老人性難聴(加齢によるものとの診断)
- 聴力:軽・中等度難聴
- 備考:耳鳴りあり(右側のみ)
になります。

聴力は、このような状態ですね。
聴力図がわかりづらい方のために解説しますと、0〜10dBが一般の人が聞こえている範囲。0〜25dBが正常の範囲になります。

そこよりは、全体的に下がっているのですが、中央のあたり(1000〜2000Hz)が40〜45dBと全体的な数値で見てみますと表現が難しいのですが、軽・中等度の難聴といったところでしょうか。
高い音になるにつれて下がっているので、音が聞こえにくい、ということのほか、どちらかというと会話や話がわかりづらくなってくる聴力です。
このような聞こえの方の聞きにくさは、こんな感じになりやすいです。

対面でのお話はわかることもあるのですが、声が小さかったり、モゴモゴと明瞭に話さない人の声、話は分かりづらくなってきます。
そういったところでわかりづらいと、騒がしいところ、さらには、人と囲んで話す場合、そういった場面でも、聞きにくさ、話の内容がわかりづらくなってきます。
あとは、単純に距離が離れている場合ですね。
音は、距離が離れれば離れるだけ、急激に音が小さくなるため、聞きづらくなったり、呼びかけられてもわからなかったりします。
特に音は、聞こえないと聞こえていないことに気がつかない。
音は目に見えるものでも匂いがするわけでもありませんので、聞こえていないとそれ以外の方法で気づくことができません。
ですので、ちょっと心苦しい書き方をしてしまうのですが、気づかず、それがちょっとしたトラブルになってしまったり、ひどい場合には、無視した、無視された、といった状態になることがあります。
これはただ、気づいていないだけ。聞こえていて、あえて無視したわけではなく、単純に気づいていないだけなのですが、相手からしたらそういったことはわからないので、こういったコミュニケーション上のトラブルが出てきやすくなります。
難聴の苦しいところは、聞こえにくくなることよりも、人とのコミュニケーションにおいて、トラブルが出やすくなることです。
そのトラブルが多くなれば多くなるほど、ギスギスしたり、苦しくなったり、人との関係が悪くなりやすくなってしまうので、早めに改善できるに越したことはありません。
こちらの方もそれを感じ、なるべく早めに状況を良くしたい。ということで、この状況をより良くしていきます。
どう改善していくか
さて、どのように改善していくか。ですが、基本的に補聴器で聞こえを改善していく場合は、その方に合うやり方でやっていけると良いです。
考える要素としては、主には、
- どのような補聴器を選ぶか(形状)
- 聞こえの改善
の2つですね。
基本的に補聴器で選ぶ要素は、
- 補聴器の形状
- 補聴器の性能
の2つになります。そこにプラスの要素として、聞こえの改善が入り、考える要素としては、それも含めて、3つになります。
ただ、補聴器の性能まで含めると、ヒジョーに複雑になってしまうので、それ以外の補聴器の形状と聞こえの改善という重要な2つの部分を重点的に記載していきます。
補聴器の形状
補聴器の形状とは、そのままの意味で、補聴器の形の部分です。
主に扱いやすさが影響する部分ですね。
今現在、補聴器の形としては、以下のようなものがあります。

基本的には、
- 耳にかけて使用する耳かけ形補聴器
- 耳の中に入れて使用する耳あな形補聴器
この2つが大半です。
で、こちらの方の場合ですが、結論から言いますと、このようなタイプを選びました。

少し大きいタイプで昔からある補聴器の形。主に取り扱いがしやすいタイプです。
上記には記載していなかったのですが、持病により、手がそこまで動かないこともあり、扱いやすさ。もっというと、そのような状態でも取り扱いに問題なく、かつ、聞こえを良くできる補聴器。それを選ぶことになります。
形状の違いについては、主に以下のようになります。

耳あな形補聴器の良いところは、耳の穴の中に入れることにより、ものの邪魔にならないこと。あとは、電話がしやすいことなどです。

特にメガネを使用している、マスクを使う頻度が高い(仕事上、マスクをよく使う。例えば、病院さんや歯医者さんなど)方には、おすすめです。
ただ、耳あな形補聴器はいくつか欠点がありまして、大きな欠点の一つは、耳を密閉するため、自分の声が内側で低く響いたり、こもって聞こえたりしやすいことです。
その不快感は人により、大きく感じたりしますので、その感覚が大丈夫な方には、良い補聴器です。
あとは、人により、小さい補聴器なので、細かい作業がしづらい方にはおすすめはできません。
耳かけ形補聴器は、耳に補聴器をかけることによる良いところと悪いところが出てくる補聴器です。
悪いところから言いますと、耳にかけて使用するため、マスクやメガネ、人によってはヘルメット(工事系の仕事)の方には、少々、使いづらさが出てくる補聴器です。

