就職や転職の際に耳が聞こえにくい事は、伝えるか
就職する際や転職の際に、耳が聞こえにくい事は、伝えるか。この点は、意見が分かれるところだと思います。
私は、片耳のみ難聴の人間ではなく、両耳とも聞こえにくい耳の人間ですが、私の意見を伝えさせていただけるなら、耳のことは、伝えた方が良いと考える派です。
その理由は、
- 耳の事に関して、ある程度、理解がない場所は、働くのが厳しい
- リスクを隠したままだと、いつ何を言われるか、わからない
の2つがあります。
私のお店では、片耳のみ難聴の方も来られますので、その方々とお話ししてみて、感じたことや自分の意見に関して、記載していきます。
耳の事を話した方が良いと思う2つの理由
私の場合は、結論から記載しますと、耳の事は、伝えた方が良いと考えています。
その理由は、上記の通り、
- 耳の事に関して、ある程度、理解がない場所は、働くのが厳しい
- リスクを隠したままだと、いつ何を言われるか、わからない
の2つです。
耳のことに関して、ある程度、理解がない場所は、働くのが厳しい
一つ目は、こちらです。ある程度、配慮や耳の事を伝えておかないと、初めはよくても、後々、働きづらくなる傾向があります。
場所による働きづらさ、例えば、騒がしいところでの仕事(居酒屋、飲食店系)などもありますが、それ以上に、耳の事を伝えてなかったがために、変な誤解や意思疎通がしにくくなると、働く人との関係性に影響が出やすく、職場での人間関係が悪くなりやすくなってしまいます。
職を辞める理由の上位には、だいたい職場の人間関係が出てきます。聞きにくい事で、どうしてもこじれやすくなったり、誤解されることが増えると、人間関係は、それにつれて悪化する傾向が出てきます。
しかし、重要なのは、これらは、前もって伝えておくことができたら、もしかしたら、防げたかもしれないことです。
耳は、聞こえにくい事は、外見では、わかりません。そのため、その方の申告がないと、感づかれる事は、あっても、認識することが難しくなります。
全てが全て、防げるとは、言いませんが、なるべく自分が働きやすいようにしておく事は、聞こえにくさを抱えている人にとっては、重要な事だと、私自身は、考えています。
理解が残念ながら少ない職場では、働くのは、正直、厳しくなりやすいのが現状です。
リスクを隠したままだと、いつ何を言われるか、わからない
2つ目は、こちらです。聞こえにくい事を隠して、入った場合、聞こえにくい事を後で、言われるケースが考えられます。
この場合、あとで指摘されるのは、リスクであり、言われたあとにどのような対応になるのかは、私自身、よくわかりません。
私の場合は、後から言われるのが嫌だったため、アルバイトの時でも就職の時でも、耳のことは、伝えていました。隠して入って、それをあとで指摘されるのが、嫌だったためです。
重要な点は、仮にバレなかったとしても、リスクは、リスクとして、存在し続けている事です。聞こえにくい事をいつでも、指摘される可能性がある状態ですので、仮にその時は、回避できても、ずっとリスクは、側にいることになります。
それよりも、予め対策をしておき、リスクをリスクのままにしないようにしておくことの方が、私自身は、より自分に合った職場を探せる事に繋がると、考えています。
耳の事を伝えていた私の経験
私自身も聞こえにくい人として、アルバイト、職場、それらの部分で働いたり、面接も経験してきました。
上記のような事を記載すると、もしかしたら、断られるのではないかと心配になる方もいるかと思います。
この点に関して、私の経験上にはなりますが、その部分は、ないとは言いませんが、薄いと思っています。
理由は、
- 耳の事を伝えれば、ある程度、理解してくれる事
- 落ちた際は、他の要素が影響していた可能性が高い事
この2つです。
耳の事を伝えれば、ある程度、理解してくれる事
あくまでも個人的な感想ではありますが、耳が聞こえにくい事とその状態に関して、しっかり改善している事を伝えておけば、耳のことに関しては、ある程度、理解してくれたように感じます。
私の場合「生まれつき耳が聞こえにくいため、補聴器をつけて、聞こえを改善しています。たまに聞きづらいことがありますが、近くで話してもらえれば、理解できます」と伝えていました。
面接の際でも、しっかり意思疎通ができていれば、そのお話に関して、信憑性が増し、より説得力が強くなります。
