修理&故障

知っておきたい異常なしで補聴器の音が止まる原因

補聴器は、本体に異常がなくても音が止まったり、小さく聞こえることがあります。これらのものは、補聴器屋さんで見てもらうことで改善できたり、自分自身で改善することができます。難聴者にとって補聴器はなくてはならない存在であり、少しでも音が弱くなると不安に感じることもありますね。

少しでも、不安を取り除けるよう、今回は、それらの原因と改善方法について記載していきます。対処法を覚え、快適に使用できるようにしていきましょう。

異常なしの原因

異常なしで終わる原因は、ほとんど何かが詰まる事によって起こっています。考えられるものは、電池に空気を送り込む空気穴、耳かけ形についているフック、補聴器のマイク、耳せん、イヤモールドについているチューブ、耳せんや耳あな形補聴器の音口部分、これらです。

それぞれ両方起こるもの、耳かけ形だけ起こるものを記載していきます。なお、耳あな形にのみ起こる原因はありません。

両方起こるもの

どちらの補聴器にも起こることとして、

  • 空気穴の目詰まり
  • マイクの目詰まり
  • 耳せん(音の出口)栓塞

これらがあります。この三つは、どんな補聴器にもあるものであり、必須なものです。これらが詰まると音が出なくなったり、小さく感じるようになります。

空気穴の目詰まり

補聴器は、空気電池を使用しているため、どこかしら空気を入れる穴を設けなければなりません。空気電池は、その空気(厳密には酸素)を取り込んで発電します。しかし、この穴が詰まってしまうと電池がうまく発電できなくなってしまい、音が止まることがあります。

耳かけ形にも、耳あな形にも空気を取り込む穴が設けられています。基本的には、電池付近に設けられており、耳かけ形は、小さい穴が複数設けられていることが多く、耳あな形は、電池を入れる電池ホルダーの軸近辺が空いていたりするケースが多くなります。

なお、これは、空気電池の酸素を取り込む穴も同様です。この穴も詰まってしまうとうまく発電できなくなり、電池が使用できなくなります。

詳しくは、こちらをご覧下さい。

リンク:故障を減らすために知っておきたい補聴器の空気穴

マイクの目詰まり

補聴器のマイクの入り口も詰まると音が小さくなったり、出なくなったりします。小さく設けられているため、詰まりやすい部分でもあります。マイクそのものが詰まるケース、マイクの入り口にある穴が詰まるケース、両方あります。

耳せん(音の出口)が詰まる

耳かけ形補聴器は、耳の中に入れる耳せんが、耳垢やゴミによって塞がれることにより、音が小さくなります。これは、耳の型を採取して自分専用の耳せんを作る「イヤモールド」も同様です。

耳あな形補聴器は、耳の穴の中に補聴器を入れるため、耳垢により、音の出口を塞ぐことがあります。耳垢は、自然と発生するものであり、耳が塞がれていない場合は、外に排出されます。しかし、補聴器で耳を塞いでいるため、外に出ることがなく、耳垢が溜まりやすい環境になります。耳あな形の場合、多くの音が出ない原因は、こちらです。

耳かけ形補聴器は少なく、主に耳あな形補聴器に起こります。

耳かけ形

耳かけ形の場合、上記の三つに加えて

  • フックの目詰まり
  • チューブが詰まる

この二つが追加されます。これらが何らかの原因により、詰まると音が止まったり、小さくなります。基本的には、耳あな形より、耳かけ形の方が、音が止まる原因が多くなります。

フック(ダンパー)の目詰まり

フックの中には、ダンパーと呼ばれるものが入っている場合があります。

bolerodapa

上記の写真の○で囲んだ白い部品がダンパーです。ほとんどの補聴器は、この白いダンパーが入っています。稀に赤い色のダンパー、黄色、橙色のダンパーが入っている事もあります。このダンパーが埃、湿気などにより詰まると、音が止まったり、小さくなります。

チューブが詰まる

冬になると外と家の気温差により、水がチューブ内に溜まることがあります。それにより、音が小さく感じたり、音がしないように感じます。また、水以外にも、ゴミがチューブ内に入ると音が小さく感じることがあります。チューブは音の通り道ですので、詰まったり、遮るものがあれば、音が伝わりにくくなります。

対処法

対処法はそれぞれにありますが、この内でお客さん、患者さんができることは少なくなります。できる物は、空気穴、チューブ、耳せん(音の出口)これらの対処です。

空気穴

空気穴でできることは、その穴が詰まっていないかの確認と詰まっているようでしたら、いらない(使い終わった)歯ブラシで、軽く汚れを落とすことになります。この穴が詰まらないようにするのも重要です。