逆に耳あな形補聴器とは異なり、耳を塞ぐ量が少なくなるので、自分の声の違和感、不快感というのは少ない状態になります。
ですので、そういったところの使いやすさが出てくるのが、耳かけ形補聴器になります。
基本的に耳かけ形補聴器と耳あな形補聴器は、どっちがいい、悪い、ではありません。どっちがご自身に合うか、になります。
良い悪いというのは、上下の関係、どっちが優秀で、どっちが劣るのか、優劣ではない。ということです。
どちらがよりご自身に合うか、になりますので、その点を意識して選べると良いです。
こちらの方の場合は、特にマスクはしておらず、メガネはかけていますが、使い方を工夫するだけで特に問題なく使えそうなので、耳かけ形補聴器となりました。
聞こえの改善
さて、大事な部分の一つとして聞こえの改善があります。聞こえにくさがあることから補聴器を考えるため、できるのであれば良くできるところは良くしていきたいところです。
補聴器で聞こえを改善していく場合、聞こえの改善度に大きく影響するのは、
- 補い方、あるいは、補聴器をつける耳
- 補聴器を使って聞こえを改善するレベル
の2つになります。
補い方、あるいは、補聴器をつける耳

これは、何を意味しているのかと言いますと、そのままの意味ですが、どの耳に補聴器をつけるのか。そして、片方か両方か。になります。
結論から記載しますと、両方の耳に補聴器をつけられるのであれば両方の耳に装用するのが今現在、最も改善できる方法になります。
その理由は、
- 両方の耳の方が、補聴器で弱い騒がしい環境下もより良くできる
- 片方だと、つけていない側の聞こえは、思いの外、聞こえていない
の2つがあります。
両方の耳の方が、補聴器で弱い騒がしい環境下もより良くできる
まず、補聴器のことでお伝えしなければならないのは、補聴器は、今現在、どのような環境でも聞きやすくできるわけではありません。
特に騒がしい中での聞こえの改善度は、依然として少し低い状態になります。(聞きにくさが残りやすい)
静かな中では聞きやすいけれども周囲がザワザワしていたり、物音が多い環境だと聞きづらい。これは、補聴器では良くあることになります。
その理由には、様々な理由があるため、ここでは割愛しますが、大事なのは、騒がしい環境下では、補聴器は、聞こえの改善度、音声の聞きやすさは下がってしまう。ということです。
ですので、なるべく下がらないような改善の仕方をしていけると良いですが、その一つが、仮に両方の耳に補聴器が合うのであれば両方の耳に補聴器を装用することです。

主には、こんな感じですね。
片方のみの場合と両方の場合で異なるのは、主に騒がしかったり、周りに人がいるような環境でお話しする場合です。
補聴器は、騒がしい環境下では聞きづらくなりやすいので、なるべく両方の耳につけて、聞きにくさを減らしていけると良いです。
片方だと、つけていない側の聞こえは、思いの外、聞こえていない
注意しなければならないのは、片方だと、つけていない側の聞こえは、思いの外、聞こえていない。ということです。
実は、左右というのは、頭があることで、音が弱くなって反対側に伝わるため、片方が聞こえにくい状態。改善しない状態だと、その方向からの音に弱くなります。

特に音は、聞こえていないと聞こえていないことに気がつかない。という特性がありますので、なるべく改善度を上げていきたい方は、両方に装用して、良くしていくことが大事になります。
補聴器を使って聞こえを改善するレベル
次は、補聴器を使って聞こえを改善するレベルになります。
一言で言えば、どこまで改善するか。という話ですね。
補聴器がしていることの一つは、低下した聴力のところに音を入れ、なるべく聞こえを良くすることです。

簡単に言えば補聴器は、低下した聴力のところに、そのままだと音が聞こえてなくて聞きづらいので、なるべく正常の範囲を目指して、聞こえを良くしている。という状態になります。
補聴器をつけることで聞こえが良くなる。というよりも聴力ごとにどのぐらい補ったら、聞こえが良くなるのか。が異なるため、それを矯正するように調整して、聞こえを良くしている。ということですね。
こちらの方の場合は、主には、このような感じになります。

