生まれつき難聴の私が自分の聞こえにくさを可視化してみた
さて、先日「語音明瞭度測定で理解できる3つの事」という内容をブログに書きましたが、今回は、その延長。自分の聞こえを可視化してみる事にします。先日書いた上記の内容は、語音明瞭度測定を行う事により、できる事を載せてみました。こちらを行うと、日常生活の困り度、状況が理解しやすくなります。
そこで、生まれつき聞こえにくい私が、どのような聞こえなのか、聴力からして、どのくらい聞こえにくさがあるのか、全て可視化してみる事にしました。私の聴力は中等度難聴です。その聞こえにくさは、どのようなものなのか。今、明らかにされます。
なお、本内容は、上記の内容をご覧にならないとチンプンカンプンになりますので、その点は、ご注意ください。※比較基準に使用される表に関しては、下記にも記載しますので、ご安心ください。
自分の聞こえを可視化してみた
さて、早速見てみましょう。自分の聞こえを可視化するにあたり、必要なのは
- 聴力測定
- スピーカー、補聴器なし、語音明瞭度測定
の二つになります。
聴力測定結果
私の聴力は、以下の通りです。
以前載せているものよりも低い音が徐々に低下してきてしまいました。平均聴力は、右:60dB、62.5dBといったところでしょうか。典型的な中等度難聴です。
こちらの図の見方が不明な場合は、こちらをご覧下さい。
リンク:オージオグラムの見方と検査数値から見る耳の聞こえにくさ
スピーカー、補聴器なし、語音明瞭度測定結果
さて、本編。実際に自分の耳は、どのようになっているのか。調べてみました。
こちらの結果は、このようになりました。これではわかりにくいので、図にします。
こちらは、普段の聞こえにくさを可視化するため、補聴器を装用していない状態で、防音室の中でスピーカーから音を出し、測定した状態です。まさに、普段の状態は、どのような状況かをテストしたものとなります。
これだけでは、わかりにくいため、理解に必要な二つの表も入れます。
※補聴器フィッティングの考え方を参考に製作
おなじみこちらと
こちらですね。
50dBは、全く音を感じませんでしたので、0。60dBで、25%、この数値は「日常会話においても読話や筆談の併用が必要」となり、音声だけでは、理解ができないレベルです。そして、70dBまであげると一気に聞こえるようになり、理解度が上がります。
一般的な生活を基準に見ますと、離れた時の会話音(3m)では、全く気が付かない、あるいは、言われても全く理解できない事がわかります。これは、離れた場所から呼ばれた際や少し離れたところから、何気なく言われた事、呼ばれた場合にわからない事を表します。
さらに、人が話す普段の会話音量では、25%でしか理解できないのですから、ほとんど会話ができない事もわかります。声を大きくしてもらえば理解しやすくなりますが、なかなかそのような方もいません。人が話す普段の会話音量で、それだけしかわからない場合は、特に複数の人とお話しする際は絶望状態になります。会話音量が小さくて一人のお話しでもわかりにくいのですから、これは、仕方がありません。
これらの事から、中等度難聴でも、結構わかりにくい状況下にあるという事がわかります。このような状況では、コミュニケーションの意思疎通は、難しいでしょうし(普通の会話がわかりにくい時点でかなりアウトです)、聞こえにくい事で、相手にも、自分にも負荷がかかります。
中等度難聴の状況は、こんな感じです
私自身の聴力から、音声がどのように聞こえているのか、どのような状況なのかを可視化してみました。いかがでしょうか。中等度難聴で、このレベルになります。もっとも聴力レベルが、60dB付近になりますと、一般的な会話音量のレベルが、小さく聞こえるようになるため、会話はかなりしづらくなります。聴力が正常な方でも、声が小さいと理解しにくいように、音声には、ある程度音量がないと理解できません。
聴力だけではわかりにくいところがありますので、今回は、語音明瞭度測定で、自分の聴力レベルを可視化してみました。この方が、聴力レベルだけより、非常に状況が理解しやすくなりますね。
中等度難聴といっても様々な聴力がありますので、一概には言えませんが、このように自分の聞こえを可視化する事もできますし、現状を確認する方法もあります。
中等度難聴の状況は、こんな感じです。
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リンク:【どのくらい聞きにくい?】難聴レベル別聞きにくさのまとめ
リンク:耳が聞こえにくい私がフォナック補聴器を使い、かつ扱っている理由