補聴器のプログラムスイッチ機能と使う上での注意点
補聴器には、音を切り替えるプログラムスイッチというものがあります。
こちらは、音を切り替える設定のことで、場所場所を想定して、その環境専用の音に切り替えることです。
元々、設定をしておかなければ使えないものですが、設定をしておくことにより、より補聴器を活用しやすくなる機能の一つでもあります。
プログラムスイッチとは
プログラムスイッチとは、冒頭の通り、音を切り替えるスイッチの事です。
補聴器には、内部に色々な設定をしておく事ができ、プログラムを予め、作っておくことにより、そのプログラムに切り替える事ができます。
よくあるのが、騒がしい時用の設定を中に入れておき、仮に騒がしい環境になったら、スイッチを押して、切り替える。というやり方です。
騒がしい環境下では、どうしても周囲の音が大きくなり、聞きにくくなりがちですので、なるべく周囲の音が大きくならないようにして、音を大きくし、聞こえを改善するようにします。
普段使う音の設定以外のものを追加し、プログラムスイッチを押して、使う。そのような使い方をするのが、プログラムスイッチです。
耳にかける補聴器には、この部分がスイッチで
小さいタイプの補聴器は、この部分がスイッチになります。
耳あな形補聴器の場合は、ここがスイッチになり、ここを押すことによって、切り替える事ができます。
プログラムスイッチが作られた理由
プログラムスイッチが作られた理由、この場合、複数のプログラムを作る必要性の理由といえば、わかりやすいかもしれません。
その理由は、周囲の状況や音環境によって、聞こえを改善する方法が、異なるためです。
例えば、比較的、静かな環境であれば、そのまま聴力そのものを補うようなやり方で、聞こえを改善していければ良いのですが、騒がしい中での聞こえの改善の場合は、音が入りすぎて、周囲の音によって、聞こえが阻害される事が増えてしまいます。
そのため、補聴器には、指向性と呼ばれる機能があったり、各種、抑制する機能があります。
騒がしい環境下の場合は、これらの機能を活用して、なるべく音声が邪魔されないようにして、聞きにくさを改善するようにします。
しかし、静かなところでは、どうか。と言いますと、静かなところでは、逆に音を抑えてしまうと、少し聞きづらくなってしまう事があります。
このように一つのものですと、どっちつかずになりやすい事から、プログラムや普段使う用のプログラム以外のものを用意し、なるべく、どちらでも対応できるようにしたのが、プログラムの大元です。
最近は、自動で、周囲の環境を感知し、それぞれ適したプログラムにしてくれるような機能も出てきています。
音環境によって、最適解が変化しますので、複数のプログラムを用意し、なるべく場所ごとの最適解で聞けるようにするために、プログラムは、あります。
プログラムの注意点
プログラムの注意点は、多くしすぎると、複雑化する事です。
その弊害としては
- ご自身が使いづらくなる
- プログラムごとの使用状況を把握しなければならない
の2つがあります。
ご自身が使いづらくなる
仮にいくつもの数があった場合は、プログラムスイッチを押して、順番に切り替えていきますので、数が多いと、切り替える回数が多くなり、使いづらくなります。
例えば、全部で4個プログラムがあった場合は、プログラムスイッチを押して、①番目、②番目、③番目……と順番に切り替えていくことになります。
そして、元に戻す場合も、押して、切り替えていきます。
多いと、かえって使いづらくなりますので、できれば、使うプログラムは、数を抑えられると良いです。
特殊な環境が多いのであれば別ですが、そうでないのであれば、むやみに増やすと、かえって使いづらくなります。
プログラムごとの使用状況を把握しなければならない
これは、補聴器を調整する際に影響します。
例えば、上記のようにいくつかプログラムがあった場合、どのプログラムを使っていて、どう感じたのか。仮に聞きにくい。と、言われた場合、どのプログラムを使って、そう感じたのか。を把握する必要があります。
プログラムが多い場合、どのプログラムを使って、どう感じたのか。その点を表現したり、自分の使用状況がわかる場合は、大丈夫なのですが、仮に把握しづらい場合は、うまく言っているプログラムを操作してしまい、かえって、聞きにくくなることもあります。
これは、数が多くなると、多くなる程、複雑さが増し、3、4つあたりで、かなり複雑になります。
あまりにも多くしすぎると、調整の際に正確な確認と膨大な時間がかかるようになりますので、その点に注意です。
まとめ
プログラムスイッチとは、音を切り替えるためのボタンで、補聴器には、内部にいくつか、音の設定を入れておけます。その設定を、いつでも切り替えられるようにしているのが、プログラムスイッチになります。
プログラムの概念が生まれたのは、一つの調整だと、どっちつかずになる事が多かったため、なるべく、場所ごとの最適解で聞こえるように調整し始めたのが、きっかけです。
今現在では、自動で静かな時は、静かな時用の音、騒がしい時は、騒がしい時用の設定、と、切り替えてくれる補聴器も出てきており、聞こえの環境の最適化は、しやすくなってきました。
そのための機能がプログラムスイッチです。
注意点としては、あまりにも多くしすぎると、使用しづらくなり、かつ、調整が複雑化しすぎる事です。
その点に注意して、使えれば、この機能は、良いものになり、より補聴器を有効活用することもできるようになります。