補聴器の基本・形状・調整

補聴器の評価がしづらい場合は、周りの方に聞いてみよう

深井 順一|パートナーズ補聴器

補聴器で聞こえを改善していく方法については、聞こえの改善と補聴器のFAQ、にまとめています。また、個々の症状(症例)ごとの改善を知りたい方は、お客様の聞こえの改善事例へどうぞ。

補聴器の評価は、意外にも自分自身では、しづらい部分があります。そのような場合は、周りの方に聞いてみると良かったりします。

周りの方は、ご自身が聞きにくい状態から知っていますので、補聴器をつけた時の聞こえ(反応)と補聴器をつけていない時の聞こえ(反応)の違いをよく感じているケースが多いです。

その方々からつけた時の状態、つけていない時の状態を聞いてみると、自分では、気がつかなかった部分を教えてくれます。

こちらでは、補聴器の評価に関して、記載していきます。

補聴器の評価方法

基本的に補聴器の評価の方法は

  • 自分で評価する
  • 補聴器使用時を測定して、評価する
  • 周囲の人に評価を聞く

の3つがあります。

難聴者自身(使用者自身)が評価する

補聴器使用者が評価する方法は、基本的に使用している補聴器が良いか、悪いか。という感覚的な内容、主観的な内容になります。

この点は、自分にとって、使った感覚が良いのであれば、良い評価になり、感覚が悪ければ、悪い評価になります。

補聴器の評価は、実は、自分自身で行うのは、非常に難しい傾向があります。

音が聞こえる感覚こそ、補聴器をつけることによってわかるのですが、どのくらい聞こえると良いのか、今現在聞こえの改善状況は良いのか、これらの部分は、わかりません。

補聴器を使ってわかるのは、聞こえてくる音の感覚が良いか、悪いか。の評価になります。

補聴器使用時を測定して、評価する

補聴器には、補聴器を使用した状態で、どのくらい聞こえを改善できているのか。言葉の聞き取りが、補聴器なしの状態とありの状態で変化したか。というのを調べる測定があります。

音場閾値測定というものと

音場語音明瞭度測定。というものです。

補聴器を使っている状態を把握できる測定の一つ。補聴器では、聴力別に改善できると良い部分があり、その部分まで、改善させられると、改善度は、上がりやすくなります。

補聴器を使っている状態を把握できる測定の一つ。補聴器では、聴力別に改善できると良い部分があり、その部分まで、改善させられると、改善度は、上がりやすくなります。

特に音場閾値測定の場合は、聞こえをしっかり改善できていると、数値が伸びやすく、バランスよく改善できていると、それだけ、万遍なく改善できている傾向があります。

補聴器の調整画面。補聴器の調整画面では、聴力別にどのくらい改善できると良いのか。その点を表してくれるようになっていることが多いです。そこから、自分は、どこの音が足りていないのか、逆に足りているのか、を判断することができます。

補聴器の調整画面。補聴器の調整画面では、聴力別にどのくらい改善できると良いのか。その点を表してくれるようになっていることが多いです。そこから、自分は、どこの音が足りていないのか、逆に足りているのか、を判断することができます。

実際には、補聴器の方で、聴力別にどれくらい改善したら良いか。の目標値があり、その目標値に沿って改善することで、改善しやすくなるのですが、結果として、上記の測定結果もよくなることが多く、これらで確認できると、どのくらい改善できており、今現在の状況も判断しやすくなります。

判断しやすくなれば、後どのくらい改善したら良いかもわかりますし、今現在の状態が良いのかもわかります。

こちらの測定は、非常に重要です。

周囲の人に評価を聞く

意外にもそのままになりやすいのですが、周囲の人に評価してもらうのも、良い方法の一つです。

補聴器をつけるとよくわかるのですが、自分の状況は、意外にもよくわかりません。

音が聞こえる感覚こそわかるのですが、それがどれだけ聞こえているのか、周囲の人からすると、つける前と変化があったのか、これは、自分では、自覚しにくい部分です。

音は、聞こえていないと反応できないものですので、今まで聞こえていなかったものが聞こえたとしても、自分では、「今まで聞こえていなかったものが聞こえた!」と自覚しにくくなります。

