耳・補聴器のこと

アドラー心理学から学ぶ、難聴の方に大切な課題の分離

深井 順一|パートナーズ補聴器

補聴器による聞こえの改善は、聞こえの改善と補聴器のFAQ、にまとめています。また、個々の症状(症例)ごとの改善は、お客様の聞こえの改善事例にまとめています。

こんにちは、パートナーズ補聴器の深井です。ご覧いただき、ありがとうございます。

今回、記載していくのは、タイトルの通り、アドラー心理学から学ぶ、難聴の方に大切な課題の分離。こちらの内容を記載していきたいと思います。

今現在、アドラー心理学 嫌われる勇気 という本を読み返している最中なのですが、この本の内容は、難聴の方であれば、多くの方に必要な考え方だと感じています。

その代表格がタイトルの中にもある、課題の分離。というものです。

今回はこちらについて記載していきます。

難聴の方の課題

さて、難聴の方の課題について記載していきますと、補聴器で聞こえを改善するものの、残念ながら、今現在、補聴器は耳を治す。というところまではいきません。

今より、聞こえにくさや不自由さ、不便さは解消されるものの、全てが解消されるわけではない。となると、じゃあ、その他のものは、どうしたら良いか。という課題があります。

今現在、その点に関しては、周りの方に「聞こえにくいため、補聴器をつけています。ゆっくり話してくれるとわかりやすいです」とか就職する際やアルバイト、パートの際の面接で耳のことを伝える、補聴器のことを伝えるという場面もあります。

このように周りの方に耳のこと、補聴器のことを伝えるという場面、協力をいただく場面というのが出てきます。

この際、難聴の方がよぎるのは、「果たして、こんなことを言って、周りの方に変に思われないだろうか?」とか就職、アルバイトやパートの面接の際に「耳のこと、補聴器のことを伝えると、それがマイナスに働き、落とされないだろうか?」ということだと思います。

伝える必要性や言ったほうがいいんだろうな。と思うものの、実際にそれを伝えたら、相手がどのような反応をするのかわからない。だから、伝えられない。という人も少なくありません。

少しでも環境をより良くしていくためには、周囲の方にも耳のこと、補聴器のことを伝えていく必要性が出てくる時もあります。

では、その時、どのような心構えをしていければ良いのか。その答えは、このアドラー心理学 嫌われる勇気の中にあります。

課題の分離という方法

アドラー心理学 嫌われる勇気の本の中では、アドラー心理学の解説が基本です。このアドラー心理学は、すべての問題は、対人関係にある。とし、その対人関係をどのように解消したら、人が幸せに生きていけるようになるのか。を考えた本です。

全ての問題は、対人関係にある。と言われると、本当にそうなのかな?と思うこともあるかもしれません。しかし、私自身は、思い当たる節は多いなと考えています。

例えば、上記の耳のことを伝える、補聴器のことを伝えるなんて、まさにそうです。

対人関係と言いますか、それを伝えた時にどのような反応をされるかがわからない、勤めている会社には、実は耳のことを伝えておらず、そのことを伝えたら、何言われるかわからない。こういった恐怖があるから、耳のことを伝えていない方も中にはいるでしょう。

では、そのような状況をどのように良くしていくのか。それが、課題の分離です。

課題の分離とは、その問題は、誰の問題なのか、誰の課題なのか。です。

例えば、勇気を出して、耳のこと、補聴器のことを相手に話したとします。その際、そのことを受け入れてくれるのか。それとも「何それ、私に関係あるの?」と拒否されるのかは、相手の課題、相手の問題になる。ということです。

伝える側ができることは、あくまでも伝えるだけです。その伝えた内容をどう理解するか、それを受け入れるか、受け入れないかは、相手の課題になります。

ここを無理にでも理解させよう。受け入れさせよう。とすると「相手の心理を操る◯つの方法」だとか、権力だとか、法律で、無理やり従わせ、相手を力で屈服させることになります。