人によって変わる部分はあるかと思いますが、意外にも話す事で、理解してくれるところはあるんだなと、アルバイトを初めて行なった高校2年生の時に、私自身は、感じました。
なお、この経験があったため、就職の時も耳のことは、予め、伝えていました。伝え方は、上記の通りで、同じです。
その結果ではありますが、内定は、3ついただき、その中の一つである補聴器販売の会社に就職することになります。
落ちた際は、他の要素が影響していた可能性が高い事
2つ目は、こちらです。落ちた際は、面接の際にちゃんと答えられなかったケースに多いと感じました。
相手(面接官)が聞いている事やその意図を汲む事ができず、話してしまったり、聞かれたことに対して、あまり考えずに話してしまう事で、私自身も落ちた事は、たくさんあります。
自分の中で印象深い体験が2つあります。それは、アルバイトの時に落ちた事と就職の際に落ちた人です。
アルバイトを初めて行うことになったのは、高校2年生の頃で、遊ぶお金が欲しかった私は、アルバイトをす探す事になります。
初めて面接に行った際は、高校生だったため、面接官も「どのくらい来れますか?」や「テストの期間は、仮にバイトをしてほしいと言った場合、どうしますか?」「○○なことが起こった場合、どうされますか?」と聞かれたことがあります。
その内容に対し、私は「頑張ります」や「どうにかします」と言った曖昧な言葉ばかり使っており、今思えば、全く会話になっていなかったな。と今では感じています。
また、就職のケースでは、面接が何度かある会社で、同じグループに私を含めた3人の人がグループ面接になり、面接官に聞かれたことに関し、3人で順に答えていく。という流れの中、1人だけ、話が長く、さらに自分の事を語る事が多くありました。
その面接に関しては、そのまま私は、進んでいったのですが、次の面接会場では、その前の面接をクリアした人が全て集められ、そこには、その話が長かった人は、いませんでした。
その時に強烈に感じたのは「聞かれてもいないことに関しては、話さない事」「聞かれたことにしっかり答える事」の2つでした。
特に聞かれてもいないことを話すというのは、面接官にとって、聞いていないことになるため、話を聞くのにも疲れてしまい、さらに時間をより消耗するという、悪いことしか起こりません。
それらの経験から、個人的には、落ちた要素に関して考えてみると、耳のこと以外によるものが圧倒的に多いのではないかと、感じています。
これは、逆に言えば、耳の事を対策しておき、ちゃんと聞かれたことに対して、答えるという事をすれば、クリアできる可能性は、あるという事でもあります。
耳の事をどう伝えるか
耳の事を伝えると考えた場合、今まであまりして来なかった方は、難しく感じるかもしれません。
あくまでも私の経験上にはなりますが、上記の通り、
- 聞こえにくい事
- 補聴器を使って、なるべく改善している事
- 仮に聞きにくかった際は、どうするとわかりやすいのか
この3つに関して、伝えられると良いと思います。
一応、私の場合は、高校生の頃から、伝えるように意識してきました。
もちろん、高校生の頃は、聞こえにくい事と補聴器を使って改善していることしか伝えていませんでしたが、上記の3つを伝えられるようになると、いいのかなと感じます。
就職する事を目的にするのではなく、適した場所を見つけるようにしてみよう
私が言えるのは「就職する事を目的にするのではなく、適した場所を見つけるようにしてみよう」という事です。
残念ながら耳が聞こえにくく、補聴器を装用したとしても、まだまだ聞こえにくさに関しては、ある状態です。
ですので、就職する事を目的にしてしまうと、思わぬ事を引き起こすこともあります。
私の場合は、逆に耳の事を伝えて、それでも採用されるところが一番良いと思っています。
なぜなら、そのような場所こそが、適した場所であり、働きやすい環境を見つけることに繋がるからです。
もちろん、耳の事を伝えるのは、予め話しておく事で、不毛ないざこざなどを防ぐ意味もあります。誤解が少なくなる事だけでも、いう意味は、あると、私は、考えています。
今現在、働く期間が長くなり、今現在生きている人は、70年、80年くらい働くのではないかと言われるようにもなってきました。
そこから言えるのは、無理なく働けるところを探すことが重要になってきている。という事です。
就職を目的にするのではなく、自分が適したところを見つける。そのようにしていったほうが、最終的に良いところで働ける可能性が高くなると、私自身は、考えています。