【快適に】クロス補聴器を使って、耳が痛くなった場合の対処方法
クロス補聴器を使用していて、耳の中が痛くなる、耳の付け根が痛くなるような場合、いくつか対処法があります。こちらに関しては、あまり起こることではないのですが、起こる方に向けて、その改善方法を記載していきます。
厳密には、クロス補聴器の種類や補聴器側(聞こえる耳側)で痛みを感じるのか、それともクロス側(聞こえない耳側)で痛みを感じるのかによっても、対処法が異なりますので、それぞれまとめていきます。
痛みなど感じず、快適に使用できる方がいいですので、仮に痛みを感じてしまう場合は、参考にしてみてください。
両耳とも耳かけ形クロスの対処
両耳とも耳かけ形のクロスとは、
このような形状のタイプです。こちらは、補聴器側(聞こえる耳側につけるもの)とクロス側(聞こえない耳側につけるもの)の2つがあり、それぞれ対応する方法が異なります。
両耳とも耳かけ形クロスの補聴器側
こちらを使っていて痛みを感じることがあるのは、
- 補聴器を使用している耳の付け根の部分
- 補聴器のイヤホンを入れている耳の中の部分
この2つです。
補聴器を使用している耳の付け根が痛い
耳の付け根とは、
この部分になります。この耳の上に補聴器そのものが乗っているのですが、その耳の付け根と言いますか、生え際と言いますか、その部分が痛くなることがあります。
この部分が痛くなる要因の多くは、縦の部分の長さが合っていないことが多いです。
「た、縦の部分?」と首を傾げてしまう方が多いかもしれませんが、基本的にこのような補聴器の場合、耳の穴から、耳の上までの長さを変えられるようになっています。
これは、各、耳のサイズに合わせられるようにサイズを変更できるようにしているのですが、ここのサイズが短いと耳の付け根、生え際のあたりで、線の部分が耳に擦れてしまい、結果として、痛みが生じる。ということが起こります。
そのため、仮にそのような事が合った場合は、適したサイズにするか、1サイズ大きめにしてみるとよくなる事があります。
縦の部分は、いくつかサイズがありますので、ご自身に合ったサイズを選べると、そのような事は、ほとんどなくなります。
補聴器のイヤホンを入れている耳の中が痛い
こちらは、装用している耳の中になります。
こちらの対応方法は、耳の状況によって異なりますので、説明が難しいのですが、改善する方法は、主に
- それぞれのサイズを変える
- スリムチップを使う
になります。
それぞれのサイズを変える、とは、先ほどの
縦の部分の長さを変えてみたり、耳せんのサイズを変えてみたり、という事です。
痛みの原因になる要素は、
- 耳の奥に入れ過ぎてしまい、痛みが生じている
- 耳の中のどこかに常時当たっており、擦れて痛みが生じている
の2つがあります。
奥に入れ過ぎてしまっている場合は、奥に入れ過ぎず、その少し手前まで入れるようにして、痛みを無くせば良いのですが、問題は、耳の中のどこかに常時当たっており、擦れて痛みが生じているケースです。
こちらは、なかなか一般的な事が言えず、耳の中の大きさや形、状況は、人によって異なりますので、先ほどの縦のサイズを変えてみたり、耳せんを変えてみたりし、今まで当たって擦れてしまっている部分を避けるようにできると、改善する事ができます。
なお、最終手段としては、このような耳の形をとった耳せん、スリムチップもあります。こちらを使うと、
- 耳の奥に入れ過ぎてしまい、痛みが生じている
- 耳の中のどこかに常時当たっており、擦れて痛みが生じている
の2つとも一気に改善できるようになります。金額は8,500円(非課税)ですが、改善には、もってこいのものになります。
ただし、注意点がありまして、
- 聞こえる耳側が場合によっては、聞きにくくなる
- 閉塞感を感じやすい、自分の声が、少しこもった感覚を感じやすい
の2つが起こる事があります。
こちらのものは、耳を塞ぐようになりますので、聞こえる耳側につける場合は、聞こえる耳側が聞こえにくくなる可能性があります。