しかし、周囲の方の場合は、今まで補聴器がない状態で、呼びかけたり、会話していたりしていた記憶がありますので、その記憶と、補聴器を使った状態を比較してもらうことで、どのように変化したのか。が、非常によくわかります。

特に補聴器がない頃は、何度も呼んでいたり、伝わりづらかった記憶もある場合がありますので、一層、違いを感じます。

音は、聞こえていないと、聞こえていない事に気がつきません。補聴器を使用している人は、自分がどれだけ聞こえていないのか、逆に自分が今、どれだけ聞こえているのか。この2つに関して、自覚しにくい傾向があります。

私の体験

私自身は、生まれつき難聴で、補聴器をつけている人間です。

私の場合、基本的に補聴器の評価は、あまり主観評価は、行わず、客観的な評価と周囲の人の意見を聞くようにしています。

その理由は、上記の通り、自分ではなかなか評価がしづらいためです。補聴器は、耳につけると、聞こえる感覚こそわかるものの、それが良いのか、悪いのかは、なかなか判断ができません。

測定したり、周囲の人とお話してみて、初めて、よく聞こえているんだな。と確認できることが私の場合は、多いです。

私自身の体験で、周囲の人に聞いた方がよかった体験があります。それは、自分では、あまり変わっていないように感じたけれども、周囲の人に聞いたら、反応は、明らかに良くなっていた事です。

どういう事かと言いますと、私の場合、立場上、様々な補聴器を試せるのですが、色々な補聴器を試してみると、結局、改善する数値は、同じようなものになります。

ただ、周囲の人とお話してみると、客観評価は、同じような結果なのに関わらず、一部の補聴器は、反応がよく、よく聞こえているように感じた。と、言われたものがありました。

この時、初めて、自分自身では、確認できない何かがあるんだな。と感じました。

もちろん、今現在も客観評価を重視する思考は、変わっていませんが、それにプラスして、周りの方に変わったかどうかを伺う。それをする事で、より状況を把握しやすくなることを学びました。

まとめ

補聴器の評価に関しては、上記の通り、いくつかあります。どれも利点もあれば、欠点もありますが、複数の評価方法を利用することで、評価は、しやすくなります。

主観評価は、自分の感覚こそわかりますが、どのくらい改善できているのか、という客観的な内容は、わかりません。

客観評価は、自分の聞こえを客観的に見れるものの、その補聴器を使った感覚は、わかりません。

周りの人に伺った場合は、自分の聞こえに関して、第三者からみて、どう変化したのかは、わかりますが、主観および、客観もわかりません。

しかし、これらの評価を組み合わせることにより、より補聴器の状況を判断することができるようになります。

もし、自分自身で評価しづらい場合は、第三者の目で、補聴器がある状態、ない状態、どう変化したのか。を伺ってみると、どのように変わっているのかがわかりやすくなります。

主観評価のみは、かなりわかりづらいので、主観評価以外のものでも評価していけると、より状況は、わかりやすくなります。

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補聴器の形状

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ABOUT ME
深井 順一|パートナーズ補聴器
深井 順一|パートナーズ補聴器
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1986年、7月1日生まれ。生まれつきの難聴者で小学2年生の頃から補聴器を使っています。私にとって補聴器とは、難聴の方の生活を支える道具です。この店では、生活を支えられる補聴器を提供したり、支えられるサービスを提供する事で、聞こえの改善、生活の改善に貢献できるようにしています。

お店のご紹介

初めまして、パートナーズ補聴器の深井と申します。

このお店は、生まれつき難聴で補聴器を使っている人が対応している補聴器専門店です。

補聴器とは、難聴の方の生活を支える道具である。という考えから、生活を支えられる補聴器を提供したり、支えられるサービスを提供しています。

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