また、電池に関しては、一度シールを剥がしたあと、貼り直すことはやめましょう。粘着物が電池の酸素取り込み口についてしまうとうまく発電できなくなります。電池の不具合に繋がりますので、やらない方が長く使用できます。

チューブ

チューブ内に水が溜まった場合は、耳かけ形補聴器からチューブを外します。そして、耳せんを振ると中の水が出てきます。何らかの方法で、中のものを取り除けば構いませんので、カメラ用のクリーナー(空気を出すもの)を使用し、中の水を取り除きます。パソコンを掃除する用のジェットブローで、一気に抜いてしまうのも良いでしょう。中の水、埃を取り除けるものであれば、何でも構いません。

なお、チューブによっては、硬化してしまい、なかなか外れないものがあります。その場合は無理に外そうとせず、補聴器屋に持っていきましょう。無理に外そうとすると外した反動に手をぶつけ、怪我する可能性がありますし、補聴器に過度な力がかかり、思わぬ破損に繋がる事があります。固いチューブは、無理に外すのではなく、切り刻んで外しますので、チューブの交換が必須になります。特に、1年以上交換していないチューブは、ガチガチに固まっていますので、取り外すというよりは、切ってバラバラにします。

決して無理だけはしないようにしましょう。

耳せん(音の出口)

耳かけ形補聴器の場合は、チューブと同じく、取り外して水で洗います。イヤモールドや耳せんは取り外して洗えるのが良いですね。洗うのは、ぬるま湯をお勧めします。洗った後は、中に残った水を取り除き、表面を拭けば洗浄完了です。

より詳しく知りたい場合はこちらをご覧下さい。

リンク:快適にすごすために重要なイヤモールドの洗浄と洗い方

耳あな形補聴器の場合は、音の出口部分にフィルターがついています。それを交換する道具が必要です。どの補聴器にも交換する道具が販売されていますので、それを活用すると良いでしょう。

ただし、ご自身で「できないな」と感じるようであれば、無理にする必要はありません。その場合は、定期的に補聴器屋へ通い、補聴器を見ていただく(点検)事をお勧めします。耳あな形は、この部分が詰まりやすいため、定期的に見ていただいた方が、聞こえを安定させることができます。

それ以外

補聴器屋でみていただきましょう。こちら以外は、部品を取り外す必要があります。ご自身で行うよりも補聴器屋に行っていただいた方が安全です。

あとがき

音が小さくなる、聞こえなくなるケースについて記載してみました。難聴者の場合、少し音が小さくなるだけでもかなり聞きづらくなります。上記のものを知りつつ、解決できるところは、ご自身で解決できたほうが、不自由な時間も短縮できるようになります。あくまでも、できる方のみ行っていただければ幸いです。

また、補聴器屋に定期点検に行くのをお勧めします。目安は、人によりますが、大抵3~4ヶ月に一度がベストです。補聴器の場合、マイクや空気穴の部分に汚れが詰まるだけでも音が小さくなります。定期的に点検し、しっかり音が出る環境を作るのも重要なことです。

ご自身でできる事は行い、できないところは、補聴器屋で行ってもらう……でも良いですし、すべて補聴器屋に任せてもかまりません。自分にとって良い状態をキープできるよう考えることが重要です。

このページに関連する内容

【修理手順付】こんな症状が出れば補聴器の故障!すぐに修理しよう補聴器でこのような症状があったら修理した方が良いものをまとめると共に修理する際の手順も記載してみました。補聴器で何か感じた場合は、気軽に補聴器屋さんに相談してみましょう...
補聴器装用時、今までより聞きにくくなった場合の対応方法補聴器を装用していると、ある時を境に、急に聞きにくさを感じたり「最近、妙に聞きにくいような?」と疑問を感じる事があると思います。 ...
補聴器修理の概要と金額や保証に関するまとめ補聴器を購入する前に知っておきたい事として、修理に関する全般をまとめてみました。購入する前ではなくても、修理について知りたい方は、ぜひご覧下さい。...

補聴器に関する他の内容

【まとめ】聴力別、補聴器で聞こえを改善させる方法軽度難聴、中等度難聴、高い音が聞こえにくい難聴など、聴力別にどのように聞きにくさを改善したら良いのかをまとめてみました。聞きにくさにお悩みの方は、ご参考にしてみてください。...

補聴器の定期点検

補聴器購入後の定期点検と聞こえをキープする環境作りの大切さ補聴器を購入後は、聞こえの良い状態をキープする事が大切です。その方法である定期点検とその理由に関して記載してみました。良い状態で使い続けられると、結果的に困ることを少なくできます。...