穴を大きく開け、なるべく塞がないよう、かつ、緩めに製作するなどの工夫をしても、聞きにくさが出るケースがあり、人によっては、この部分がなかなか改善できないケースもあります。特に耳が小さいケースは、穴を大きくするスペースがかなり取りづらいため、難航します。
また、耳を塞ぐようになりますので、イヤホンを耳にしている時に感じる、耳がふさがった感覚、自分の声が頭の中で響く感覚、というのも感じやすくなります。
どちらもなるべく起こりにくくなるよう加工するのですが、実際には、上記の2つの部分があまりないかを確認しながら、改善をしていくのが必須の製品です。
先ほど、紹介したスリムチップは、耳の型を採取し、その人の耳の形に合わせたオーダーメイドの耳せんです。製作から3か月は、無償で作り直す期間があります(再作期間と言います)。合わなければ何度か作り直す事ができる製品ですので、作り直しながら、改善をしていく事も可能ではあります。
両耳とも耳かけ形クロスのクロス側
こちらを使っていて痛みを感じることがあるのは、上記の補聴器側と同じく
- 耳の付け根の部分
- 耳の中の部分
この2つです。
クロス側の耳の付け根の部分が痛い
こちらの場合は、補聴器側と同じく縦のサイズが合っていない事が原因である事が多くなります。
ここのサイズにも、色々とありますので、ちょうど良いサイズ、もしくは、ちょうど良いサイズから、1サイズ大きいものを選んでいただくと良くなる事が多いです。
なお、こちらは、一点、注意が必要なのですが、縦の部分を長めにすると、クロス側が耳の後ろに隠れやすくなります。
クロス側が後ろに隠れると、音を拾いにくくなりますので、必要以上に長くするのは、オススメしません。音が入りにくくなり、結果として、聞きにくくなる傾向が強くなるためです。
適切な長さに合わせることにより、ほとんどは改善しますので、長さを合わせる事が大切です。候補となるサイズのものを付け替えながら、自分の耳に装用できると、適したサイズは、わかりやすくなります。
クロス補聴器は、基本的にクロス側の聞こえがそのまま聞こえの改善度に直結するため、一番重要になります。クロス側に関しては、適したサイズにすることで、聞こえも優先しつつ、使用感覚も優先でき、オススメです。仮に痛くなってしまう場合は、そこから、1サイズ大きくして、なるべく聞こえを阻害せず、快適に使用できるようにするのが、ベストです。
クロス側の耳の中の部分が痛む
こちらも補聴器側と同じなのですが、
- 物の各サイズを変えてみる
- クロスチップを使う
の2つがあります。
物の各サイズとは、耳せんのサイズや縦の部分の長さを変える事です。
一番良いのは、耳の型を採取して作るクロスチップ、と呼ばれる物です。こちらは、補聴器側と異なり、つけている側に音を聞かせる必要はないため、固定するだけに使われ、補聴器側のようにこもったり、自分の声が響いてしまったり、というのは、感じにくくなります。※聞こえない耳側もある程度、聴力が残っていると感じやすくなります。
そのため、こちらは、ほぼ無条件でオススメできるものであり、痛みの改善もしやすい優れものです。物の各サイズを変えても、あまり改善しない場合は、こちらにできると、改善できる事が多くなります。
補聴器側の欄にも記載しましたが、痛む原因は
- 耳の奥に入れ過ぎてしまい、痛みが生じている
- 耳の中のどこかに常時当たっており、擦れて痛みが生じている
の2つによるものが大半です。この2つに共通することは、既成のサイズのものを使うことにより、変に耳の奥まで行ってしまったり、形が合わないがゆえにどこかに当たって痛みが生じることです。
これらの部分は、形が合っていないことにより起こることですので、耳の型を採取して製作するオーダーメイドのクロスチップの場合は、起こりません。良くも悪くも耳の形に合わせて作るため、変に入りすぎることも当たることもなくなります。
このように改善できると、クロス側は、ベストではあります。