こういったやり方をされた方は、おわかりいただけると思いますが、その内容に納得して、それを受け入れたわけではありません。無理やり屈服させられたら、誰だって、怒りを感じます。ですので、後でとんでもない反動がきます。

いわゆる復讐とか、こちらが弱くなった時にやり返されるなどですね。

このように伝えはするけれど、それを受け入れるか、受け入れないかは、相手の課題になる。ここを理解できると、心は楽になります。

実は私も、発売当初(確か2013年頃)にこの本を読んでから、「なるほど、そういった考えがあったのか」と感じ、今現在、自分自身でも実践しています。

中には、大変ありがたいことに受け入れてくれる方もいますし、中には、そうでない方もいます。

大事なことは、全ての方が受け入れてくれるわけではないのですが、それと同時に全ての方が拒否するわけではないということです。

その受け入れてくれた方。大変ありがたい受け入れてくれた方とのお付き合いを大切にする。それが個人的には、大事なことだと思っています。

耳のこと、補聴器のことを伝えるのは、とても勇気がいることです。

聞こえにくい時に、気軽に聞き返せる、ちょっと変な返答をしても、そんなに気にしないでもらえる(相手からして、ちょっと聞きづらかったかな?と思われるぐらいで済む)など、そのような方々をどれだけ増やせるか。そこがカギだと個人的には、思っています。

大事なことは、変えられることに集中すること

ここで、大切なことを一つお伝えさせていただくと、大事なのは、変えられることに集中することです。

例えば、難聴の耳、障害を負った体というのは、変えられるものではありません。今現在、地球上に治療する方法が存在しない以上、それは変えられないことです。

しかし、補聴器を付けて、よりその障害度を軽くすること、不自由さ、不便さを少なくすること、これはできます。

耳のこと、補聴器のことを周りに理解してもらうこと。これは、変えられません。それは、相手が決めることだからです。しかし、耳のことや補聴器のことを周りに伝えること。これは、できます。

有名な言葉にニーバーの祈りというのがあるのですが、ここで繰り返し出されている内容は、変えられないものを見るのではなく、変えられるものを見ることです。

私がアドラー心理学が素晴らしいと思う点は、この変えられないものを見るのではなく、変えられるものに集中し、人々がどのようにしたら、幸せに生きていけるようになるのかを考えていることです。

上記の課題の分離もそこからきています。相手が自分のことをどう思うか。これは相手の課題になりますので、自分がそもそも介入できる問題ではありません。

大事なことは、変えられないものと変えられるものを見分け、変えられるものに集中していくこと。こちらになります。

まとめ

さて、アドラー心理学の内容に関して、記載していきました。こちらの内容は、難聴の方であれば、非常に参考になる内容が多く含まれています。

こちらでは、課題の分離という内容を中心に記載していきましたが、それ以外にもたくさん有用な内容は、あります。

しばらく、参考になる内容については、このブログの中に書いていきたいと思いますので、もし気になる方は、ブログを読んでいただくか、本を読んでいただくことをお勧めします。

ABOUT ME
深井 順一|パートナーズ補聴器
深井 順一|パートナーズ補聴器
使っている人が対応している補聴器専門店・代表
1986年、7月1日生まれ。生まれつきの難聴者で小学2年生の頃から補聴器を使っています。聞こえにくい側の状況やお気持ちは、同じ難聴者や当事者にしかわからないことがある事から、このお店では、実際に補聴器を使っている私自身がご相談を承っています。

お店のご紹介

初めまして、パートナーズ補聴器の深井と申します。

このお店は、生まれつき難聴で補聴器を使っている人が対応している補聴器専門店です。

聞こえにくい側の状況やお気持ちは、同じ難聴者や当事者にしかわからないことがある事から、実際に補聴器を使っている当事者がご相談を承っています。

お店の詳細は、以下のページへどうぞ。

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