故障を防ぐ

補聴器購入後、故障して困らないようにするための三つのポイント補聴器を購入後は、補聴器のケアを知ること。補聴器のリカバリー方法を知ること、定期点検を行うこと、これらを行えると、困りにくくなります。その内容についてまとめてみました。...

補聴器の修理

【修理手順付】こんな症状が出れば補聴器の故障!すぐに修理しよう補聴器でこのような症状があったら修理した方が良いものをまとめると共に修理する際の手順も記載してみました。補聴器で何か感じた場合は、気軽に補聴器屋さんに相談してみましょう...

補聴器の再調整

補聴器購入後、聴力が変わったら、再調整してもらおう補聴器を使用していて聴力が下がった場合は、気軽に補聴器屋さんに相談してみましょう。再度、補聴器の状態を調整し直し、今現在の状態に合わせ直してくれます。補聴器屋さんでは、このような事もしています。...

補聴器の電池

損をしないための補聴器電池の注意点と性能の良い電池補聴器電池の基礎、注意点、電池アラームの仕組み、お勧め電池メーカーについて記載してみました。電池は、適切に使用しないと使用容量の半分しか使えなかったり、うまく動作しなくなる事があります。電池は適切に使用しましょう。...

補聴器の使用注意

補聴器が影響を受けるものと検査を受けるための心得補聴器を使用していて、影響を受けるものがあります。それは、防犯ゲートや金属探知機、そして、MRIなどの検査機器です。こちらに関する内容と検査を受けるための心得についてまとめてみました。...

補聴器を無くさない

補聴器を紛失する原因と失くさないための2つの工夫補聴器を購入して、気をつけたいことの一つのは、補聴器を失くす事です。 今現在、補聴器の種類によっては、紛失補償。というものも出てき...

補聴器で改善した事例

補聴器の使い方

【初めての方へ】補聴器をスムーズに使うために覚えておきたい使い方初めて、補聴器を相談する方に対して、補聴器を使う上で必要な操作に関して、まとめてみました。これらのことができれば、補聴器をしっかり使用できるようになります。...

補聴器に慣れる

補聴器をつけると聞こえてくる音と補聴器に慣れる方法補聴器が初めての方のために補聴器を使用して聞こえてくる音となれる方法について記載しました。補聴器に慣れてくると、機械的な感覚も少しずつ楽になり、使いやすくなります。...

耳が痛くなる場合は?

補聴器を使っていて、耳に痛みを感じたら、早めのご相談を補聴器を使用していて、痛みを感じた場合の対応について記載してみました。痛みを感じた場合は、早々に補聴器屋さんに相談し、よりよくしてもらいましょう。...

耳から外れる場合は?

【快適に使うために】補聴器が耳から外れる場合の改善策まとめ補聴器が耳から外れてしまう。という場合に、どのようなことをして、改善していければ良いのか。こちらをまとめてみました。耳かけ形、耳あな形で異なりますので、その点に関しても記載しています。...

大きい音が辛い

聞こえる音が辛いという方へ送る3つのパターンとその改善方法補聴器を使用している方の中には、全体的に聞こえてくる音が辛い、聞こえてくる音がキツいという方がいます。補聴器を装用すると、機械で大きくし...

補聴器がハウリングする

補聴器を使っていて耳からピーピーなる音(ハウリング)を改善する方法補聴器を使用している時、たまにピーピーなる事があります。ハウリングという現象が起こると、そのようになるのですが、その音を止める方法についてまとめてみました。...
ABOUT ME
深井 順一
生まれつきの難聴者が対応している補聴器専門店、パートナーズ補聴器、代表。難聴の体でもなるべく人生を楽しめるように。という考えのもと、お店のサービスを考え、聞こえにくさにお悩みの方を補聴器で改善しています。書いている人の詳細は、”書いている人のページ”へどうぞ。お店に来た"お客様の改善事例は、こちら”に記載しています。最近は、Yourtubeにて、動画による解説も始めました。
【改善事例あり】聴力別、聞こえの改善方法をまとめてみました

初めまして、パートナーズ補聴器の深井と申します。

聞こえにくさにお困りの方のために、こちらでは、聴力別、補聴器による聞こえの改善方法に関して、まとめてみました。

もし、

  • 職場で聞きにくさに困る事がある
  • 聞きにくい事でうまく人とコミュニケーションしづらい
  • 他のところで相談したけど、よくわからなかった

などありましたら、参考にしていただき、聞こえの改善にお役立ていただければ幸いです。

なお、こちらのページには、実際のお客様を改善した事例まで、載せています。同じような症状の方、聴力の方を参考にしていただき、改善のヒントを掴めたのであれば、幸いです。

聴力別、改善方法お客様の改善事例