クロスチップとは、クロス側をつける側の耳の型を採取して製作するオーダーメイドの耳せんです。耳の中が痛くなってしまったり、痒みが出やすい方にオススメのもので、9,180円(8%の税込価格)で製作できます。補聴器側と異なり、デメリットがほぼないため、仮に痛みを感じる方や痒みを感じやすい場合は、製作して、それらを抑えられると快適に使いやすくなります。こちらも仮に合わない場合は、3ヶ月の再作期間があり、その間は、無償で作り直しができます。
耳かけ補聴器、耳あなクロスの対処
耳かけ補聴器、耳あなクロスとは
このような組み合わせをするタイプです。
こちらも、耳かけ補聴器側と耳あなクロス側で痛む部分から改善させる方法が異なります。
耳かけ補聴器側の対処
こちらの対処方法ですが、耳かけ補聴器側は、上記の両耳耳かけクロスの補聴器の部分と全く同じになります。こちらの場合は、上記の両耳耳かけクロスの補聴器側のケースをご覧ください。
耳あなクロス側の対処
耳あなクロス側ですが、痛みを感じることはほとんどありません。
まず、こちら側は、使用する方の耳の型を採取して作る機器になります。制作時、耳の中が圧迫されている感覚(耳の中が広がる感覚、きつい)を感じるということは、あるのですが、良くも悪くも形をとって製作していますので、痛みを感じるのは、ほとんどありません。
仮に痛みを感じたり、耳の中が圧迫されている感覚を感じたら、3ヶ月の無償で作り直す期間(再作期間)がありますので、耳の型を取り直し、今度は、ゆるく作ってもらったり、圧迫されている感覚を伝えて、製作してもらうことで、改善する事が多くなります。
耳あなのクロス側に関しては、3ヶ月間の再作期間があることを覚えておけると、何かあった際に相談しやすく、また、改善させやすくなります。
注意が必要なのは、製作から3ヶ月以内という条件がついていますので、気になる事があれば、早めに相談する事です。
そのようにしていただければ自ずと問題は、改善しやすくなります。
耳が痛くなった際の改善のまとめ
以上、クロス補聴器を使っているときに痛みを感じた際の改善方法についてまとめてみました。
多いのは、耳かけ形のタイプで、耳の中が痛くなる、もしくは、耳の上、付け根のあたりが痛くなる事でしょうか。多いと言いましても、実際に言われるケースは、10人に1人、いるか、いないかくらいになります。
仮に痛みが出てしまった場合は、場所ごとにより、対処方法は、異なりますが、こちらの内容を行なっていただくとよくしやすくなります。
一部、注意が必要な部分もありますので、その点に関してもまとめてみました。その点に注意して、改善していきましょう。
そうすれば、使いやすいクロス補聴器を得られるようになり、自ずと使い続けても楽な状態になります。
https://l-s-b.org/2019/01/prevent-from-getting-out-of-the-ear/
クロス補聴器に関する他の内容
https://l-s-b.org/2014/05/cros-hearing-aid/
https://l-s-b.org/2014/07/one-side-hard-hearing-inconvenience/
クロス補聴器の形状
https://l-s-b.org/2017/06/feature-comparison-of-cros-hearing-aids/
クロス補聴器の性能
https://l-s-b.org/2016/06/performance-difference-cros-hearing/
クロス補聴器の調整
https://l-s-b.org/2018/07/basics-of-adjustment-cros/
クロス補聴器の適正
https://l-s-b.org/2018/02/conform-cros-hearing-aid/
クロス補聴器で改善した事例
クロス補聴器の使い方
https://l-s-b.org/2018/07/use-smoothly-cros-hearing-aid/
クロス補聴器に慣れる
https://l-s-b.org/2018/07/getting-used-easy-cros/
耳から外れる場合は?
https://l-s-b.org/2019/01/prevent-from-getting-out-of-the-ear/