数字としては、だいたい30dB。良い方だと25dBぐらいまで行くのですが、聞こえの良いところは、そのまま聞こえが良い状態にし、下がっているところを補って聞きにくさを減らしていく。
そのようにできると良い状態になります。
一つ注意点としては、聞こえを良くすると良くするほど、いい意味でも悪い意味でもさまざまな音が聞こえるようになります。
ですので、聞こえの改善目標はあるのですが、そこを目安にしつつ、どこまで改善するか。は、相談できると良いです。
聞こえの改善度を重視する方は、聞こえの改善を重視してそのまま突っ走れば良いのですが、人によっては、それだとうるさくて苦痛に感じたり、使いづらい補聴器になってしまったりもあります。
目標は目標として理解しつつ、どのようにしたらその方に合った補聴器になるのか。を考えながら調整していきます。
ここの改善度が高ければ高いほど、聞こえは良くなりやすく、かつ、聞きにくさを減らしやすくなります。
実際の改善
さて、実際の改善。
お越しいただいた際ですが、耳の状況や補聴器に関する希望。そういったものをお伺いさせていただきました。
ありがたいことにご家族の方がこのお店をご利用になり、良かったことから、このお店にお越しいただいた方になるのですが、まずは、補聴器について、試聴していくことになります。
選んだ補聴器は、上記に記載した標準タイプの耳かけ形補聴器ですね。

補聴器の形状は特に気にせず、それよりも持病により手が動きにくいので、そのような状態でも操作できて、かつ、聞こえが良くなるもの。それを選んでいきます。
お店での操作は、特に問題なかったことから、日常生活上で試していただくことになりました。
なお、補聴器での改善は、以下の通りです。

補聴器がない状態に比べるとだいぶ数値はいいですね。20〜25dBというと、今現在の補聴器では、だいぶ良い数値になりますので、良いままキープしていきたいところです。
で、試した結果、聞こえの状態も良くなり、心配だったのは、問題なく補聴器を扱えるか。でしたが、その点も大丈夫そうだ。となり、こちらに決定になりました。
今現在の補聴器には、音量を自由に操作するボリュームというものがあり、自由に音を変えることができます。

こういった部分を活用し、時には、音を小さく、時には、音を大きくなど、自由に操作ができますので、そういった部分も活用しながら、使用されている状態になりました。
うまく使用されていることがわかったため、こちらで主には完了になります。
お客様の声


この度は、ご利用いただきまして、ありがとうございました。
ご家族様がご利用ということで、不思議なご縁をいただき、身体のご事情もありますので、その中で扱いやすく、そして、聞こえを改善できる補聴器を選び、現状をより良くさせていただきました。
そのことにより、お客様に貢献できたのであれば、本当に何よりです。
聴力としては、確かに軽度ではあるのですが、軽度と言っても人とのコミュニケーションやちょっとしたことが聞こえづらくて悩むこと。これは、たくさんあります。
軽度の難聴の方の場合、聴力だけで見た場合は、軽度かもしれませんが、コミュニケーション上の悩みまで軽度かというと、そのようなことはありません。
奥様が、早々に改善した方が良いのではないか。とお気づきになったのは、すごい慧眼なのですが、その際に、お役に立てたのであれば、本当に何よりです。
今後は、補聴器のメンテナンス等でお世話になるかと思いますが、その際は、またよろしくお願いいたします。
まとめ
ということで、今回は、軽・中等度難聴の老人性難聴の方の例について、のせてみました。
耳の場合、人によって状況が異なるので、参考になるかどうかがわかりづらいところはあるのですが、何か参考になったことがあったのであれば幸いです。
基本的に補聴器の場合、大事なのは、ご自身に合う補聴器を選び、そして、聞こえの改善をしていくことですね。
こちらの方の場合は、持病により、手を動かしづらい状態でしたので、その状態でも扱いやすく、かつ、聞こえを改善できるものを選ぶこと。そこを考えました。
そして、聞こえの改善は、基本的に調整の部分。どこまで聞こえを改善するか。で決まり、かつ、その部分は、あげればいいというものでもないのが難しいところですが、補聴器の使いやすさと聞こえのバランスを考えて、改善していけると良いです。
ということで、どこまで参考になるのかわかりませんが、何かヒントとなった部分があったのであれば幸いです。






